福島県 尾瀬 燧ヶ岳(俎嵓) 2346m

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2022年05月24日 (火)~
メンバー
高知大丸店 戸田
東武宇都宮店 森本
天候
晴れ
コースタイム
大清水登山口→(40分)一ノ瀬→(50分)三平峠→(10分)三平下→(70分)沼尻平→ナデッ窪経由→(120分)俎嵓→(30分)沼尻平→(180分)大清水登山口
コース状況
一ノ瀬から先はほぼ積雪した道。夏道の木道はほとんどが雪で覆われており、夏道をトレースするのは不可能です。特に尾瀬沼に出てから沼尻平までの道はルートファインディングを間違うとかなり時間を食います。
詳しくは「感想コメント」欄に書いてます。

【気象】
大清水登山口(1194m) 8:40時点 17℃ 無風
沼尻平(1665m) 12:00時点 16℃ 微風
俎嵓(2346m) 14:00時点 15℃ 微風

【服装】
トップ
・ハードシェル
・化繊薄手インサレーション
・薄手長袖フリース
・150メリノ半袖Tシャツ
・ドライナミックノースリーブ
ボトム
・化繊薄手パンツ
グローブ
・薄手ソフトシェル

1日中雲一つない快晴で風もほぼなしというこれ以上ないコンディションでした。
日向は雪の照り返しもありかなり暑かったのでフリースはいらなかったかもしれません。
ハードシェルは1度も着ることはなく、防寒着も休憩中に着ただけ。
グローブはピッケル使用時にだけ着用。雪が手について冷えるのを防ぐこととピッケルから手を保護するのに役立ちました。
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感想コメント

高知のお店に立っていても、行かれる方のお話を聞くことがある尾瀬。
一度惹かれてしまえば距離は問題ではないんですね。
No place too far ということで。

私も行ってきました。
夏のイメージの強い尾瀬ですが、夏まで我慢できませんでした。

どういう服装で、どういう道具を選べば快適に登れるか、残雪期は特有の難しさがあります。かなり迷いましたが、特に雪対策として重要なギアは以下の組み合わせにしました。

・アルパインブーツ
・6本爪アイゼン
・ストック(1セット)
・ピッケル(48cm×1)
・サングラス

うまくハマったところもありましたが、そうでないところも。
具体的に見ていきましょう。


大清水登山口 → 一ノ瀬
下地が整った林道。アルパインブーツだと正直歩きにくい。
柔らかいローカットのシューズが恋しくなりました。


一ノ瀬 → 尾瀬沼(三平下)
1kmも歩かない内に下地は一面雪になりました。勾配がキツいところはなく、踏み抜きもなし。アイゼンはなくても歩けますが、柔らかい靴だと体力を削られるポイントです。アルパインブーツのありがたみを感じました。
ただ、体力に自信のない人や雪道に慣れてない人はこのあたりからもうアイゼンをつけた方がいいでしょう。滑るか滑らないかというのではなく、行動スピードを上げるという意味で。
三平峠付近はルートファインディングに気を遣います。
雪におおわれた見通しの効かない樹林帯、夏道はまったく見えません。読図云々を考えるまでもなく、GPSアプリ等をフルに使いましょう。


尾瀬沼→沼尻平
厄介なポイントその1。
沼畔のトレイルをふつーに歩いて行けると思っていたのですが、雪が多すぎてほぼトレイルは使えず。水辺を歩ける箇所は楽できますが、沼に向かって雪の斜面が落ち込み、ところどころ途切れているので、斜面を上がっては降り、樹林帯の迷路をさまよい、とにかく時間を食います。6本爪アイゼンを付けていましたが、結局斜面ではキックステップでトウで立つ動きにのるので、ほとんど爪が効かず、10本ないし12本の前爪があるタイプがベストでした。
踏み抜きもたまにあり、夏道の倍以上の時間がかかると思って間違いないです。
踏み抜きのおかげで、同行の森本さんは股関節を痛め、私はアイゼンでパンツを破きました。散々。
サングラスはこの辺りからフルに着用しました。雲のまったくない快晴、下地は雪。
強烈なまぶしさです。構わず行動すれば雪目になること必須です。


沼尻平 → 俎嵓
厄介なポイントその2。
大量の雪で覆われた谷(ナデッ窪)をひたすら詰め上がる。誤算だったのは思ったより傾斜がキツいこと。
上に行けば行くほど傾斜が増し、アングルメーターで計測したところ、最大斜度は45°をやや超えていました。
6本爪アイゼンやチェーンアイゼンでは付けていてもまったく意味のない傾斜で、高剛性のブーツと、保険のため持っていっていたピッケルで凌げましたが、ここもやはり前爪のある10〜12本アイゼンがベストな選択でした。
ここで森本さんは股関節の痛みが限界を迎え、森本さんだけ沼尻平に引き返すことに。
身体にかかる負荷はナデッ窪の登りが1番ハード。
ナデッ窪を上がりきると、ミノブチ岳というピークが目の前にそそり立ち、まだ登るのかとやや嫌気が差しましたが、よく見ると巻けるようになっていたので一安心。
俎嵓の直前の岩尾根には雪がまったくなく乾いた岩を快適に登っていけます。
ここでアイゼンは外しました。
残雪期にナデッ窪を利用するのはなかなか手ごわいので、長英新道を利用した方が楽そうです。


俎嵓 → 柴安嵓
俎嵓のピーク付近には雪がなかったのですが、柴安嵓までの登り降りには雪がべったり。ピークハントが目的ではなかったので柴安嵓までは行かず。俎嵓まででもうお腹いっぱいという感じです。
あれだけ苦労したナデッ窪も下りだと非常に楽。最初こそ傾斜が強いので滑ったらピッケルで止めることもありましたが、駆け降りて20分ほどで沼尻平に着きました。


沼尻平で今回のメインディッシュ、アマノフーズの限定食「味噌カツ」を食べて帰りました。味噌カツのドライフードだなんて、、、よくこんなの作れたものです。
さすがとしか言いようがありません。


残雪期の尾瀬は装備選びが難しいですね。
歩く距離も長いので体力もいります。
しかし、尾瀬沼の沼畔に残る雪、水面から立ち上がる燧ケ岳の遠望、グラデーションがかった空の青さ、この時期にしか見れない絶景でした。

フォトギャラリー

燧ケ岳遠景。空の色が・・・。

大清水の駐車場がスタート。まだ乗合タクシーは運行していません。

ゲート。正直、この時期は一ノ瀬まで車で行かせてほしい。

一ノ瀬からは山道。

早々に雪が出てきました。

積雪は樹林帯でもこのくらい。

気持ちのいい樹林。

尾瀬沼まで来ました。眩しい!

ここから悪路。

時間がだいぶかかって沼尻平へ。

この分岐からナデッ窪へ。

傾斜がどんどん増していく。

この辺りが最大傾斜。

ピッケルの出番。ペツル・ガリーが調子良かったです。

俎嵓に到着。

達成感あります。

下りてから遅いお昼ごはん。味噌カツって!

激しくうまい。

卸したて、マムート・タイスライトミッド。最強のアルパインブーツです。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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