天狗山ダイレクト
- 投稿者
-
るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2024年11月14日 (木)~2024年11月14日 (木)
- メンバー
- 山の先輩
- 天候
- 晴れ→曇り・風
- コースタイム
- 馬越峠(30分)ロープ張られたコル(20分)1P目(45分)4P目(30分)6P目「門」(60分)8P目三段岩壁(35分)終了点(10分)山頂(45分)馬越峠
- コース状況
- 【天狗山ダイレクト】11Pで山頂へ。馬越峠から登山道を歩き、眺めの良い岩稜帯を越えた後、ロープを跨ぎ急な踏み跡を下ります。1P目の岩稜には手前の細い木にピンクのロープ巻いてあります。すぐ左にあるハングした岩は間違い。
・3,5,7Pは歩きパート、シューズ履き替えコンテで進みました。
・全体的に手や足ありますが脆い箇所多く、掴んだ岩が剥がれたり置いた足場は浮き石だったりするので、確かめながら慎重に登る必要あり。
【野猿返し】大弛峠へ向かう道路に入りダート道を数分進むと、堰堤付近に駐車スペースあり。夜間に2本のゲートが閉まるので日が暮れる前に出なくてはなりません。
・数年前は丸太を渡りましたが今回は渡渉しました。堰堤の下流側が渡渉しやすいです。
・核心の5P目リッジはクラックを越えた後、右側に少しトラバースしてピッチ切りました。ピナクルやカムで支点作れます。切らずにリッジを越えるとかなりロープの流れが重くなってしまいます。
・取付いた時間が遅かったので核心リッジ終了後、6P目で右側の崖を懸垂下降して終了しました。急な藪を下ってケルンまで戻りました。
【廻り目平キャンプ場】
営業は11月下旬まで。テント1晩900円/人。金峰山荘お風呂500円、受付は18時半まで。ドライヤーは有料100円です。シャンプーやボディソープはありません。
- 難易度
感想コメント
小川山へ行く度に気になっていた天狗山。両翼を広げ天を睨むような姿はどこから見ても威風堂々として、川上村のシンボル的存在です。一般登山道の他に、山岳ガイドの佐藤勇介さんが開拓した天狗山ダイレクトは、南側の岩稜を辿るバリエーションルートとして親しまれています。隣の男山ダイレクトは聞いたことはありましたが、天狗山にもダイレクトルートがあると知って、小川山の行き帰りに眺めては登高意欲を掻き立てられていました。
秋晴れのさなか丁度良いタイミングで休めたので、初日は小川山でキャンプ、2日目にルートを少しとマルチピッチの野猿返し、3日目に天狗山ダイレクトを登りました。
クライミングにはぴったりな季節ですが、夜はかなり冷え込み焚き火の温かさをありがたく感じました。金峰山荘のお風呂もこの時期欠かせません。2日間とも利用させてもらいました。
ぽかぽかお風呂とあったかご飯のおかげで3シーズンのテントでもぐっすり眠れましたが、翌朝は零下でフライシートがバリバリに凍っていました。防水手袋を用意しなかったのでかじかんだ手で撤収するのが大変でした。この季節は撤収時用の防水の厚手手袋も必要です。
2日目に登った野猿返しは今回が3度目のトライ。初めて登った時はフォローで訳もわからず登り、2度目は辛うじて核心以外をリード、今回は初マルチのメンバーもいたのでまた難しい所は強い人にお任せして簡単なピッチだけをリードしました。
さすがに3回目なので以前のような怖さはありませんでしたが、何せ高度感があるのでリッジに立った時は足がプルプルしました。岩は硬いので、手足を信じれば落ちることがないというのが私の小川山のイメージ。これだと思ったら思い切り乗り込めるので、比較的速いスピードで進めます。それでもメンバーが4人で取付きも遅かったので、日が暮れかけ途中で下りてきました。この日は早めに休んで翌日の天狗山に備えました。
天狗山は小川山と違って岩は剥がれやすく、乗った足元は浮いていて落石のオンパレード。うっかり落とさないよう、石橋を叩いて登らなければなりません。午後になると北風が舞い込み、ビレイ中の寒さが辛かったです。リードも寒いですが、フォローを寒い中待たせてはいけないと必死に登りました。剥がれたり浮いたりはありますがガバは多く、それさえ捉えられれば難しさはありません。私でもリードしてトップアウトするのにそこまで時間はかかりませんでした。
印象的だったのは6P目の「門」。門のように10cm程度の隙間クラックが走り、レイバックやガストンしながら登ります。一番快適に登れて、雰囲気の変わったピッチだったので楽しめました。
残りの歩きを終えて最後の三段岩壁へ。ここまで来ると風が一層冷たく、早いとこ頂上に着いて終わらせたいと思いました。そろそろ外岩も終わりの季節です。寂しい気持ちで頂上に立つとやはりガスで真っ白。本当なら八ヶ岳や奥秩父の山々が見えるはずですが、残念ながらこの日の展望はお預けとなりました。
再び急な下りをせっせと下って登山口へ。次回は暖かい季節に男山まで縦走ししてみたり、機会があれば男山ダイレクトにも挑戦してみたいです。
【使用ギア】
・天狗山は立ち木が豊富なので60と120のアルヌン各4、ヌンチャク2、#2カムを2、6P目で使用。50mシングルロープ1本で登りました。
・野猿返しはピナクルが中間支点になるので240スリングや7mmくらいのアクセサリーコードが有効です。
・5P目以降は#1~3のカムがあると安心。こちらも50mシングルロープを使用。
・下降で急な場所を下ったので、7mくらいの7mmアクセサリーコードでカウンターラッペルしながら下りたらスムーズでした。
【使用ウエア】
・ミレー/クータイIIウールクルー
・ミレー/フュージョングリッドフーディ
・ノースフェイス/スワローテイルフーディ
・ノースフェイス/オクトーバーミッドパンツ...キャンプ中や就寝時に使用。保温パンツですがシルエットがきれいでダウンパンツのように嵩張りません。
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。