南八ヶ岳・地獄谷からツルネ東稜を辿る (美し森~出合小屋~ツルネ)
- 投稿者
-
伊藤 岳彦
横浜西口店
- 日程
- 2013年03月10日 (日)~2013年03月11日 (月)
- メンバー
- 単独行
- 天候
- 雨のち雪 / 快晴
- コースタイム
- 【1日目】 美し森無料駐車場(150分)出合小屋(15分)ツルネ東稜取付(15分) 尾根上にて幕営
【2日目】 幕営地(150分)ツルネ(60分)幕営地(150分)美し森無料駐車場
- コース状況
- ・ルート上には要所要所に赤布があるので、比較的明瞭です。
・週末にはある程度入山される方がおられるので、トレースもありました。
・ツルネ東稜を下るときは、顕著な枝尾根に入り込まないようご注意下さい。
視界不良時に初見で下るのはやや難しいと思われます。
・雪崩の危険性は少ないですが、幕営地には注意が必要です。
・充分な積雪があるので、アプローチでは渡渉もなく快適に歩くことができます。
今後雪解けが進むと、アプローチの所要時間も変わってくると思われます。
・駐車場から尾根の取付までワカン装着の方が、時間短縮になるでしょう。
堰堤を越えるとき階段があるので、スノーシューはやや不便かもしれません。
- 難易度
感想コメント
赤岳鉱泉を筆頭に、常に人の賑わいをみせる八ヶ岳西側と異なり、入山者数の少ない東側はバリエーションを含め豊富なルートをもち、静寂に満ちた世界のなかで、深みのある充実した山行を味わうことができます。
特に川俣川上流部の、赤岳と権現岳に挟まれる領域は地獄谷と呼ばれ、赤岳沢出合にある無人の避難小屋「出合小屋」をベースに、天狗尾根・権現岳東稜・旭岳東稜といったバリエーションルートに挑まれる方がおられます。
今回私が辿ったルート「ツルネ東稜」はキレットの南にあるツルネというコブから派生する樹林帯の尾根で、危険箇所がないので、上記のバリエーションの下降路、もしくは縦走のエスケープとして使われるものです。
ツルネは丁度森林限界を越えるのでとても展望がよく、北に赤岳、南に権現岳、東に富士山と奥秩父、西に中央アルプスから北アルプスを望むことができるので、稜線上のコブとはいえ、登頂の対象として捉えてもよい気がします。
折角ツルネにまで行ったら、権現岳にも登ってくるのが普通だと思いますが、今回はガツガツ登るよりも、静かな雪山でゆっくりと自分を見つめ直したい気分だったので、とてものんびりした登山になってしまいました。
エアリアマップなどには載っていないルートですが、ツルネ東稜に関しては危険なところもなく、赤布も随所にあるので、地形図さえあれば、ある程度の経験者の方なら安全に登ってくることができるはずです。
きっと一味違う八ヶ岳の表情に出会えるのではないでしょうか。
東京方面からだとアプローチが美濃戸や渋ノ湯などに比べて便利であることも魅力的です♪
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。