湯けむりほっこり八ヶ岳
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2019年03月27日 (水)~2019年03月28日 (木)
- メンバー
- 銀座店 西山
- 天候
- 曇
- コースタイム
- 1日目 稲子湯(100分)しらびそ小屋(50分)本沢温泉
2日目 本沢温泉(50分)しらびそ小屋(80分)稲子湯
- コース状況
- ・稲子湯までの道はまだ若干雪残ってます。スタッドレスが安心です。駐車スペース10台程、トイレなし。
・登山道の雪は締まってるのでワカン必要なし。凍結箇所もあるのでアイゼン必要です。
・本沢温泉、一張600円。外トイレは山小屋の真後ろでテン場から歩いて6,7分、少し歩きます。水場は近くの沢、凍結の心配は無さそうです。
・野天風呂700円、日が暮れるまで。石楠花の湯600円、男女入替え一時間ごとの時間制です。(朝は8時くらいから夜20時まで)野天風呂への道は急で雪もたっぷりなのでアイゼン必携です。
- 難易度
感想コメント
友人が山で遭難するというとても悲しい出来事がありました。計画していた北アの山行は中止し、気持ちを切り換えるために本沢温泉へ癒やしの旅に出かけてきました。
初日は太陽が出ていて少し汗ばむくらい。しかし立ち止まるとかなり寒いので汗冷えしないように気をつけながら歩きました。本沢温泉を訪ねるのは2度目、ひっそりと静かに、でもどこか温かい雰囲気のお宿。前回は温泉に入らず後悔していたので、今回は完全に温泉目的で。野天は生まれて初めてで、果たしてどんな造りなのか、お湯は熱いのか、辿り着く前にいろいろと想像が膨らみました。
受付を済ませ寝床を作って、いざ野天風呂へ。夏沢峠へ向かう道を登り途中の分岐を左の河原側へとると、硫黄岳が見下ろす千曲川の支流、湯川の渓谷が広がります。上流はまだ雪で覆われ所々凍っている流れの中に、ちょこんと湯気の出ている一画が。行ってみると1.5m四方ほどの木枠の中に白濁した湯がこんこんと注がれていました。
···はて、この寒い中どのタイミングで脱いで湯舟にダイブしたら良いのか。暫く固まっていましたが、先ずは蓋代わりに8枚ほど渡してあった板を1枚ずつ外し、重ねた板の上に脱衣スペースを作りました。冬は脱いだ服を離れた所に置くのはNGです。どうしても寒さに耐えられない場合は、下から脱いで下半身だけ入り、浸かりながら上を脱ぐのが良さそうです。出るときも浸かった状態で上だけ着衣、上がったら素早く下を身につけるのがグッド。この時ウエアは上も下もメリノがおすすめ。濡れたまま着てもすぐ渇き、温かい状態のまま皮膚をラッピングしてくれます。
お湯加減は熱くもなくぬるくもなく適温、底には河原の石が敷き詰められ足裏に心地よい刺激、見上げると硫黄岳の火口の断面が圧巻で、この非日常的な状況が滑稽に思えてきて笑いが止まりませんでした。額に汗が滲むまでしっかり温まってから素早く服を着ると、テントに戻っても暫くぽかぽかでした。
夕飯を済ませてとっぷりと日が暮れた頃、もう1つのお楽しみ、石楠花(しゃくなげ)の湯へ出かけました。ここは山小屋のすぐ下に位置して、屋根も壁も脱衣所もしっかりあります。
戸を開けると下足場があり、木の香りが漂う室内は友達の部屋を訪ねたような居心地の良さ。電気も点くし、ここに寝袋を敷いて寝たいと思いました。お湯はかなり熱いのでそっとゆっくり浸かるのがおすすめ。すぐに温まったのでのぼせないうちに上がりました。
天気が持ちそうなら硫黄ピストンも考えていましたが、夜半には吹雪いて風の音で目を覚ましました。登りは無しだなーと諦め夢の中へ。再び目を開けると外が明るくなっていて、慌てて飛び起き時計に目をやるとなんと8時45分。外を覗くと雪がちらつき、昨日見えていた稜線は真っ白で何も見えませんでした。山でこんなに朝寝坊したのは初めてです。今日は下るだけ、ゆっくり朝の支度に取りかかりました。
泊まっていたのは他に単独女性が1人、下山中にすれ違ったのも僅かに3名、動物たちもすっかり息を潜め、2日間とても静かな山行を満喫できました。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。