残雪の西穂独標~腐れ雪の洗礼~(岐阜県)
- 投稿者
-
浅見 直紀
さいか屋藤沢店
- 日程
- 2017年04月07日 (金)~2017年04月08日 (土)
- メンバー
- 町田店アルバイト1名
横浜西口店アルバイト1名
- 天候
- 雨/曇り
- コースタイム
- 初日
新穂高ロープウェイ西穂高口→(110分)→西穂山荘
二日目
西穂山荘→(20分)→丸山→(150分)→西穂独標→(130分)→西穂山荘→(50分)→新穂高ロープウェイ西穂高口
- コース状況
- 終始雪が腐っていた。アイゼン前爪は必要。
特に小屋からの稜線は、足がハマってしまうほどに融けて重たい雪。
- 難易度
感想コメント
西穂独標。北アルプス西穂高岳の手前に位置する、「初心者はここまで」な山。
ロープウェイで行けて、しっかりと雪山で、稜線歩きも楽しめて・・・。そんな山はなかなか無いのではなかろうか?これは油断すると気分が有頂天だな!
とか思っていた時もあった。「調子に乗らないように」と山に言われた気分だ。
今回は高速バス、濃飛バスのバリュー切符なるもので日程にゆとりを持って臨んだ。新宿から平湯経由で新穂高ロープウェイまでのバスと、ロープウェイの往復代、平湯温泉の入浴券までついてなんと¥12000ちょっと!通販番組ならザワメキが起こること請け合いの格安値段に度肝を抜かれた。
ロープウェイで超過重量金を払い(6kgオーバーで該当し、片道¥300)、いっきに高度を稼ぎ、いざ出発。・・・雪がシャクシャク言ってる。しかも雨だ。そんなに雨量が多くないことが救いだった。「ダメだ!(雪が)腐ってる・・・!遅過ぎたんだ」
夏は西穂高に登ったことがあるが、冬は初めてだ。10年前(!)に登った夏道との雰囲気の違いに「ほぇ~」とか声が漏れた。何せほぼ直登。端っこを歩くと腐った雪に足元を取られることもあり、そして思ったよりも樹上からの水滴が多いこともあり、想像以上に疲労した。
夢中で歩き、気付けば山荘。名物雪ダルマ・西穂君も降りしきる雨に目をやられつつ待っていてくれた。
小屋で酒を楽しんでいると、いきなり晴れて前穂高と焼岳、笠ヶ岳が見えた!うおおおお久しぶりぃぃ!
気温も明らかに氷点下を割っておらず、山荘のサンダルで外に出て写真をここぞとばかりに撮りまくった。
そして翌日。天気は・・・・相変わらずだった。雨と風と高い気温。小屋のお兄さんはアイゼンは効かないだろう、とか仰っていた。ですよね!小屋前の雪はフラッペだもの!
そんなこんなで稜線歩き開始。丸山までで雨と風に心を打たれて(この場合は文字通りの意味)、挫けそうになる。ワタクシ一人だけ荷重があるので、先頭で腐れ雪にハマって身動きが取れなくなった。そんなどんくさいワタクシを救ってくれる仲間に涙が出そうになる。ほぼ融けてる雪の重さは、本当にシャレにならないのだ。そのうちの一回は冗談のように身動きを封じられたため、たまたま居合わせた小屋で一緒だった男性にも助けて頂いた。改めてお礼申し上げます。
ちなみに、「HELP!」と言ったのは往復で6回。あまりにハマるものだから、救助慣れさせてしまった。10年前の西穂も泣きじゃくりながら登った。うーん・・・。西穂の神にはいつも試される。
そんなこんなで丸山を過ぎ、最後の急斜面をザクザク登って漸く到着。ここの雪は腐りかけていたものの、まだしっかり前爪が効いた。
そして夢中で降りる。内心比率は、「もう終わってしまった」:「風呂!風呂!風呂!」=1:4。山荘から結局、往復で5時間以上かかった。ちなみに夏道は約三時間。ほぼ休憩なしなのに・・。雪って恐ろしい。そんなことを思いながら西穂山荘で昼食を摂ったら、もうひたすら下った。早い早い!
天気はずっと雨。もうずぶ濡れ。ある業界用語で言うと、”ビチョンセン”ってヤツだ。
残雪の山は気候対応が難しい。濡れそぼったヤッケを見ながら、しみじみと思った。
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