四国山地横断トレイル 1日目~3日目

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投稿者
戸田 竜也
アミュプラザみやざき・やま館店 店舗詳細をみる
日程
2023年10月16日 (月)~2023年10月18日 (水)
メンバー
高知大丸店 戸田
天候
晴れ
コースタイム
【アクセス】
三崎支所→佐田岬灯台駐車場
・伊方町地域巡回バス・路線39 乗車時間30分
JR八幡浜→三崎港
・伊予鉄南予バス 乗車時間1時間15分

【コースタイム】
1日目
38km 上り:516m 下り:409m
佐田岬灯台→(720分)道の駅伊方きらら館

2日目
46km 上り:169m 下り:343m
道の駅伊方きらら館→(660分)道の駅ふたみ

3日目
40.7km 上り:1399m 下り:256m
道の駅ふたみ→(600分)皿ヶ嶺六部堂登山口→(90分)竜神平避難小屋
コース状況
【ルート概況】
1日目
佐田岬半島を東へひたすら歩くロード区間。
ややアップダウンがあるがそこまで気にならない。
コンビニはローソン伊方町三崎店の一つのみで、泊地である道の駅周辺には飲食店も何もない。

2日目
夕焼けこやけラインをひたすら歩くロード区間。
コンビニの数は道中4つとそこそこあるが、偏在しているためやや使いにくい。
泊地である道の駅周辺にはやはり飲食店の類がない。

3日目
松山市内をかすめてロードを37km。道を間違えて遠回りすることに。
山に入る前の最終コンビニはローソン砥部焼観光センター店。
六部堂登山口から山へ。
作業道が横切る箇所がいくつもあり、あまり歩かれていない道であることも相まって何回か道を外した。

【気象】
1日目
佐田岬灯台 6:20時点 17℃ 微風
道の駅伊方きらら館 23:00時点 20℃ 4~5m/s
※この日最高気温は22℃

2日目
道の駅伊方きらら館 6:30時点 18℃ 微風
道の駅ふたみ 22:30時点 16℃ 5~6m/s
※この日の最高気温は23℃

3日目
道の駅ふたみ 6:30時点 14℃ 5~6m/s
竜神平避難小屋(1145m) 18:00時点 13℃ 微風
※この日の平地の最高気温は26℃。

【服装】
トップ
・レインジャケット
・薄手ダウンジャケット
・ウィンドシェル
・薄手フリース
・150メリノ半袖Tシャツ
ボトム
・レインパンツ
・ダウンパンツ
・薄手フリースタイツ
・薄手化繊ハーフパンツ
・極厚手ウールソックス

行動中はTシャツとハーフパンツのみ。ウィンドシェルも着用せず。
汗はかきましたが大量にかくわけではなくじわじわ。
寝る時にテント内でフリース上下と極厚手ソックスを着用し、平地ではそれでほぼ寒さはしのげました。
ダウンジャケット&パンツの出番は竜神平避難小屋から。
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

四国の地図を見ると、大分に向かって西に鋭く突き出た半島がすぐに目に留まります。
その突端にある佐田岬灯台が四国最西端の地であることは、視覚的に非常に明瞭でわかりやすい。
次に四国の東の端に目をやると、佐田岬ほど顕著ではないにしろ、瀬戸内海と太平洋を分かつ蒲生田岬が截然として突き出していて、突端にはやはり灯台が鎮座しており、四国最東端であることを強く主張しています。
暑さも盛りの8月の初旬、10月に長期で休みを取って何かしたいと考えあぐねている時に、ふと四国の地図を見ていて、佐田岬灯台と蒲生田岬灯台の2ヵ所を繋げて四国を横断して歩けたら旅としておもしろそうだという着想が浮かんできました。

四国を横断するなら山は避けては通れないな、四国山地横断トレイルは一部しか歩いたことがないし、休みは2週間程度しか取れないから、日程的にあまり余裕はないけど四国山地も歩こう、とりあえず計画を作ってみよう、と矢継ぎ早に進み、8月中旬にはすでに計画が完成。
すなわち、佐田岬灯台をスタートしてロードを進み、皿ヶ嶺登山口から四国山地に入り、山地を縦走、川成峠に下りたら再びロードを進み、蒲生田岬灯台まで踏破する、山間地を含め四国を完全に横断するロングトレイルです。
たどるルート以外の決め事ととして、ロード区間ではスーパーやコンビニ、自販機で食糧・水を補給しますが、山で使用するものはなるべく補給なしで全て担ぐというスタイル。西端への行きと東端からの帰りは送迎を高知大丸スタッフに頼ることにしたのは妥協点でしたが、そこまで禁欲的な性分ではないのであまり気にしないことにしました。

ベースウェイトで9.5kg、そこに食糧・水が最大で8kgほど加わり、平均して14~16kgほどの重量。390kmの道のり。
ではいってみましょう。

【1日目】
黎明の佐田岬灯台。
川の流れのようにうなる豊後水道の迫力と、薄暗がりで鈍く光る「四国最西端」の碑を見て、ようやく緊張感のようなものがわきあがってきました。
予定していた高知大丸のインスタライブをコーヒーを飲みながらこなし、送迎のスタッフと別れて明るくなってきた県道256号線を東に向かって歩き始めます。

歩き始めてすぐに、久しぶりに担ぐ重荷に先行きの不安を感じました。
ロード区間では担いでいる重量は増えもしないかわりに減りもしません。
これが3日間続くのか・・・。
序盤からこんな悲観的になるくらいには、身体がまだ慣れていなかったのだと思います。
すっかり日が昇り、大分へ渡る玄関口の三崎港へ着くころには身体もなじんできました。
港からほど近いローソンで心のガソリン(お酒)と明日の食糧を買い、ほろ酔いで歩みを進めます。本日のコンビニはこれで最後。貴重な補給でした。

風車の連なりとみかん畑が視界の限り続く佐田岬半島。
あまりにいい陽気だったため、道中の日陰で昼寝を繰り返していたら思いのほか時間をくっていることに気づきました。
メロディーラインの音楽を悠長に聴いている場合ではありません。
この日の目的地である道の駅伊方きらら館まで5kmを残して日が傾いてきています。
結局、到着は辺りが真っ暗になってから。
道の駅の施設もとうに閉まってさびしい限りの泊地です。
早く着ければそこで食事を、と思ってコンビニで夕ご飯は買わなかったので、早々に山の食糧に手をつけることになりましたが、たった1日歩いただけで肩も足も消耗が激しく、荷物が少しでも軽くなるならそれはそれでいいわけですが。
トイレの洗面台で身体をぬぐい、すっきりしてテント内へ。
しかし暑さの残った平地ではなかなか寝苦しい夜となりました。
薄いビビーサックでも中には暑くて入れず。


【2日目】
筋肉痛と暑さに悶えながら夜は一睡もできずに出発時間を迎えました。
重い身体を起こし、重いザックを背負って歩き始める。
前日の疲れは否が応でも残っており、特に肩がつらかったため、ひとつ試してみることに。
それまでずっと使っていたトレッキングポールを一旦しまい、左右の手をザックのショルダーハーネスそれぞれに差し入れて肩にかかる荷重をそらすように歩いてみました。
これが後々まで響く失敗の端緒となることはこの時は思いもよりません。
肩は劇的に楽になったものの、この状態で10kmほど歩いてみたところ、左足首(後で調べたところ前距腓靭帯?)の辺りに痛みが出始めました。
特に捻挫したわけでもなく、右には痛みが出ずに左のみ。
これはまずいと思い、再びトレッキングポールを突きながらの歩行に戻しましたが、その時にはもう手遅れだったようで、以降は足をけり出す動きの時に常に痛みを感じるような状態になってしまいました。
非伸縮性のテーピングで固定したことで歩行の痛みはだいぶ楽になりましたが、けり出す瞬間にトレッキングポールに大きく荷重を移すようないびつな歩き方を続けることに。
前日のように日が落ちてから目的地に着くのは避けたかったので、ペースを上げ、景色を楽しむ余裕もなく無心で歩きました。
本来なら海沿いの景観のいい夕焼けこやけラインを気持ちよく歩きたかった。
この日の最後のコンビニとなる伊予長浜のローソンで、少しでも回復を図るために高たんぱくの食事を腹に詰め込み悪あがき。
ペースを上げた甲斐あって日暮れ前に目的地の道の駅ふたみには着けました。
しかし、やはり施設の飲食店の閉店には間に合わず、味気ないコンビニ飯を食べることになりました。
この日の夜は風が強く、テントが揺すられてやはり一睡もできず。
横になって目をつぶるだけでも身体は回復するとは言いますが、ペースを上げて歩いた代償に左足首の痛みはより強くなっており、回復は期待できないなと気落ちを隠せません。

【3日目】
身体の疲れさえなければ海で迎える夜明けはいいものです。
朝の清々しい空気は歩みを少し軽くしてくれます。
この日は山に入る日。
なるべく明るいうちに着きたいと思い、松山市内へ向けて黙々と歩き始めました。

町中ではルートが複雑になるためグーグルマップを頼りに歩いていましたが、バッテリーの消耗が思ったより激しく、節約のために確認の頻度を落とした途端道を間違えてしまい、無駄に重信川を渡ることになりました。
おかけでかなり遠回り。
松山から南下し始めてからはルートがシンプルになって快適です。
しかし足の痛みからペースはそこまで上がらず、山の入り口である皿ヶ嶺登山口に着いたのは16:00過ぎ。
目的地である竜神平避難小屋に着くころには結局ヘッデンを点けていました。

ロード区間の暑さから一転して山は寒く、ここで初めてダウンの上下を着用し、今まで出番なくただの重りだった防寒着のありがたみを噛みしめます。
そして疲れました。早くご飯を食べたい。
しかし小屋に着いてもすぐに食事には取りかかれません。
まずは水汲みをしなければ。
寒く疲れた身体では水汲みも億劫ですが、最近晴れ続きで涸れていないか心配していた水場が、か細くとも流れを保っていたことにひとまず安堵しました。
明日・明後日の水3.5Lを浄水して、明日の装備品の準備をしてから食事。
アルファ米と袋ラーメンがようやく消化され、わずかでもザックの中身が軽くなったことがなにより嬉しい。
明日は出発の時間を早めよう、そうしたら明るいうちに堂ヶ森に着くだろう、山道なら足はともかく肩は楽になるかな、水は足りるだろうか、などと、疲労は濃いものの、山の中にようやく入った高揚感のなか考えがあちこちに飛び、今夜もどうせ寝れないだろうなと思いながら寝床に就きました。


4日目へ以降へつづく。

フォトギャラリー

佐田岬灯台の灯り。気分が盛り上がります。

海とは思えない強い潮流。大分は少しだけ見えました。

登ってきました。いい夜明け。

佐田岬半島は風車と、

みかん畑ばかり。運搬用のモノレール。

1日目の泊地、道の駅伊方きらら館。2日目の朝。

何はともなくコンビニがあれば寄る。オアシス。

トウカップがはがれてきました。

左足首はテーピングで固定しましたが痛いものは痛い。

長浜港で休憩。海がきれい。

30~40cmほどのチヌ(クロダイ)が群れていました。こんな漁港で・・・。

タンパク質補給。

なんとか日暮れ前に道の駅ふたみに着きました。

3日目。朝のさわやかな空気。

朝の浜辺はいいなぁ。

ちょっと寄り道。

今回コンビニに寄るたびに飲んでいた。

ようやく山!

日が暮れてから竜神平避難小屋。

コンパクトで綺麗でした。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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