槍穂周回スキー

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投稿者
林 勇樹
大丸福岡天神店 店舗詳細をみる
日程
2013年05月06日 (月)~2013年05月08日 (水)
メンバー
松本パルコ店 林
天候
6日…晴れのち吹雪 7日…晴れ 8日…晴れ、長野県側強風
コースタイム
▼6日
新穂高温泉(70分)穂高平小屋(150分)滝谷出合(70分)槍平小屋(120分)千丈分岐点付近(160分)飛騨乗越(20分)槍ヶ岳山荘 小屋泊

▼7日
槍ヶ岳山荘(30分)槍ヶ岳(30分)槍ヶ岳山荘(40分)天狗原(40分)横尾尾根のコル(30分)横尾本谷出合(110分)涸沢ヒュッテ 幕営

▼8日
涸沢(180分)穂高岳山荘(30分)白出大滝巻道(20分)鉱石沢下部(20分)白出沢出合(120分)新穂高温泉
コース状況
右股谷…白出沢を越えてから雪が出てくる。シールを付けるなら滝谷避難小屋を過ぎてからが良い。

飛騨沢…飛騨乗越までシール登行できる。日中はザラメ斜面になり、ここも滑ると最高に気持ちよさそう。

槍沢…9時に滑降を開始したがカリカリのアイスバーンで恐怖を感じた。時間に余裕があるなら雪がゆるむのを待つべき。

天狗原周辺…天狗原への登りは急なので雪が固い場合はアイゼンを付けた方が良い。天狗原から横尾尾根のコルまでは比較的なだらか。

横尾本谷右股…快適なザラメ斜面でデブリも少ない。

ザイテングラート・小豆沢…遠くから見ると雪崩の後かと思えるくらいのトレースが残っている。

白出沢…全体的に狭いのでサイドからの雪崩や落石に注意。白出大滝の巻道は荷継沢を合わせてすぐにある。巻道もかなりの急斜面なので滑落に注意が必要。沢をそのまま直進すると堰が3つある。1つ目は雪が下までつながっていてそのまま下れるが、残り2つは巻く必要がある。
難易度
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感想コメント

初日は槍ヶ岳までひたすら登り。テント泊装備を背負っての登りはかなりきつく、特に飛騨沢上部、槍ヶ岳山荘が見えてからは非常に長く感じました。飛騨沢の広大な斜面を颯爽と滑って行くスキーヤーを見ると、一緒に滑ってしまいたい気分になりますが、はやる気持ちを抑えてひたすら登ります。天気が良かったことが幸いでした。
しかし、飛騨乗越に着くと今までの快晴無風が急転、強風になり、槍ヶ岳山荘に着いてすぐに視界が全く効かない猛吹雪に。当初は初日に天狗原か涸沢まで下りビバークの予定でしたが、とてもじゃないけど滑降は無理。幕営も無理。ということで槍ヶ岳山荘に泊まらせていただきました。小屋の中にいても叩きつける音がものすごかったです。
出発が未明で睡眠不足だったのでぐっすり眠れました。

2日目、起きると風はぼちぼち吹いていますが、快晴です。今日は涸沢まで下りますが、槍沢の雪質は昨日の強風の影響もあってかガッチガチ。アイゼンのフロントポイントだけ刺さるような状態です。雪が緩むのを待つのと、ウォーミングアップを兼ねて槍ヶ岳を往復し、その後小屋に戻ってのんびりし、2時間後、再び槍沢の状態を見ると、まだ固い。ただ、さっきよりはいけるかも。ということで滑降開始。スリル満点、転んだらアウトです。慎重に滑り、天狗原までトラバースしていきました。
天狗原からの槍ヶ岳は雄大でした。天狗原から横尾尾根のコルまで登ると、いよいよ穂高連峰が近くなってきました。
横尾本谷右股は今回の山行で一番楽しかった斜面です(トータル3つしか滑れてませんが)。雪質はザラメで、本谷出合までデブリで道を塞がれることもなく、屏風岩を真正面に快適に滑ることができました。
本谷出合から涸沢までは2時間程で着きました。槍ヶ岳から涸沢まで一般道を使うとコースタイムで8時間ほどかかるのが、スキーを使うとその半分以下で来れました。2日目は涸沢で幕営しました。

3日目最終日。夜のうちから強い風で、陽が出てからも止む気配はありません。空は快晴なのに、残念です。最終日はザイテングラート横の小豆沢を登って白出のコルから反対側の白出沢を滑り、新穂高温泉まで下る予定ですので(奥穂も踏む予定でしたが、強風のため無理です)、早出の必要はありません。雪が緩む正午前後に白出沢の滑降を開始できるように、やや遅めの出発でした。小豆沢を登っていると断続的に横から風が吹きつけてきて体を煽られます。これが奥穂の稜線だったらと思うと非常に怖いです。穂高岳山荘に着いて話を聞くと、朝は風速29m/sだったようです。奥穂まで行った登山者もいなかったようです。
穂高岳山荘で昼食を摂り、白出沢の滑降に取り掛かりますが、コル直下は岩がゴロゴロしていたので少し下りたところからスタートしました。雪も緩んで非常に滑りやすい雪質でしたが、石や岩が多く、横尾本谷右股ほど快適ではありませんでした。しかし、あっという間に白出沢出合まで着くことができ、改めてスキーの機動力を痛感することができました。

3日間の山行でしたが2日間でも十分行けるコースだと思います。ただ、涸沢に来ると広大な斜面に圧倒され何日もいたくなるでしょう。個人的にも、もう一泊して涸沢を満喫したかったです。


最後に、8日朝、その後私が滑降することになる白出沢にて、落石によって亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

フォトギャラリー

飛騨沢の登り

天気が崩れました

翌朝快晴

登頂

槍沢

岩壁の付け根目指して滑ります

天狗原への登り(トレースありました)

天狗原からの槍

横尾尾根からの南岳

横尾本谷右股

涸沢

finetrack社ツェルトⅡロング 快適でした

ザイテングラートと小豆沢

直登ルンゼ スキルに自信のある方はどうぞ

穂高岳山荘

白出沢上部

上部斜面は快適です。

このまま下に行くと大滝に突っ込みます。右手に赤テープ(巻道)あります

白出沢下部

堰を巻きます

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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