山の辞典 : か行
雷(かみなり)
規模の大きな上昇気流が起きる時、断熱膨張による気温低下によって氷晶が成長する。大きくなり重力の影響で降下する氷晶と上昇気流に乗る氷晶同士が起こす摩擦で発生する電荷が原因である。したがって、雷の発生は季節や時間を問わない。登山者は上昇気流を起こす原因で分類して天気予報や雲の様子を観察すると良い。1 :熱雷。太陽熱で温められた空気が上昇する時に発生する。入道雲など。2 :界雷。寒冷前線の通過時、寒気に押し込まれ、暖気が強制的に上昇させられて発生する。前線通過後の急激な気温低下に注意が必要である。3 :山岳雷。湿った温かい空気が山腹を強制的に上昇させられて発生する。4 :低気圧や台風に湿った温かい空気が流入して激しく発達する時に発生する。雷雨のことが多い。低気圧に吹き込む場合、渦雷ともいう。6 :寒冷な空気が上空に流入し、下層の温かい空気に押し込まれることで強制的に上昇気流が起きて発生する。