新緑 東沢釜ノ沢東俣遡行 (奥秩父 甲武信岳南面 笛吹川本流)

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投稿者
伊藤 岳彦
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日程
2012年06月05日 (火)~2012年06月06日 (水)
メンバー
新宿東口店  伊藤 岳彦 (文・写真)
新宿東口店  礪波  卓  (モデル!?)
天候
曇時々雨
コースタイム
【1日目】 道の駅みとみ9:30~山ノ神11:30~釜ノ沢出合13:00~両門ノ滝14:00~幕営地14:30
【2日目】 幕営地5:00~甲武信小屋8:30~近丸新道~道の駅みとみ11:45
コース状況
【入渓点までのアプローチ】
一部で最近の倒木や崩落がみられますが、それによって足場ができ、通過しやすくなったところもあります。
鶏冠谷出合の渡渉は、サンダルがあると便利!?

【木賊谷出合】
一部雪渓が残っていたため、少しいやらしい傾斜がありました。

【コース全般】
赤布が随所にルートを示していますが、木賊谷出合の通過など上方を見極めたルート判断が必要な箇所があります。
難易度
Google Map

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感想コメント

日本でも屈指の渓谷美を誇る笛吹川。
国師岳から甲武信岳、雁坂峠に至る奥秩父の中核の全てを水源とし、白く輝く花崗岩のナメと、南に面する明るさに満ちた谷が広がります。

この笛吹川水系で最もポピュラーな沢が「東沢釜ノ沢東俣」です。
渓谷美で知られる西沢渓谷を二俣で分け、甲武信岳へと続く笛吹川本流であり、甲武信岳への最も古典的な登山ルートとして古くから知られています。
乙女沢や東のナメ沢などの名瀑を眺めつつ、魚留ノ滝を越え、釜ノ沢の白眉である「千畳ノナメ」を辿り、さらに両門ノ滝を越えていくこのルートは、様々な美しい渓相に出合える珠玉のコースです。
ただ、西沢渓谷入口から歩き始めるととても長いので、沢中もしくは甲武信小屋1泊の計画が妥当となります。
広河原の左岸台地でビバークし、焚き火を囲むのがベストでしょう。
因みに両門ノ滝から西俣を遡行しミズシへ至るルートもあり、こちらは東俣よりも幾分長くなりますが、野性味に溢れます。

台風が海上を通過するなか、あまりすっきりとしない空模様でしたが、鮮やかな新緑に包まれながら、順調にアプローチをこなし、「山の神」を越えたところで、ワクワクしながらいざ入渓!
結構水温が低めでしたが、思い思いに水と戯れながら、順調に遡行♪
初日はダイナミックな景観のフルコースを満喫しました。
夜は広河原にてタープを広げて、のびのびとごろ寝。
日暮れとともに、延々と盛大な焚き火で盛り上がり、沢歩きならではの贅沢な時間を堪能することができました。

本来沢登りとは、確実に頂上へと至るための手段として古くから存在していたものです。
クルマ社会の発展とともに、出来るだけアプローチを省略して、核心部だけを楽しむ、という昨今の沢登りの在り方も一概に否定はできないでしょう。
しかし、下から上まで忠実に沢を辿って頂に立つというのが、本来の沢登りの姿であるならば、この東沢釜ノ沢ルートは現在でもそれを最も分かりやすく示してくれるとても貴重なルートであると言えます。

誰もが何度でも訪れたいと思うこの美しい東沢釜ノ沢は、いつも私の登山ライフを豊かにしてくれる特別な何かを与えてくれる最強のパワースポットの一つです。
今後車道建設という開発の魔の手が伸びてくることがないとは言い切れないなかで、いつまでも名渓としてこれからも変わらぬ姿で多くの登山者を魅了し続けてくれることを切に願います。

フォトギャラリー

釜ノ沢は奥秩父を代表する名渓です

入渓点にて

遡行開始!

乙女ノ滝を横切ります

東のナメ沢が見えてきました

美しい花崗岩の斜面を歩きます

西のナメ沢で寄り道 フィックスロープがあります

魚留ノ滝にて

釜ノ沢の白眉「千畳ノナメ」に到着!

どこまでも続くナメ

さらに上流へ

両門ノ滝にて

水と緑が織り成す奥秩父らしい空間を満喫

滝上から見下ろす

8m斜滝 巻きは左です

2日目は雨の遡行 上流は小滝が多くなります

タープでごろ寝

火を見つめ、自分を見つめるひと時

思い思いに水と戯れました

やっぱり沢歩きは楽しいですね♪

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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