岐阜県 笠ヶ岳 2897m 笠新道ピストン

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投稿者
戸田 竜也
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日程
2022年08月18日 (木)~2022年08月19日 (金)
メンバー
高知大丸店 戸田
友人1名
天候
雨/晴れ
コースタイム
【1日目】
新穂高センター→(50分)笠新道口→(240分)杓子平→(160分)笠ヶ岳山荘
【2日目】
笠ヶ岳山荘(10分)→笠ヶ岳→(5分)笠ヶ岳山荘→(130分)杓子平→(180分)笠新道口→(40分)新穂高センター
コース状況
1日目は本降りの雨。
登山道の状態はともかく、渡渉点がある登山道は増水のため通行止めとなってしまったところがいくつもありました。
私たちは笠新道を上がったので増水の影響はありませんでしたが、クリヤ谷道や小池新道の渡渉点は渡れないため、特に双六岳方面に向かう人はわざわざ笠新道から上がって迂回して行っていました。
計画を立てている人は登山道の状況を各山小屋に確認してから向かった方がいいでしょう。

【気象】
新穂高センター(1091m) 6:20時点 18℃ 微風
笠ヶ岳山荘(2817m) 13:00時点 11℃ 3~5m/s
笠ヶ岳山頂(2897m) 5:00時点 9℃ 8~10m/s

【服装】
・レインジャケット
・薄手ダウンジャケット
・150メリノウール半袖Tシャツ
・ドライナミックノースリーブ
ボトム
・レインパンツ
・薄手ダウンパンツ
・化繊ハーフパンツ

1日目の行動中はレインの上下を着て行動。寿命が尽きかけていたレイン上下で長時間雨に打たれたので中までびしょびしょに濡れました。
稜線に出るあたりで雨だけ上がったため、体の冷えを抑えるためそこからレインパンツだけは脱いで山荘まで。
2日目、ご来光を見に山頂まで行った際は、レインジャケットの下にダウンジャケット、下はレインパンツ無しでダウンパンツを着用。
日の出までの時間はそれで凌げましたが、手はやや寒かったのでグローブが欲しくなりました。
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感想コメント

北アルプスの山々は登るのも楽しいですが見るのも楽しいものです。

笠ヶ岳は、北アルプスの中でも屈指の展望の山と謳われています。
どこからアクセスしてもそれなりに登り、歩かなければたどり着けない健脚向けの山としても知られており、そんなところに惹かれていましたが、なかなか機会がなかったところで、連休の1日目が大雨、2日目が晴天という微妙な天気予報に誘われて行くことになりました。
1日目の天気が悪くても、2日目に展望が見込めるのなら登る価値はあります。


《1日目》
スタートの新穂高センターから本降りの雨。
すでに車道が川のようになっています。
腹をくくるしかありません。
笠新道口に向けて歩き始めてすぐに私の雨具と靴に異変が・・・。
レインの上下は浸水し、靴にもダバダバ水が入ってきます。
笠新道口に着くころには文字通り全身中まで濡れた状態になりました。
レインはPUコーティングとシームテープが寿命に差しかかっていたのでわかるとしても、GORE-TEX仕様の靴に明らかな浸水が起こるのは???
考えても仕方ないのでそのまま笠新道に突っ込みました。

31.5%の平均勾配が4.5kmに亘って続く笠新道。
同じく急登で有名な燕岳・合戦尾根でも実は平均勾配24.6%です。
その笠新道を、テント泊装備・雨天・全身ズブ濡れで登るというのは、憂鬱以外のなにものでもありません。
今回は比較的贅沢に詰め込んだのでパッキングウェイトは12.8kg。
重量のことはそこまで気になりませんでしたが、濡れているので体がぜんぜん温まらないのは参りました。
杓子平のあたりからは樹林帯を抜け、風が吹き始めます。
寒いので休憩をあまり取らずに歩き続け、無理やり行動食を多めに食べて体温を維持しました。
稜線に出てからも風は収まりませんでしたが雨は止み、そこからは体に張り付いて体温を奪うだけのレインパンツは脱いで笠ヶ岳山荘までの道を急ぎます。
途中、ライチョウの親子を見送り、ガスで覆われたテント場を通り過ぎ、ようやく山荘へ。
あまりに酷い有様だったので、同行の友人ともすぐに意見が一致。
小屋泊に切り替えました。

久しぶりに小屋に泊まりましたがやはり圧倒的に快適です。
体を温め、お酒と食事を楽しみ、フトンで寝る。
言うことありません。
疲れていたので18時に就寝。
結局、夕方までガスが晴れることはありませんでした。

《2日目》
日の出を見るために4時に起床。
外を見ると、白み始めた空はきれいに晴れています。
コーヒーをゆっくり飲み、だらだら準備して、ダウンの上下を着込んだまま頂上に向かいます。
朝食は後回し。
なにせ山荘から頂上までは10分程度で着く近さ。
昨日はわからなかったのですが本当にすぐそこという感じです。

快晴の空。
疎らに広がる雲は朝の光に照らされて陰影が際立ち、穂高の全ての峰が厳然として居並ぶ様と恐ろしいほどの調和を見せています。
顔は自然と綻び、言葉なくその光景を眺める。
ほどなく槍ヶ岳の肩のあたりから日が上がり、夢のような時間は終わりました。

山荘に戻り、ゆっくり朝ごはんを食べて下山へ。
昨日とは打って変わって全てが見えます。
穂高主稜線を横目に歩く稜線の気持ちの良さといったら例えようもありません。
何度も立ち止まり、笠ヶ岳を振り返る。
天気がいいと下山してしまうのがもったいないですね。
双六岳まで縦走したい気分をこらえ、笠新道を下っていきました。


高知から1泊2日の行程は疲れましたが、行って良かったです。
やはり穂高は偉大です。

フォトギャラリー

槍と子槍のシルエット。

雷が遠く響く新穂高。

大雨の中歩き出します。

笠新道を黙々と登る。

杓子平に着きました。

ちょっと雲が晴れた?

やっぱりダメ。

天気が悪いのでライチョウも出てきてました。

笠ヶ山荘に到着。

寒い・・・。

翌日は快晴。マジックアワー。

槍の肩から日の出。

登った甲斐がありました。

頂上で一服は欠かせません。

名残惜しいですが降ります。

何回も振り返って笠ヶ岳を仰ぐ。

立ち留まる景色。

昨日と同じ道とは思えない。

全てが絵になる。

お疲れ様でした。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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