剱岳~三度目の正直

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投稿者
酒井 健
さいか屋藤沢店 店舗詳細をみる
日程
2017年09月19日 (火)~2017年09月21日 (木)
メンバー
天候
19日:晴れ 20日:曇りのち雨 21日:曇りのち晴れ
コースタイム
19日:室堂<40分>雷鳥沢キャンプ場<90分>剱御前小屋<30分>別山<45分>剱沢キャンプ場
20日:停滞
21日:劒沢テント場<25分>剣山荘<60分>前剱<50分>平蔵のコル<30分>剱岳山頂<35分>平蔵のコル<30分>前剱<50分>剣山荘<25分>剱沢テント場<40分>剱御前小屋<70分>雷鳥沢キャンプ場<50分>室堂
コース状況
鎖や足場が必要なところにちゃんと設置されているのできちんと経験を積み三点支持やバランス力がしっかりできれば歩けると思う。大事なのは高度感をいかに克服できるかではないか。怖くて鎖にしがみついていては逆に危ない。また後続が詰まってきたときにどうしても焦ってしまいがちなので注意したい。
難易度
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感想コメント

福岡にいた時に台風の為断念し、金沢に来て早速計画したもののまたもや天気に阻まれ断念し、、、
3度目でようやく登ることができた。(危うく今回も撤退?!になりかけたが、、、)

初日は劒沢テント場まで。天気は快晴!とても気持ちいい!
雷鳥沢にもたくさんのテントが張られていた。
今日の核心は雷鳥沢キャンプ場から剱御前小屋までの登り。多少足場は悪いが今日の青空に気分は高揚。どんどん高度を稼いでいく。30分ほど登ると稜線に出る。雷鳥沢、室堂、雄山から真砂岳、奥大日岳、ますますテンションがあがる展望だ。所々紅葉が始まっていて赤く染まっている。剱御前小屋直下の急な登り、雷鳥坂をもこの展望が後押ししてくれる。ジグザグとつづら折りの急登を登りきると剱御前小屋に着く。目の前にはどどーーんと剱岳。こんなに間近で見る剱岳にやや感動。たまらんね。
ここでずいぶんと風が強くなってきた。防寒着を着こんで別山に向かう。この別山からの剱岳もまたまた格別だ。八峰、平次郎谷、長次郎谷、も良く見える。いつか挑戦してみたいものだ。
別山からややザレた急な登山道を下ると剱沢テント場に到着。目の前に剱岳を望む贅沢なテン場だ。おまけに携帯もつながる。ビックリだ。

次第に風が強まってきた。テントを張る場所もなるべく風が避けられるような場所を選びつつしっかりと固定する。実は明日、天気が崩れる予報だ。雨は夕方から降る予報であるものの朝からかなりの風が吹くらしい。アタックできるのか?
希望を残しつつそそくさ就寝したが夜半からやはり風が強くなってきた。何度も起こされる。一応4時に起床したものの風は弱まることもなく、、、何せ初のアタックであり、ビビッている妻も一緒なのでやはり今日は停滞に決めた。明日は回復予定!だがそれが微妙な時間なのだ。明日アタックして室堂まで、それもバスの最終までに戻るとなるとかなり早朝に出発しなくてはならない。だが6時ごろまでは微妙な予報だ。またもや今回も撤退なのか、、、

午後になりついに雨が降り始めた。風もさらに強まり周りのテントが倒されている。荷物が残っているからかかろうじて飛ばされていないが浸水は否めないだろう。そんな中、我がテントも床の下が川状態だ。じゃあじゃあと水が流れている。途中張り綱が何度か緩んだ。岩にしっかり括り付けているのにこんなに重い岩が動くのか?やはり風は怖い。明日本当に回復するのだろうか、、、

3時起床。まだ風は強く雨も止んでいないが望みを持って準備を始める。
風も雨も弱まってきたがまだまだ。それでもなんとか出発してみる。剣山荘でハーネルとヘルメットを装着。雨はあがったもののまだまだ靄の中をまずは前剱を目指す。岩場の濡れはあまりないようだ。鎖場がところどころ出てくるものの危険な感じはなく三点支持で登って行く。時間が押しているのでなんとなく早めのペース。前剣手前で靄が消え始め日差しが出てきた。上を見上げると次第に青空が広がっていく。きたきたーー!!急速に天気が回復していく。
前剣を通過し次は平蔵のコルだ。と、目の前にびっくりする光景が、、、空中に1枚板が乗っかっていてその先に岩肌を這うように鎖が設置されている。いうまでもなく妻が騒ぎ始めた。“まじでーーー、やばいってーーー、むりむりーーー” うるさいから。慎重に板の上を進み、慎重にトラバースを進む。遠くから見るとびっくりするが実際歩いてみるとそれほどでもないのが岩場あるある。さすがに先ほどまでの強風だったらちょっとビビるが、、、妻は早速鎖にカラビナを掛けて確保しながら登ってきた。“帰りもやだなーー”と言っていたが帰りは別のルートなのでご安心を。いったん下るとちょっと安心する登山道(笑)一息ついていよいよ鎖場の連続するルートへと入っていく。平蔵の頭への鎖場を登って下りて、そしてあのカニのタテバイへと取付く。ここではボクも一応確保しつつ登ってみる。しかし足場はちゃんとあり鎖と三点支持を守ればそれほど難しくはない登りだと思う。あとは高度感をいかに克服するか、だ。妻はもちろんすべてに確保を入れ一度も後ろを振り向くことなく登ってきた。カニのタテバを過ぎればあとはいくらか緩やかな登りとなるが足場が悪いことに変わりはないので慎重に。そして、ようやく、念願の山頂に到着!!空は晴れ渡り最高の展望だ。ようやく、ようやく登ることができた。妻も一安心の様子。途中あまり休憩もせず登ってきたのでここで眺めを堪能しつつしばしの休憩。

さて下山開始。“慌てず、ゆっくり、一歩づつ、石を落さない” ブツブツ言っている妻の声が聞こえる(笑) でもその通り。足場をしっかり確認して下っていく。そして最初の難関はカニのヨコバイ。切れ落ちた岩場をトラバースしていくのだが最初の足場が分かりずらい。ここでも一応確保しながら進む。それでもやはり終わってみれば足場も鎖もしっかりしているのだが最初は緊張するものだ。続く梯子をクリアするとやや一安心。平蔵のコル、平蔵の頭を過ぎるとさらに一安心。あの行きのビックリする一枚板は通ることなく前剣に到着。さっ、もう一息。少しスピードをあげつつ慎重に剣山荘を目指す。

小雨降る中出発してから6時間。無事テント場まで戻ってきた。と、残念ながらゴールではない。急いでテントを撤収し荷造りをして室堂へ向かう。雷鳥沢キャンプ場からの石段の登りが地味にキツイ。そうしてなんとか最終1本前のバスに乗り込んだ。

フォトギャラリー

懐に入らないとこの景色は見られない

ハーネス、ヘルメットを装着して出発

鎖場のスタート

この天気 やはりライチョウ出現

三点支持でしっかりと

前剱到着

信じがたい光景

びびりまくりの妻

待ってろよーーー

鎖に足場も設置されています

いよいよカニのタテバイ

一度も振り返らなかった妻

最後の登り

祝!山頂!!

ここまでこれたからのご褒美

遠くに劒沢キャンプ場 あそこから歩いてきたのか、、、

帰りの核心 カニのヨコバイ

のあとの梯子

少し紅葉が始まった山崎カール

おまけ テントの下を流れる川?!

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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