厳冬の五竜岳 遠見尾根
- 投稿者
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田中 祐士
GRAVITY RESEARCH HIMEJI
- 日程
- 2016年01月22日 (金)~2016年01月23日 (土)
- メンバー
- GRAVITY RESEARCH 姫路 戸田氏
松本パルコ店 山本氏
本社 平田氏
- 天候
- 初日:晴/強風 2日目:曇/雪/強風
- コースタイム
- 1/23
リフト降り場-(4:30)-西遠見山BC(ベースキャンプ)
1/23
登り:BC-(2:00)-五竜山荘-(2:00)-五竜岳
下り:山頂-(1:15)-山荘-(1:15)-BC-(2:00)-ゴンドラ乗り場
- コース状況
- 入山日の数日前から広域で大荒れの天気。当日も晴天ではあるものの、強風が吹きすさぶ中での登山となりました。おかげで、吹き溜まりを除いて全体的に表雪は締まっており、ワカンでも何とかスノーシューに喰らいつきながら歩くことが出来ました。例年より少ない降雪量という事もあり、噂に聞いていた遠見尾根の発達した雪庇はほとんど見られず、初日は快適な雪稜歩行となりました。
2日目は、朝からどんよりとした曇天。薄い雲が空を覆いつくし、雪面とほぼ同化した空により、尾根の不明瞭な白岳の登りではルートファインディングにかなり苦戦。それ以外の箇所でも、GPSという文明の利器にも助けられながら山頂へ到達することが出来ました。-20℃近い気温に10m前後はあろうかという強風で、オーバージャケットの下にフリースを着込んでいても、歩いていて肌寒い位の体感温度でした。
- 難易度
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感想コメント
最近ボルダリングに傾倒しつつあるというアルパインクライマーを関西から強制召集し、総勢4名という久々のやや大所帯での登山。当初の計画では、厳冬期の富士山を目指そう!という事で、久々に入山までの緊張した日々を過ごしていましたが、生憎(?)の悪天候により比較的天候が安定していた北アルプス北部から、この五竜岳遠見尾根をチョイス。とは言うものの、予想通りの強風吹きすさぶ中での登山は、忘れかけていた雪山の厳しさを改めて感じる事が出来た上、パーティで登ることの良さや必要性についても再認識した有意義な登山となりました。
1/22
11:00 駐車場発。全国的な悪天の影響で関西組が渋滞に捕まり、大幅に遅れての合流。初日の行程の短さに救われて、とりあえずスタートする事に。
11:30 リフト降り場着。テレキャビンとリフトを乗り継いで、尾根の取り付きへ到着!ちなみに、下りではリフトに乗れないそうなので、あてにして精神衛生を損なわないようご注意を。
13:30 小遠見山着。初日の行程の丁度半分!晴天の中、快適な雪稜歩きを満喫する余裕がこの頃にはまだ十分ありました。
16:00 西遠見山手前のBC着。周辺の斜面に囲まれた盆地の様な平たい雪面を発見し、早速本日の宿作り開始!入山直前まで、あれほど雪洞を掘ろう!と全員の意見が一致していたにも関わらず、入山後には必死でテント場に適した平地探しに躍起になる始末…。必死で地面を掘り下げ、無骨なモノポールテントによる宿が完成。不完全な設営のテントを見てようやく、本来は雪洞を掘る予定だったことに気付くものの、時すでに遅し。この日はすきま風吹きすさぶテント内で身を寄せ合って夜明けを迎えることとなりました。
1/23
6:00 アタック日の今日の行程は長いものの、尾根が不明瞭でルートファインディングが困難な白岳の登りを、夜明け前に登る技術や経験は無い。という事で、白岳の登りに差し掛かる辺りで夜明けを迎える時間に出発することに。
8:00 五竜岳山荘着。白岳を越えると間もなく山荘に到着。案の定、白岳までの登りは非常に苦戦を強いられる結果に。夜が明けたら明けたで、曇天により稜線と空の境界が非常に曖昧な為、尾根との距離感を測る事が難しく、尾根に沿っておよそ10m弱ほど下を歩いていたが、実際は尾根とかけ離れた雪面を歩いていたことがGPSによって判明。その後、こまめに地図とGPSをチェックしながら何とか白岳へたどり着くことが出来ました。山荘で、スノーシューなどをデポし、アタック態勢でいざラストスパート!
10:00 五竜岳着!山頂へは、冬季とは言えほぼ夏道をトレースする形で頂上へと向かいます。歩き出し30分ほどは、斜面に沿って明瞭な夏道の上の雪面をトラバース。その後も斜面を引き続きトラバ-スしていくが、鎖場周辺のルート取りが難しく一度トラバースせず尾根沿いに進んでしまうものの、痩せ尾根で進むことが出来ず同ルート下降。降りたら夏の踏み跡らしき道を発見し、無事に正規ルートに戻ることが出来ました。
最大の核心部?と思われる、頂上直下の雪壁はさほど難しくもなく、やや高度感のある雪壁をシングルアックスで登行。無事に登頂へと至ることが出来ました。
13:00 BC着。天気も悪いため、足早にデポした荷物をまとめて下山。標高が下がっても風が止む気配はなく、結果的に尾根にいる間は終始強風に抗いながら歩くことになりました。
15:00 ゴンドラ乗り場着。長時間の行程で疲れ切った為、満場一致でリフトで降りる事に決めていたが、何と下りではリフトに乗れないという驚愕の事実が判明。精神衛生を損ねた一同は、ゾンビの様な重い足取りでゴンドラへと向かうのでした(笑)
下山後は、テレキャビン乗り場する隣の施設にて、待望の温泉に入浴。顔面に軽い凍傷と足先にピリピリとしたしたしびれはあったものの、強い日焼け以外は数日ですぐに治っていきました。
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