日本300名山・熊伏山【長野県天龍村】~変化に富んだマイナールートを行く~
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2015年01月14日 (水)~2015年01月14日 (水)
- メンバー
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 観音山登山口(80分)観音山分岐(60分)鶏冠山(90分)前熊伏山(15分)熊伏山(15分)前熊伏山(15分)反射板(30分)青崩峠(50分)草木トンネル(25分)観音山登山口
- コース状況
- 観音山登山口~観音山分岐
入口でいきなり迷いますが、階段を登って左に柵沿いを20mほど行くと道がわかります。
その後は登り一辺倒のつまらない植林地。1000m付近から雪が増え、アイゼンがないと厳しい。
観音山分岐~前熊伏山
雪の増減が激しい。急峻な場所は雪が少ない傾向にある。テープも少なく、派生する尾根もいくつもあるので、地図と地形を常に確認すること。基本的に北に向かえば問題ない。
藪もあるが、踏み跡が明瞭なので迷うことはない。中央アルプス方面が見えるのはこの間のみ。
前熊伏山~熊伏山
雪はあるがとくに問題なし。熊伏山から天龍村方面はかなり雪が深い。
前熊伏山~青崩峠
トラロープなどの整備が行き届いているが、ロープを頼りにした油断は禁物。名前の通り大きく崩れた斜面の横を通過する。
10本以上のアイゼンは必要ないですが、前爪使いたくなるような状況はあります。
青崩峠に駐車しての逆コースは、下山後に4km以上車道を登るのでオススメしない。
【道路事情】
・登山口に駐車場はないので、登山口から200m上がった退避スペース
、もしくは草木トンネル手前の青崩峠への分岐手前に駐車スペースがある。そこから歩いて約20分で観音山登山口。
・水窪周辺は雪はないが、草木トンネル手前から青崩峠に向かう林道は凍結している。
・浜松方面から車で来る場合、ガソリンスタンドは二俣駅周辺を過ぎると、40km先の水窪までない。コンビニは水窪にもない。
- 難易度
感想コメント
熊伏山は長野県の天龍村と飯田市の境にある標高1653mで、日本300名山に選ばれています。山頂からは南アルプスの深南部や聖岳や赤石岳の展望がよく見えることで知られています。
登山口は、山頂の東側の天龍村の平岡からと山頂の西側にある青崩峠(長野側と静岡側あり)から登るのが一般ルートです。が、今回は浜松市水窪にある観音山登山口から長野県と静岡県の県境尾根を伝って青崩峠の静岡県側に降りる縦走ルートを登ってきました。
このルートは熊伏山を登るにあたり、一般ルートではすぐ終わってしまうなぁと感じ、熊伏山から南に延びる尾根があり、そこに観音山という山があったので発掘しました。
ネットで調べてみると、やはり数件のマニアがいました。
観音山から熊伏に行く尾根は道に迷いやすく、アップダウンが激しく、ザイルを使ってるなんて人もいました。
しかし、どれも残雪期から晩秋までで、厳冬のこの時期に行く人はほとんどいませんでした。
ならば自分が行ってやろう!と行ってきました(ニーズがあるかわかりませんが。。。)。
観音山登山口から観音山と熊伏山への分岐まではスギやマツなどの針葉樹林帯の急勾配をひたすら登ります。1000mを超えた辺りから雪が出てきたので6本爪アイゼンを付けました。
稜線に出ると、左に行けば観音山山頂、右に行けば熊伏山への稜線になります。今回は観音山の山頂はパスしました。
ここから今回の核心部の道になります。最初は雪は少ないですがアイゼンは外さない方がいいです。
ネットにあった通り、木や岩を掴みながら這いつくばるような登りが10ピーク以上ありました。しかし1つ1つがそんなに長くないので難しくはないです。両サイド切れた細い場所もありますが、ザイルを使うような場所はなかったと思います(あれば引き返します)。
特に注意が必要なのは、鶏冠山(とさかやま)という地図に載っていないピークの後です。鶏冠山からそのまま東に降りそうになりますが、看板の巻くように北西に降ります。その後、これまでにない急勾配の連続で不安になりますが、それで間違いではありません。
一番通過が難しいキレット部を超えると、悪路は一段落しますが、今度は藪が出現します。幸い中央がくっきり分けられているので迷うことはないですが、背丈以上のササなのでかき分けるのに苦労します。
藪が終わると勾配もゆるくなりますが、今度は熊伏山まで雪が深くなります。深い所で膝ほどあり、雪質も緩いのでなかなか前に進みません。当然トレースもありません。
ほどなくして前熊伏山に着きます。ここが青崩峠からの一般ルートの合流点です。青崩峠からもこの時期に登ってくる人は皆無なので、トレースはありません。15分ほどで熊伏山に到着し、南アルプスの深南部と聖岳の勇姿がよく見えます。
山頂にはノートがあり、多くの登山客の方が書き込みをしていました。確認すると、やはり1月から3月の間は来る人はかなり少なかったです。私も落書きさせてもらいました。内容は実際に熊伏山でご確認ください(笑)。
少しだけ天龍村方面に降りましたが、こちらは更に雪が深かったです。こちらから登るのはかなり大変だと思います。
前熊伏山に戻り、青崩峠に降りましたが。こちらも勾配はきつく、尾根も細いです。観音山からのルート違い、危険箇所にはトラロープがあり、それなりに整備されています。
大きな反射板にたどり着くと、樹林が開け、今回一番景色がいい場所になります。
青崩峠に到着すると、ここから車を止めた観音山登山口まで約4kmの林道&車道歩きです。雪がなければ青崩峠に自転車をデポして行くのも一つの手だと思います。
観音山から熊伏山の間は常に恵那山や南アルプス深南部の山々、聖や赤石が見えていますが、樹林に囲まれているため開けるところはほとんどありません、景色だけ楽しむなら、青崩峠から登るルートが一番オススメです。変化に富んだコースや自分の腕試しには今回のルートはなかなか面白いと思います。
道標はないですが、県境の印とテープが少ないですがあります。しかし地図やGPSをこまめに確認しながら歩くとよいです。
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。