西丹沢 雷木沢遡行 ~ 隠れ大滝を抱く静かな佳渓へ (モロクボ沢支流)

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2015年05月26日 (火)~
メンバー
単独行
天候
コースタイム
西丹沢自然教室(30分)山びこ橋(60分)850m二俣(120分)水晶沢ノ頭(80分) 白石峠経由西丹沢自然教室
コース状況
■ 水温やや低め
■ コバエが多いです
■ 詰めの枝尾根歩きが長いです
難易度
Google Map
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感想コメント

西丹沢のなかでは殆ど無名ながら通好み!?の沢として一部で知られる隠れた佳渓「雷木沢(らいきざわ)」。
沢登り入門や盛夏の水遊びで人気のある「モロクボ沢」の支流で、25m大滝を含む連瀑帯と癒しのナメ床を抱く小粒ながらマニアックな渓です。
用木沢出合ゲートまで車で入れば、入渓点まで僅か10分ほど。エアリアマップには水線の記載さえありません。
遡行自体は2時間弱ですが、詰めの枝尾根歩きが結構大変かもしれません。
ちょっとしたバリエーションルート雷木沢右岸尾根を上手に辿れば、1時間ほどで車に戻ってこれるので、トレーニングや時間のない方に適した1本と言えるでしょうか。

気温が上がり夏めいた新緑眩い5月平日、久しぶりに西丹沢を訪れました。
前夜仕事を片付けてから、深夜の国道246号を走り、1台も車のない西丹沢自然教室駐車場へ。
涼しい夜にぐっすり寝て目を覚ますと、辺りは路上にはみ出るほどの満車状態でビックリ!
西丹沢のつつじシーズン(5月下旬~6月上旬)は平日でも休日並みに込み合うとは聞いていましたが、まさにその通りで驚きました。
しかし今日私の目指す沢はマイナー中のマイナーなので、誰にも会うことはありません。
用木沢出合ゲートまでさらに車で進めますが、この分だと満車必至なので、ウォーミングアップをかね30分程入渓点までテクテク歩きます。
モロクボ沢を遡行するときに訪れる県立キャンプ場跡地から少し進んだ赤い橋「山びこ橋」が入渓点。
雷木沢はモロクボ沢の支流ですが、注意してみなければ分からないほど小さな枝沢の様相を呈しており、出合は噂通り地味でとても平凡です。
今まで何度か通り過ぎているはずなのに、全く気が付きませんでした。
本当にこの沢なのか半信半疑で進んでいくと、堰堤が現れ「雷木沢」の表示。
150mほど沢へ入ると意外にもナメ床が現れ、いい予感が生まれます。
そして左に90度沢を曲がると立派なF1=10mが眼前に現れ、心躍る連瀑帯に突入。
無理せずF1、F2ともに左岸を巻きあがると、雷木沢のハイライト落差25mのF3へ。
中間部の石英閃緑岩の岩肌がアクセントになっている流麗な美瀑。
水量がやや少ないのが物足りませんが、隠れ大滝としてはとても立派なものです。
とても登れないので、右岸を大きく髙巻いてからガレ場をトラバースして落ち口へ。
何となく踏み跡がありますが、トラバース中の滑落に気を付けましょう。
大滝上で一つ小滝を越えると、渓相は一変して穏やかなものに。この辺はモロクボ沢そっくりです。
新緑に包まれながら、ナメ床をゆっくり歩くと、二俣が続き、いずれも右へ。
水量は段々と細くなり、逆さくの字滝などいくつかの小滝を越えていくと、見所は終わり遡行終了。
しかし、ここからの雷木沢のツメは結構しんどいものでした。
左岸に取りついて枝尾根を目指しますが、ふんばりの効かない土斜面。
モンキークライムで何とか這い上がり、尾根に乗りますが、目指す稜線「水晶沢ノ頭」は想像以上に遠いものでした。
ようやく稜線に辿り着いたときはヘロヘロの状態。沢登りはつくづく体力が必要であることを思い知らされます。
下山はプチバリエーション雷木沢右岸尾根を辿れば入渓点に戻れますが、何も考えずに楽に歩ける登山道の誘惑に勝てず、白石峠へ。
初めて歩く道でしたが、下方に「白石の滝」がチラリと見える白石沢が気になりました。
白石沢は遡行困難で、「白石の滝」を見るためには上流から懸垂で降りるのがベターだと聞きます。
機会があればぜひ下降に挑戦してみたいと思います。

フォトギャラリー

雷木沢は連瀑で始まり、段々と穏やかな渓相になっていきます

とても地味で平凡な出合 まるで枝沢です

しばらく進むときれいなナメ床が現れます

最初に出会うF1=10m滝 水量が少ないのが残念です

続くF2 滑りやすく直登は困難です

雷木沢のハイライト 隠れた大滝25m

心を穏やかにしてくれる優しい大滝でした

大滝の高巻き うっすらと踏み跡がありました

大滝上の小滝 緑がきれいです

後半は穏やかな渓相

850m二俣は右へ

優しいナメ床が続きます

苔が映える逆さくの字滝

きれいなナメ滝を越えていきます

最後の滝らしい滝

水が細くなったところで遡行終了 ここからの詰めが大変でした

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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