ヨセミテ エルキャピタン「ザ・ノーズ」
- 投稿者
-
高野 優
池袋西口店
- 日程
- 2015年09月20日 (日)~2015年10月23日 (金)
- メンバー
- 高野
他2名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 1日目 ノーズ取付き~シックルレッジ~エルキャプタワー
2日目 エルキャプタワー~キャンプⅤ
3日目 キャンプⅤ~終了点
4日目 終了点~ヨセミテバレー・キャンプ4
- コース状況
- 9月は日中の日差しが強く、11台のセクションはフリーはかなり困難。
特にフェースのセクションは厳しい。
ベストコンディションはやはり10月に入ってから。
感想コメント
これまで沢登り、冬壁、高所登山など、様々な形態の登山を行ってまいりましたが、
ビックウォールの経験はありませんでした。
そういったわけで、クライミングの聖地「ヨセミテ」へ。
初日はバレーに朝5時に入り、無事キャンプ4のサイトを取る事ができました。
5時の時点ですでに10名近く並んでいました。
サイトのテント数は決められており、ほぼ毎日満員です。
サイトを確保するには夜中から並んだ方が良いでしょう。
(並ぶといっても受付の前にシュラフに入り寝てしまうのですが…。)
肝心のノーズですが、事前にシックルレッジ(4ピッチ目終了点)まで荷上げを行い、
Goupは日曜日。5時頃には登り始めました。
日が昇り始めると、下から疾風のように1Dayパーティーが追い抜いて行きました。
ビレイ中、彼らと「どこから来たの?」「何泊?」などと話をすると、
「自分はこれでノーズは3度目なんだ。最初のトライの時は君たちのようにビバークしながら登ったんだけど、その時ユージ・ヒラヤマが信じられないスピードで追い抜いて行ってね…。それにインスパイヤーされて今日、1Dayでノーズにトライしに来たんだ!!君たちも頑張ってね!!」
という素晴らしい話を聞くことが出来ました。
ヨセミテに通うクライマーの中で、「ノーズ、1Day」は一つの目標でもあるようで、私たちがノーズに取付いていた3日間のなかでも3~4の1Dayパーティに追い越されました。
メンバー3名、全員ビックウォールは初めてでしたが、メンバーで話し合ったり、チームでシステムを練習したりする時間を沢山とり、不安や疑問点を解消していったことが、結果的に良い勉強になりました。
ホールバックを使った荷上げやシステムや効率的なユマーリング、支点構築など、
頭では何となくイメージできても実践しないと身に付くものではありませんし、
数ある方法の中で、自分にとって最良の方法やそれぞれの良し悪しもわかりません。
今回は11台以上は基本的に全てエイド、もしくはA0で登りました。
フリークライミングが最良の登攀手段であることに私も異論はありませんが、我々にはその実力はありませんでした。
何より今回の目的は別にありました。
ビッグウォールを登るためのエイド、ユマーリング、ホーリング等の技術を学んでおくことに損は無いと考えます。
ビッグウォール技術が直接的に役立つ登山は少ないかもしれませんが、自然を相手にする登山において、窮地におちいたっ際より多くの選択肢の中からベストな方法を選択して現状を打破できる知識と経験を積んでおきたいという考えがベースにあり、今回の計画に至りました。
様々な形態の登山を経験することで、登山活動における自分の中の選択肢を増やすことができると思います。
これからも、多くを学び、一緒に登る仲間たちと「山から無事帰る」をモットーに登山を続けていきたいと考えております。
※ノーズに挑戦を考えている方がおりましたら、お気軽にお声かけください。
少しはお力になれると思います。
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。