エメラルドグリーンの美渓~鞍掛沢~
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2024年08月19日 (月)~2024年08月19日 (月)
- メンバー
- 山の先輩
- 天候
- 曇/晴
- コースタイム
- 日向山登山口(30分)錦滝(30分)鞍掛沢下降点(60分)夫婦滝(120分)本谷分岐(30分)ハング滝(20分)乗越沢(120分)鞍掛山コル(60分)日向山(60分)登山口
- コース状況
- ・日向山の矢立石登山口は10台ほど。下の尾白の広い駐車場に停めると山道を1時間登って行くこともできます。こちらは綺麗なトイレ、自販機あります。
・矢立石からそのまま閉鎖されているゲートを進むと錦滝があります。崩落した林道を歩きトンネルを3つ越えてから、沢に急降下するロープの張られた踏み跡を下りきると入渓できます。
・最初の林道歩き、沢が終わってからの登山も長いので、替えの靴があると楽です。
・夫婦滝は左のスラブを登れますがツルツルなのでロープがないと滑ります。残置ハーケン多数あり。ハーケンが打ってある左壁の僅かな溝がホールドになります。
・夫婦滝の後、左の本谷に進まず右の沢に入ります。本谷には沢上部にワイヤーが張ってあります。間違えて進んでしまいましたが、右岸に巻き道があり容易に戻れました。
・ハング滝は登れないので左岸を高巻きます。
・乗越沢の最初の滝は滑るので右の立ち木で中間取りながら登りました。その後は左岸の巻き道を行けば沢筋がみるみる小さくなっていきます。踏み跡ありますが急な上、アザミが群生しているので通過するとき痛いです。
・詰め上がると日向八丁尾根と合流します。登山道ですが日向山までかなり急な尾根を下ります。
- 難易度
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感想コメント
憧れの美しい名渓・鞍掛沢へ行ってきました。甲斐駒ヶ岳が水源の尾白川の支流で、白い河床と明るいグリーンの美渓が人気の沢です。日帰りも可能ですが、アプローチが長くツメも急なので、日向山を経由して戻るにはそれなりの体力が必要。日向山へ取り付いた頃にはヘロヘロでしたが、頑張って最後まで歩き通しました。
朝の尾白川駐車場、甲斐駒黒戸尾根を目指すハイカーが次々と出発していきます。そこから少し上の矢立石へは車で未舗装道を進むこと約20分。こちらも人気の日向山、駐車スペースには既にたくさんの車が停まっていました。
アプローチが長いので沢靴やゲイターは履かずに歩き出します。林道は一部崩れていますが、大きな錦滝やトンネルを通過したりと見所はあるので飽きずに歩けます。途中晴れ間が出て、甲斐駒の頂上も見えました。最後はフィックスロープを伝って急降下。絶対に登り返したくない急な斜面でした。
ようやく沢に降り立ち、眺めてみると岩が全て白っぽく明るい沢でした。甲斐駒ヶ岳の山頂も白い岩と砂で覆われているので、この沢も同じ花崗岩なのでしょうか。
装備を身に付けいざ入渓。程なく有名な夫婦滝が見えてきました。上下二段のナメ滝で、釜がうっとりするくらい綺麗なエメラルドグリーン。見たかった光景に遭遇してはしゃぐのも束の間、ナメをいかに滑らずに通過するかいきなり正念場です。滑ると思うと絶対に滑るから、何も考えずにしがみつくのが突破の極意だとか。私はツルツルの足下にひぃひぃ言いながら、薄いフレークでもカチでも必死にしがみついて登りました。
夫婦滝さえ越えれば、後はロープなしでフリクションだけでも登れました。一度滑って2mほどすってんころりん。釜ではなかったので全身ずぶ濡れは避けられました。
圧巻のハングした滝を高巻いたら乗越沢の始まりです。ここも始めはツルツルでした。沢幅はさらに狭くなるので、脇の草付にいくらでも逃げられます。しかしもう一つの厄介な試練が待っていました。
アザミが所々生えていて痛いことこの上なく、うっかり握ってしまった時はもう悲鳴を上げてしまいました。綺麗な紫色ですが、トゲが鋭く登山道で見かけると反射的に避けてしまう花です。おまけに藪漕ぎしたせいかくしゃみと鼻水が止まらず、腕や首筋がかぶれてしまいました。アザミのせいか他の植物かわかりませんが、肝心なところでアレルギー症状が出てしまい、今回のツメは辛い道のりでした。
ようやく登山道に合流すると、鞍部から北杜市の街並みが見えました。標高は2000mを越えていたので道理で遠くの街が見えるわけです。ずいぶん登りました。今度は日向山を目指して400mほど下ります。リッジ状の場所もあれば手がかりのないスラブもあります。穏やかな日向山に向かっているはずなのに、なぜ微妙に悪路?と思っていたら、ここは鋸岳からの縦走路ということで納得しました。
木々の間から白い山肌が見えると、白砂の日向山はもう間もなく。長い道のりにやれやれと思っていたら、日向山の砂地の登りもなかなか堪えました。振り返ると特徴的なオベリスクの鳳凰三山、対岸には八ヶ岳。遮るものは無くなり、しかも白砂の山頂はまるで別天地のよう。長旅のフィナーレに相応しい光景が広がっていました。
後は日向山の登山口まで戻るだけ。久しぶりにたくさん歩きました。帰りは夏休み真っ只中で賑わう尾白の湯に立ち寄り、汗も鼻水もさっぱり。帰りの電車では眠気に勝てず、危うく乗り過ごすところでした。
【装備】
○シューズ 渓流/KR-3XR
○ザック ミレー/プロライター30+10
○ハーネス ブルーアイス/コーカスプロ
【ウエア】
○アンダー ミレー/ドライナミックメッシュ
○ベース ミレー/ヘザーメッシュクルー
○アプローチシューズ スポルティバ/TX5ロー
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。



















