黒部峡谷・紅葉の下ノ廊下 

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投稿者
あやや(おとな女子登山部)
日程
2016年10月23日 (日)~2016年10月24日 (月)
メンバー
東京オフィス:山崎、おとな女子登山部:荻野なずな部長、まっちゃん 
天候
①曇り時々雨②晴れ
コースタイム
1日目
黒部ダム(150)内蔵助谷出合(60)黒部別山沢(40)白竜峡(60)十字峡(60)半月峡(2)S字峡(55)仙人谷ダム(60)阿曽原温泉小屋
2日目
阿曽原温泉小屋(120)折尾ノ大滝(60)大太鼓(70)志合谷トンネル(60)蜆谷(100)欅平駅
コース状況
・標高差はあまりありませんが、断崖絶壁の危険個所の多いコースです。
・ヘルメット必須です。
・雨が降った場合は非常に滑りやすいので十分注意して下さい。
・不安がある方はロープや確保器等の携行が望ましいです。
≪お手洗い場所≫
・ロッジくろよん(水洗/ペーパー有)
・黒部ダム登山口前(水洗/ペーパー有)
(観光客の利用する売店横は早朝は閉鎖されています。)
・阿曽原温泉小屋(水洗/ペーパー有)
・欅平(水洗/ペーパー有)
難易度
Google Map
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感想コメント

先週の大杉谷に引き続き日本三大峡谷の黒部峡谷へ行って来ました。
去年は開通せず断念した経緯があったので、今年こそは!と意気込んでおりました。

天気予報は当初雨でしたが、祈りが通じたのか曇り時々雨にまで回復。
ハイシーズンの下ノ廊下は混雑必至なので、黒部湖畔にあるロッジくろよんに前泊しました。
(※早めに予約が必要です。)

■1日目
5:20出発。まだ誰も居ない黒部ダムへ向かいます。
経験者の部長が先導してくれたので迷うことはありませんでしたが、スタート地点は昭文社の地図だけでは分かり難いです。

黒部ダムを左手に見つつ、橋を渡るといよいよ旧日電歩道の始まりです。
紅葉はジャスト。
最初の1時間は写真を撮るのに忙しく、なかなか進まなかったです。
内臓助谷出合まではウォーミングアップ。

以後の白竜峡は”危”マークが続き、まさに下ノ廊下に来たのだと実感させてくれます。
最初はアドレナリンが出ていたのでしょう、緊張感の中にも「こんな場所歩いた事がない!」という新鮮さが勝り、楽しいと思ってしまう自分が居ました。
が、コースの後半では慣れたからこその冷静さから、急に恐怖を感じました。

十字峡、半月峡、S字峡と見事な渓谷美が続き、左手はワイヤーロープ、右手はカメラを常に持ち
慎重に進みました。

長ーい東谷吊橋を渡り仙人谷ダムへ。
ここまでが旧日電歩道。その先が水平歩道となります。
ハイライトの高熱隧道は急に硫黄臭が鼻を突き、不思議な空間へ迷い込んだ感覚に陥りました。
(帰ったらまだ読んでいない吉村昭さんの本を読みたいと思います。)

この辺りから少しだけ小雨に当たり、加えて最後の急坂に心が折れそうになった頃にようやく
阿曽原温泉小屋が見えてきます。
この日の予約は100名。
さすが、開通する1~2か月間で3,000人以上が訪れるだけのことはあります。
事前の問い合わせで1つの布団で2人、と聞いておりましたので「やはり」という感じでしたがどんどん到着する登山客で内も外もテント場もごった返して凄まじい勢いでした。

自炊後はお楽しみのお風呂。
交代制で、最終女性タイムに行くと夜空には満点の星空。
こんな幸せな事ってそうないと思います。
因みに、実はここにも高熱隧道が通っており、ブルーシートで仕切られたトンネルの内側は強烈な蒸気が出ています。そこに5分位いましたが、翌朝とてもお肌がぷりぷりしました!!
スチーム効果?!気になる女子は是非(笑)

念のためシュラフとマットを持参していましたが、ご主人の計らいで角の場所をあてがっ下さり、寄り添い合って温かく布団で眠ることが出来ました。感謝感謝です。

■2日目
本日は5:30出発。
欅平を目指し延々と歩きます。

折尾谷手前の沢は広いので、ここで小休止。
気温は11℃前後で日向は歩いていると暑いですが、日陰は寒いので衣服でこまめに調整します。
昨日の旧日電歩道に比べると危険個所は少ないですが、大太鼓近辺など緊張感を持続させなければ
ならない場所もあります。
ヘッドランプが必要な個所もありますので、すぐに出せる場所に準備しておくとスムースです。

送電線の鉄塔が出てくるとそろそろゴールが近くなってきます。
急なシジミ坂はゆっくりと下山。ようやく欅平に着き25㌔を歩き切りました!!
欅平からは宇奈月温泉までトロッコ電車に乗って乾杯しながら帰りました。

最狭部50~60㎝での通路でのすれ違いは非常に危険です。
譲り合って行き交うためパーティーが多いほど時間がかかります。余裕を持った行動計画が必要です。

下ノ廊下は毎年数千万円の費用と500名の人員を投じて整備・補修されているそうです。自然の造形美、等と言いますが、人の手を入れてこそ野生ではなく「自然」が維持され楽しめるのだと改めて感じました。

■今回の服装
上:スキンメッシュ半袖+ウール(200ウェイト)
下:秋冬用パンツ
小物:ヘルメット+キャップ。状況によりグローブや化繊JKT等使用しました。

■気温
10/22 ロッジくろよん 17:00(11℃)
10/23 登山口 6:00(10℃) 白竜峡10:40(15℃) 阿曽原温泉小屋 17:15(10℃)
10/24 阿曽原温泉小屋 5:20(5℃) 折尾谷 7:00(10℃) 欅平 13:10(23℃)

フォトギャラリー

圧巻の峡谷美

部長、「ム」が隠れてまっせ

前泊したロッジくろよん

さあ、旧日電歩道を行こう!

オリンパスカメラで「ポップアート」モード初使用

毎度のおふざけ

何でこうなったという高さの梯子。迂回路もあります。

さすがの日曜日。大渋滞。

すれ違いに気を付けて

紅葉はドンピシャでした

ヘルメット必須です

こーわーいー

渡り出したらもう後戻り出来ない・・・

本日の宿泊者数100名也

夜明け前に小屋を出発

下も見つつ、上も見て大変

最後まで気が抜けないルートでした

疲れた足に下りは堪えます

約25㌔の道のりを経てようやく欅平に到着!

トロッコ電車にて宇奈月駅まで。お疲れ様でした☆

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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