六甲山・ロックガーデン 地獄谷を登り岩のオブジェを楽しむ

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投稿者
好日山荘スタッフ
日程
2016年11月12日 (土)~2016年11月12日 (土)
メンバー
天候
快晴
コースタイム
阪急芦屋川駅→27分→高座の滝→28分→芦屋地獄谷→9分→小便滝→11分→A懸垂岩(Aケン)→9分→B懸垂岩(Bケン)跡→18分→ピラーロック・万物相→11分→風吹岩→22分→金鳥山→13分→保久良神社→24分→阪急岡本駅
■歩行:2時間52分
コース状況
地獄谷はルート不明瞭、マークも少なく迷いやすい。
また、崩れやすい花崗岩の岩歩きが続き、スリップや滑落に注意。
初心者、未経験者のみでは絶対に行かないでください。
難易度
Google Map
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感想コメント

神戸の街の背後に東西に長く伸びる六甲山。
「日本アルプス」を命名したウィリアム・ゴーランド、ロバート・ウィリアム・アトキンソン、アーネスト・メイソン・サトウの三人の外国人パーティが、1874年に日本で初めて六甲山でピッケルとナーゲル靴を使った近代登山を行いました。

また、1924年に藤木九三氏を筆頭とする関西のクライマーたちによってRCC(Rock Climbing Club)が設立され、六甲山において多くの岩場が開拓されます。
その代表的な岩場が「ロックガーデン」
ここでロッククライミングが行われたことから六甲山は「近代登山発祥の地」とも呼ばれています。
RCCのメンバーは岩にゲートロック、A懸垂岩、B懸垂岩など名前を付けてクライミングの技術を磨いたということです。
※孤高の人・加藤文太郎氏もRCCに所属していました。
兵庫県美方郡新温泉町の浜坂にある加藤文太郎記念図書館にはRCCの会員証が展示されています。

ロックガーデンは花崗岩が風化して作り出された奇岩がたくさんあり、大阪、神戸の眺めも素晴らしいことから、阪急芦屋川駅から高座の滝を経て、ロックガーデン中央尾根を通って風吹岩に向かうルートは六甲山で最も人気の登山コースです。

今回登った地獄谷コースは高座の滝から谷沿いに登っていき、A懸垂岩、B懸垂岩、万物相など岩のオブジェを楽しみながら、かつてクライミングで栄えた岩場の歴史を感じながら登山することができます。
しかし、地獄谷はルート不明瞭、マークも少なく迷いやすく、崩れやすい花崗岩の岩歩きが続き、スリップや滑落に注意しながら歩かなければなりません。
昭文社「山と高原地図」には破線ルートとして掲載されていますが、初心者、未経験者のみでは絶対に行かないでください。


■ルート
高座の滝からちょっと登ると中央尾根と地獄谷への分岐があります。
地獄谷に入ってすぐ左手にゲートロックがそびえています。
沢沿いにいくつも滝を越えながら登っていきます。
夏はとても涼しそう。
濡れた岩や、足場の悪い滝を登る個所もあり、やや難しいです。
「小便滝」まで沢沿いに登り、そこからB懸尾根に取り付きます。

岩の隙間を縫うように登っていくと、A懸垂岩に登れます。
海も山もとても展望が良い。
そしてこれから向かうB懸尾根の奇岩が目を楽しませてくれます。

A懸垂岩からアップダウンを繰り返しながらB懸垂岩を経て、万物相に到着します。
この区間は垂直に登り下りする個所があったり、崩れやすい花崗岩の細い足を通過したりとやや危険です。

万物相はまさに岩のオブジェ。
花崗岩でできた六甲山を象徴するものと言えるでしょう。
年々風化していくので、数年後はまったく違う形をしているかもしれません。
万物相だけを見るのであれば、中央尾根で風吹岩に向かい、そこから万物相へ下るほうがよいでしょう。風吹岩から10分ほどで行けます。

風吹岩はすごい人です!
六甲山は紅葉には少し早いですが、暑くなく寒くなく今がベストシーズンですね。
紅葉は2週間後ぐらいでしょうか。

時間があればこのまま六甲山最高峰を経て有馬温泉に抜けたいところですが、この日は午後から用事があったので風吹岩から阪急岡本駅に下りてきました。

高座の滝から地獄谷ルートで風吹岩へ。
風吹岩までたった1時間強の沢登り+岩場歩きですが、とても密度の濃い山歩きが楽しめます。
アップダウンやスリリングな個所が多いので体力を使い、緊張が続いて喉が渇きます。
登山中級者以上で、少ない時間でしっかり山を楽しみたい方にお勧めです。

フォトギャラリー

ロックガーデンの万物相。岩のオブジェを楽しめます。今の時期は雪山の練習にも利用されます

芦屋川沿いの桜の紅葉がきれいです。

高座の滝。この滝のそばに藤木九三さんのレリーフがあります

高座の滝から少し登ったところに、中央尾根(一般ルート)と地獄谷の分岐があります。ここから地獄谷に入ります

沢沿いに登っていきます

険しい滝をいくつも越えていきます

険しい滝をいくつも越えていきます

小便滝に到着。沢はここで終わり。ここからA懸垂岩、B懸尾根に取り付きます

これがA懸垂岩(Aケン)の頭です

A懸垂岩の頭からB懸垂岩、B懸尾根、万物相を眺めます。左の鉄塔のところが風吹岩です。

花崗岩の崩れやすい尾根をアップダウンを繰り返しながら進んでいきます

B懸尾根を進みます

風化した花崗岩

奇岩が目を楽しませてくれます

ここを登るとB懸垂岩の頭です

万物相。面白い形です。風化しやすいのでどんどん姿を変えて行っているのでしょうね

万物相から大阪湾の眺め

風吹岩はたくさんの登山者でにぎわっていました

六甲山は紅葉しはじめです。あと2週間後ぐらいがきれいでしょう

落葉のアート

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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