残雪期の槍ヶ岳(飛騨沢往復)

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2012年06月05日 (火)~2012年06月06日 (水)
メンバー
天候
曇り時々晴れ
コースタイム
■1日目
5:30 駐車場-6:00 新穂高登山口-7:45 白出沢出合 8:00-9:25 滝谷出合 9:40-10:45 槍平 11:20-16:30 飛騨乗越-17:00 槍ヶ岳山荘

■2日目
4:30 槍ヶ岳山荘-4:55 槍ヶ岳山頂 5:10-5:40 槍ヶ岳山荘<朝ご飯> 7:20-7:30 飛騨乗越-8:45 槍平 9:10-9:55 滝谷出合 10:05-11:10 白出沢出合 11:25-12:40 新穂高登山口-12:55 駐車場
コース状況
■新穂高~白出沢出合
単調な林道

■白出沢出合~滝谷出合
お花がとてもきれいで楽しい。

■滝谷出合~槍平
雪渓のトラバース多い。
積雪した沢を越えるときは、踏み抜きに注意。

■槍平~飛騨乗越~槍ヶ岳山荘
積雪量多い。しかも、雪がグサグサでアイゼンが効かず、足元が滑りやすい。
登りは想定よりも時間を要する。
下りは快適。

■槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳
穂先に雪はない。
険しい岩場であるが、鎖、ハシゴがしっかりしているので慎重に行けば大丈夫。
雨で岩やハシゴが濡れていたら危なそう。
難易度
Google Map

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感想コメント

山を登る人なら誰もが憧れる槍ヶ岳に登ってきました!
甲信越の山に登ったときは富士山と槍ヶ岳を探してしまいますよね。
ピンっと尖がった姿はよく目立ちます。

ルートは新穂高から飛騨沢を登って1泊2日で。
最初はテント泊の予定だったのですが、さすがに雪の中をテントを担いで飛騨沢を登るのはキツいだろうということで小屋泊にしました。
※実際、この登りはかなりキツかった…。テントを担いでいたら登れなかったかもしれない。

槍の穂先への登攀はなかなかスリルありました。

すっきり快晴、というわけにはいきませんでしたが、雨、雪には降られず、風も穏やかで恵まれた中での登山でした。
そして、標高3000mからの夕陽がすばらしかった。
泊まりの山行の醍醐味ですよね。

■駐車場~新穂高~白出沢出合
新穂高ロープウェイの近くに駐車場があるのですが、これは6時間500円と少し高い。2日まるまる停めると4000円ぐらいになっちゃいますよね。
少し下ったところにある深山荘の対岸あたりに無料の大駐車場があります。

新穂高から穂高平小屋を経由して白出沢出合へ。
単調な林道歩きです。これが2時間続きます。
朝はウォーミングアップにちょうどいいかもしれない。

■白出沢出合~滝谷出合
白出沢を越えるとやっと山道っぽくなります。
緩やかな登り。
この時期はニリンソウがとてもきれい。
登山道の両側がお花畑になっています。
他にもお花がたくさん。
ギンリョウソウ(銀竜草)を初めて見ました。
また、ヒカリゴケも生育していたりして、とても楽しいルートです。
2人とも写真ばかり撮っていてなかなか前に進めないです。

■滝谷出合~槍平
滝谷出合に避難小屋があります。10人ぐらい寝れそう。
槍平までは雪渓のトラバースが何回も続きます。
まだアイゼンを履いていないので、足を滑らさないように慎重に。
山がだんだん近くなってくるのが感じられます。
大きな沢を渡り、森に入って、それを抜けると広い平地に出ます。
ここが槍平。ここまで5時間近くかかりました。
でも、ここからが本番です。

■槍平~飛騨乗越~槍ヶ岳山荘
槍平で長く休憩してエネルギー補給。
ここからが本番です。
アイゼンを装着し、トレッキングポールをピッケルに持ち替えて出発します。
しかし、飛騨沢への登り口が分からない。
結局、標識やテープを見つけられなかったので、夏道とは違うことは分かっていましたが、沢をそのまま登っていきました。
左右の谷から崩れてきた雪崩のデブリでかなり歩きにくい。

長丁場なので焦らずゆっくりと慎重に。
正面に千丈乗越が見えますが、やがてガスってきて視界がだんだん悪くなります。
ここでホワイトアウトしたら方向を見失いそうだなぁとヒヤヒヤしていましたが、やがて目印の旗を見つけて一安心。
旗を頼りに高度を上げていきます。

やはり、この時期の雪は状態がとても悪いです。
腐っていてグサグサ。
アイゼンが効かず、ピッケルもズボッと刺さりこんでしまう状況。
足元も滑り、かなり難儀します。
しかも斜面が急になってきて、なかなかきつい。

でも、左右の這い松帯からは「グェ~、グェ~」と雷鳥の鳴き声が。
かなりたくさんいますね。
励まされます。
そしたら、1羽の雷鳥がヒュ~と飛んできました。

飛騨沢の最後のほうはかなりの急坂です。
これを乗り越えてやっと飛騨乗越へ到着しました。
「乗越(のっこし)」の意味が分かったような気がします。

槍平から5時間。よくがんばりました。
下りは雄大な笠ヶ岳の姿を眺めながら、走ったり尻セードをしたりしながら1時間半ほどで下りてきました。

乗越からは雪のなくなった稜線を歩き槍ヶ岳山荘へ。
ガスの中から穂先が姿を現してきました。
目の前で見ると、想像していたよりもデカイです。

山荘に着いてまず乾杯。
晩ご飯。天ぷらのなかなか豪勢なご飯です。
距離にして約15km、雪の中、標高差約2000mを11時間かけて登ってきました。
暖かいごはんがおいしかった。

そして夕陽がとてもきれいでした。
雲海がオレンジ色に染まっています。
わずか15分ほどですが空が次々と色を変えて行きます。
山の上で夕焼けと朝焼けを眺めるのは泊まりの山行の醍醐味ですよね。
これがあるから山登りはやめられません。

■槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳山頂(標高3180m)
翌朝、早起きして穂先へ。
鎖、ハシゴがしっかり付いているので、危険度は少ないです。
でも、なかなかスリルがありますね。
しかも、ガスってきて岩やハシゴが濡れてきて、ちょっと怖い。

そして槍の頂上に到着。
意外と山頂は広いです。10人ぐらいは立てる感じ。
山頂ではお約束の槍ポーズを。
夏は賑わう槍の山頂も今日は自分達だけのものです。
ガスって景色が楽しめなかったのが残念ですが、十分満足しました。

さすがに寒いので記念撮影をしたらすぐに下山。
下りのほうが怖いですね。

フォトギャラリー

標高3000mから眺める北アルプスの夕焼け。泊まりの山行はこんな眺めが見られるから楽しい

白出沢を過ぎるとお花畑です。ニリンソウの大群生!

ニリンソウ

ギンリョウソウ!初めて見ました

槍平からが本番です。ここから飛騨沢を標高1000m登っていきます

ゆっくりとしっかりと登っていきます

だんだんガスがかかってきてホワイトアウト状態に。目印の旗を見失わないように…

あ!雷鳥だ!癒されます

標高が上がってくると、かなりキツい…

飛騨乗越到着!槍平から標高1000mのハイクアップ。5時間かかりました。

そして、ガスの中から槍の穂先が姿を見せ始めました

槍ヶ岳ど~ん!

翌朝、槍のてっぺんに向かいます

雪も残っていてちょっと怖い

さぁ、最後のハシゴだ

2人で仲良く槍ポーズ!

朝の雲海もとてもステキです

さて、下ります。正面は大喰岳。夏はあの山を越えて穂高を縦走したいね

向かいの山は笠ヶ岳ですね。あの山も登りたい

下りは快適。ひゃっほ~

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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