冬の八ヶ岳縦走/長野県【八ヶ岳山域】-前編/赤岳登頂まで-

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2014年01月24日 (金)~2014年01月27日 (月)
メンバー
天候
1日目/晴れ、2日目/曇り時々晴れ、3日目/不良曇り、4日目/晴れ
コースタイム
【1日目/美濃戸ロ~行者小屋】
美濃戸ロ⇒(150分)行者小屋

【2日目/行者小屋~赤岳・橫岳~夏沢峠】
行者小屋⇒(100分)赤岳⇒(25分)赤岳展望荘⇒(60分)三叉峰⇒(35分)橫岳/奥ノ院⇒(80分)硫黄岳⇒(40分)夏沢峠

【3日目/夏沢峠~天狗岳~黒百合ヒュッテ】
夏沢峠⇒(70分)根石岳⇒(105分)天狗岳⇒(65分)黒百合ヒュッテ

【4日目/黒百合ヒュッテ~渋ノ湯】
黒百合ヒュッテ⇒(90分)渋ノ湯

※歩行時間のみ表記。積雪状況により行動時間は大幅に変わります。
※今回はほとんどラッセルはなかったです。
コース状況
入山者も多い南八ヶ岳エリアですので、よほどの事がない限りはトレースに期待できそうです。ただし権現岳周辺は入山者が少ないと思われます。

赤岳の取り付きである文三郎尾根では、鎖の状況に注意が必要でアイゼンを引っかけないように注意してください。
稜線に上がってからは風が強まるのと岩場が加わるので滑落に注意しながら赤岳を目指します。くれぐれも軽アイゼンでの無謀登山は避けていただき、本格的な冬山装備でお願い致します。雪山の経験がついてから歩かれることを強くオススメ致します。

コースも初見だとコース取りが分からないかもしれませんので出来れば無雪期に歩かれることをオススメします。
難易度
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感想コメント

去年は北八ヶ岳を縦走しましたので、今回は南をテーマに歩き雪山放浪を楽しみたいと思います。

コースは全て小屋を頼れるの訳ではないので幕営道具を背負います。最後まで迷いに迷いましたがここ数年の自己テーマでもある“ライトな装備”を実践中でもあるので、厳しい冬山にこそ見いだせるのではないかと考え、天幕にはツエルトを選択しました。

初日に野営した行者小屋では、風の強いイメージでしたが山の洗礼はお預けに。。
ただし好条件の中で設営できたのは体力の温存などができ、後々に大きなアドバンテージとなりました。

2日目に赤岳を目指します。
関東圏から好アクセスな八ヶ岳山域がここ数年の雪山道場であり、もっぱら自分の足跡を残す事に喜びを感じます。今回の山行が成功すれば南北を繋ぐことが出来ます。
そして残すところ赤岳より南側ですが。それはまたいつか。。。

文三郎尾根での鎖は埋まっていたり露出していたりと、自分のアイゼンワークが試されるようで愉快な気持ちに。そう、この安易に登らせてくれないのも山の厳しさでもあり魅力的な部分。今回の縦走のほんの序盤ですが、初日のまったりした行程と比べれば一気に雪山然としてきました!!

尾根に上がると「びゅ~~。 ごぉぉおぉぉーーー。」と、まるで赤岳が咆吼している様です。しっかりと赤岳の雄姿を目に焼き付けながら進みます。
夏に確認できる岩に書かれた印は雪でかき消され分かりませんが、自分の記憶と岩の弱点を探しながら一歩一歩頂上へと登ってゆきます。すると再び赤岳頂上へと誘うように鎖も現れます。
行者小屋から赤岳までは、距離にして僅かですが本格的な雪山を感じれる魅力があります。

この日は頂上からも富士山や南アルプス、北アルプスの山々など360度の大展望が広がっており、いつも何も見えなかった赤岳のイメージが払拭され自然と嬉しさがこみ上げてきました。

さらに冬の縦走ひとり山旅は先へ続いていきますが、とりあえず前編はここまで。

ちなみに今回はツエルトで幕営しましたが十分に使えました。
※快適性・保温性・耐風性はあきらかにテントが上回ります。ツエルト使用はテントと比較ではあくまで自己責任が強まりますが…
結露も少なく、一番のメリットは軽量性でしょうか。幕帯としては隙間もあり、しっかりとブロックしないと雪の進入や保温力が得られません。ツエルトにご興味ある方はまずは温かい時期で設営をオススメ致します。冬に持って行くのは自分の場合、より軽量化にシフトさせる為です。

フォトギャラリー

阿弥陀岳が目の前に見えます。

南沢ルートを通り初日の宿泊地行者小屋へ

よく踏まれたトレースが助かります。しかし、ひとたび大雪になれば再びラッセルが待っていたりします。

日差しが強く春のような陽気。初日は行者小屋へのアプローチだけなので、いい感じです。

樹林帯を抜けると岩峰群が顔を出します。明日はこの稜線上を歩きます。

ツエルトを広げ終え、さぁ楽しみのご飯を。カレーは身体も温まります。黄色のガス缶に巻いているのは冬山では便利なガス缶の低温予防・凍結防止のカバーです。

2日目になりました。これは行者小屋、他のグループの天幕もいくつか確認できます。

赤岳と阿弥陀岳を示す看板。これを積雪状況では埋まって隠れる可能性が高いので、改めて地図・コンパスでルートを読むスキルはとても重要だと感じました。

阿弥陀岳が迫ってきます。山のピークは読図では役立つ目測物のひとつです。

文三郎尾根を登って進みます。雪が積もり確実に夏に比べて傾斜が増しています。尾根の途中でアイゼンを着用するのは大変なので直前に取り付けることをオススメします。

風が強くなってきました。

大同心・小同心のある橫岳西壁の岩峰群。

赤岳主稜線。アルパインクライマーの人気ルート。

尾根では阿弥陀・中岳の分岐まで道がハッキリと分かりました。

岩と雪の合わさった赤岳への道。よくお客様よりどこまでが軽アイゼンで大丈夫か質問を受けますが、こんな場所は前爪のあるアイゼンをご用意くださいませ。

赤岳の山頂に到達です。

富士山。

権現岳と南アルプス。

阿弥陀岳。他にも北関東など周囲の山々が360度見渡せました。

橫岳など先を進みますが、続きは後編の登山レポートへ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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