愛媛県 石鎚山北壁 『ダイレクトルート』 オールフリー
- 投稿者
-
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店
- 日程
- 2022年06月09日 (木)~
- メンバー
- 高知大丸店 戸田
本社 圡方
GRAVITY RESEARCH SANGA STADIUM by KYOCERA 平嶋
- 天候
- 曇り
- コースタイム
- 土小屋登山口→(90分)三ノ鎖小屋→(15分)ダイレクトルート取付→(120分)天狗岳→(40分)ダイレクトルート取付→(60分)土小屋登山口
- コース状況
- 土小屋登山口から三ノ鎖小屋までは悪路はなく非常に整備が行き届いたトレイル。
三ノ鎖小屋からルート取付まではかすかな踏み跡が頼りだがわかりにくい。壁を見て、その形状からどのルートかを判断した方がわかりやすい。
【気象】
土小屋登山口(標高1493m) 10:10時点 17℃ 微風
天狗岳(標高1982m) 14:50時点 14℃ 3~5m/s
【服装】
トップ
・ウィンドシェル
・150メリノウール半袖Tシャツ
ボトム
・薄手化繊パンツ
アプローチはTシャツだけで汗だく。
登攀する時になってガスが出てきて寒かったのでウィンドシェルを着てちょうど良かったです。
感想コメント
関西から強力なパートナーが来てくれることになり、ずっと登ってみたかった石鎚山北壁に行けることになりました。
北壁のルートのほとんどはエイドで登られていますが、フリーでも登れると人づてで聞いていました。
5.11b~d程度とのことだったので、私でもなんとかフリーでいけるレベル。
壁の前に行くまでどのルートを登るか決めていませんでしたが、壁を見て、全員一致で『ダイレクトルート』へ。
やはりルートを抜けると頂上というのは一番魅力的です。
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『ダイレクトルート』 ※()は体感のフリーグレード
1P目 Ⅳ A1 (5.10a) 戸田リード
出始めは緩傾斜帯にまばらに打ってあるリングボルトをたどる。左上する凹角に入るとやや傾斜が増し、ボルトやハーケンが連打されていて、このあたりを本来はA1で登るのか・・・。しかしホールドはしっかりしたものがあり、問題なくフリーで登れる。アンカーは全て錆びていて脆そう。
終了点は凹角がやや広がった狭いレッジに、フィクスのスタッドアンカーが2つ(リングボルトも複数あり)。
事前情報よりはだいぶ快適なビレイステーションでした。
2P目 A1 (5.11c) 圡方リード
初っ端が一番悪く、手も足もかなり細かく、使いたいところがだいたい濡れている(おそらく常に濡れている?)。
ハングに下向きに開いたクラックをアンダーで持つところまでが厳しい。
カンテ側に出てからはバランスクライミング。
凹角が狭くなってくるので体がやや窮屈な状態でムーブを起こさないといけないのが難しい。上部のホールドは比較的いい。
また、このピッチはフィクスのスタッドアンカーがところどころ打たれており、安心感がある。
登りきるとほぼ頂上。
ビレイステーションは、ボルトがないため岩に240cmスリングを巻いてカム(1番・2番)でバックアップ施しました。
下降について。
アプローチシューズを置いてきてしまったので懸垂で降りることに。
ダイレクトルートは左上している上にややハングしているので、『トイルート』の終了点付近にあるピナクルにロープを掛けて降りました。ここもやはりボルトの類は一切なし。
25mほど降りたあたりにマイロンがかかったビレイステーションがあり、そこでピッチを切って下まで。
私たちは60mロープ×2でしたが、50m×2でも十分足ります。
やや藪が鬱陶しかったので、登山道で降りる方がもしかしたら楽かもしれません。
その場合は、三ノ鎖小屋のあたりに不要な荷物をあらかじめデポしておいて、アプローチシューズを持って登れば無駄がありません。
プロテクションについて。
錆びたハーケンやリングボルト、RCCボルトがほとんどで、落ちた時に耐えられるかどうか怪しいものばかり。2P目だけスタッドアンカーがあります。
補助的に使うかと思ってカムを1セット持っていきましたが、結局ビレイステーションの補強にしか使いませんでした。
クイックドローは15本くらいあってもいいと思います。10本程度だとちょっと間引かないと足りないです。
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ガスで展望はまったくありませんでしたが、2P目は出色のおもしろさで、実質この1Pのために来る価値があると思います。
エイドで登るのは勿体ない。ぜひフリーでトライしてみてほしいルートです。
西日本最高峰の天狗岳と併せて堪能できます。
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