秋晴れの大スラブ 御前ヶ遊窟

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投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
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日程
2017年10月27日 (金)~2017年10月27日 (金)
メンバー
山の先輩一名
天候
晴れ
コースタイム
登山口(35分)ソウケエ新道分岐(60分)シジミ沢出合(滝直前)(80分)御前ヶ遊窟(35分)井戸小屋山(60分)車道(30分)登山口
コース状況
〇駐車スペース5台ほど。登山届けポストあり。トイレ無し。
〇鍬ノ沢沿いの道は泥々の上、落ち葉でさらに滑りやすくなったへつり道で滑落の危険があります。ロープや手がかりもほとんどなく、沢の高巻きに近い部分もあります。
〇渡渉箇所3ヶ所、水量は少なくないです。
靴は多少濡れます。
〇シジミ沢出合は滝の手前にあります。赤テープあり。
渡渉してから取付きます。
〇スラブは徐々に手がかり足がかり小さくなります。藪に入るとぬかるんでいたりでかえって登りにくいです。スラブはフラットなクライミングシューズを履いた方が安心できます。
〇井戸小屋山からの下りはかなり急です。
〇たきがしら湿原へ向かう道路は台風の影響で車通れません。
難易度
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感想コメント

 その昔、平家のお姫様が隠れ住み、待てども待てども現れない恋人を想い身投げしたという伝説が残る御前ヶ遊窟(ごぜんがゆうくつ)。登ってみたい山はいつも名前か形重視、要するにジャケ買いで面食いな私、その名前を耳にしてからずっと憧れていた場所にようやく行ってきました。
 
 スラブで有名な御神楽岳のお隣、同じくスラブをもつこの岩山は標高は846mと低いものの低山とは思えぬ景観で、県内では密かに有名なスポットです。ロープなしでも登れるスラブと聞いていましたが、クライミングシューズを持って行って正解でした。
 
 スラブに出る前の沢沿いの道は濡れていて、朴の大きな落ち葉で踏み跡が隠れて歩きにくいことこの上なし。私は2回ほどずるっと滑落しかけて冷や冷やでした。泥んこトラバースは苦手です。朝靄が次第に薄くなっていき対岸の岩壁が怪しくその姿を現し始めると、いやらしいへつりもやっと終わり、滝が見えて渡渉した先にシジミ沢の登りが待っていました。始めは苔むした大岩を全身で登り、ゴロゴロが滑らかになって来ると、上部に写真で見たことのある岩峰群が。あのどれかの基部に御前ヶ遊窟があるんだ!わくわくしながらスラブに取りかかりました。

 始めは濡れていてロープもあったのですが、標高が上がると岩も乾き何故かロープも無くなっていきました。このスラブを靴のフリクションだけで思い切り楽しんで!と言わんばかりに。ならばここでクライミングシューズにチェンジ。そしてスラブのど真ん中を登ってみる・・・落ちたら止まらない・・・もう気分はクライマーズハイ!!それにしてもクライミングシューズの安心感といったら!ここを登る方はフリクション抜群の靴をご用意ください!
 
 夢中で登り続けふと見上げると目の前に大きな岩屋が。二つの岩屋が並んでいて左の方に仏像が祀ってあり、壁に観音様?が埋め込まれていました。どうやらここが御前ヶ遊窟のようです。伝説が本当かどうかはわかりませんが、何となく神秘的なパワースポット的な空気を感じました。遊窟の左をさらに登りトラバースしてようやくスラブ終了、尾根に出ました。核心が終わってほっとして振り返ると素晴らしい景色が広がっていました。白い岩肌に赤と黄色の紅葉が彩を添え、雲海の向こうには磐梯山と雪を被った飯豊連峰。これでもかと絶景を詰め込んだかのような景観でした。

 御神楽岳を左に見ながら井戸小屋山へと細い尾根道を登った後は、急な樹林帯を滑るように下ります。今度はトチの葉で覆われ相変わらず踏み跡が見えない状態でしたが、先程の沢のへつりよりは遥かに安全に感じました。もう大丈夫と思った矢先にこけてしまいましたが。下りきると車道にぶつかり、ヘアピンカーブを何度か曲がると駐車スペースまで戻って来ました。カモシカと遭遇することの多いエリアでしたが残念ながらお目にかかれず、かわりにもぐらに会いました。

 いつもよりは短い行程でしたが、いつも以上に達成感のある山行でした。その勢いで帰りに寄った七福温泉で採れたて野菜をたんまり買い込んでしまいました・・・だって安かったんですもの。

フォトギャラリー

御前ヶ遊窟から稜線へ向かって。

登山口。駐車場から3分くらい。名簿をちらっと拝見したら地元だけでなく関東から登りに来てる方もいました。

最初の渡渉点。岩肌が白くとてもきれいな清流でした。

朝靄の中からソウケエ新道の稜線が見えました。

この滝の目の前を渡渉するとシジミ沢。

最初は苔むした大岩を登ります。ロープあるので安心。

御前ヶ遊窟全景が見えてきました。下部はまだ濡れています。

青い空と奇岩群。アルプスに来たみたい。

紅葉と青空と白い岩の美コラボ。

最初はクラックを辿っていたけど。

下は雲海。もう見えない。

傾斜は決して緩くないんですよ。

シューズ履き替えました。

スラブのど真ん中を登ります。

右手の岩の基部に遊窟があります。

焦らず集中しながらそ~っと。

遊窟内部の様子。無事に帰還できますようにっと。

雲海の上に冠雪した飯豊連峰。中央は津川の最高峰、土埋(つちうずみ)山だそうです。

ようやく稜線に出れた。達成感!

井戸小屋山へ。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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