笠置山~行場巡り / 笠置

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投稿者
上田 哲也
グランフロント大阪店 店舗詳細をみる
日程
2017年09月25日 (月)~2017年09月25日 (月)
メンバー
グランフロント大阪店:上田
天候
晴れ
コースタイム
JR・笠置駅~5分~笠置山・登山口~35分~笠置寺~20分~平等岩(288m地点?)~20分~笠置寺~40分~笠置山(323.9m)~50分~笠置ボルダー~15分~JR・笠置駅
コース状況
「笠置寺修行場めぐり」コースは歩きやすい軽登山靴がオススメです。
一周800mで所要30~40分。料金300円。
平等岩に登らなければ、危険箇所はありません。
笠置山の三角点から飛鳥路へ到る登山道は、赤や黄のテープ目印あり。
ほとんど人が入っていないので大量の蜘蛛の巣があります…。ご注意下さい。

水場:なし
WC:笠置寺と笠置ボルダー近くなどにあり。
難易度
Google Map
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  • おとな女子登山部

感想コメント

京都府相楽郡笠置町にある笠置山へ行場巡りに行ってみました。

笠置山は古くは修験道の行場として栄えた笠置寺があることで知られていますが、北面は崖と木津川、西面は崖と打滝川、東面は観音谷があり、寄せ手を阻む天然の要害であったため、数々の歴史の舞台となってきました。

元弘元年(1331年)、倒幕計画を幕府側に知られた後醍醐天皇は笠置山に逃亡し、その地で挙兵。これに呼応した護良親王(後醍醐の皇子)や楠木正成(河内の悪党で楠木流軍学の祖)も挙兵。さらに大和や柳生の武士、伊賀衆などが傭兵として参加した事から、幕府側は討伐軍を差し向け笠置山を包囲。元弘の変(笠置山城合戦)が勃発しました。

夜討ちや山中でゲリラ戦を行う伊賀忍者らの激しい抵抗に当初は苦戦していた討伐軍でしたが、幕府側の忍び2名が笠置山北面の崖を4時間かけて登攀し宿坊に火を放つ事に成功。風に煽られ笠置山は全山炎上して数日後に落城。後醍醐天皇は隠岐に島流しにされ、護良親王と楠木正成は金剛山中にてその後も抵抗を続けたそうです。

江戸時代に著された「万川集海」巻第十一には「陶山 小見山 笠置城エ忍入シ時 風雨ノ夜ヲ窺ヒ 打鉤ヲ以テ 潜ニ巌石ヲ登リ 城内エ入テ…」とあり、「陶山と小見山が笠置城へ潜入した時は悪天候の夜を選び、鉤の付いた縄を使用して密かに巨岩を登って城内に入り…」と記されており、名前が記録に残っているクライマー(忍者ですが…)としては国内最古の部類に入ると思われます。

また「多聞院日記」には、天文十年(1541年)に笠置城で発生した別の戦の際に、忍び込んだ伊賀衆が建屋に火を放ったことが記されており、室町時代には既に忍者が組織的に活動していた事が分かります。この戦い、笠置城を防衛する木沢長政側に甲賀者がいたと書れており、伊賀対甲賀の図式はここから生まれたのかもしれません…。

駅から5分ぐらいの所にある登山口から入山。旧登山道は薄暗くて蚊がたくさんいましたが、古道の雰囲気のある道でした。30分ちょっとで笠置寺に到着。300円払って行場巡りを開始。

まず目に付くのが「正月堂」の手前にある巨岩「笠置岩」。笠置町の名前の由来だそうです。周辺には「十三重石塔」と「本尊弥勒磨崖仏」があります。しばらく進んで行くと修行場跡の「千手窟」と「虚空蔵磨崖仏」の巨岩があり、これはかなりの大きさで見応えのある岩です。

行場入りする時に身を清める為の「胎内くぐり」の岩のトンネルを抜けると、叩くと音がする「太鼓岩」、後醍醐天皇が攻撃用に準備した「ゆるぎ石」があり、景色の良い山頂の巨岩「平等岩」に到着。江戸時代には月見の場所だったそうです。平等岩の横下にあるのが「蟻の戸わたり」で岩の隙間を通ります。

その後は「二の丸跡」「貝吹岩」「後醍醐天皇行在所」などを経て「笠置寺本坊」で終了。寺を後にすると、東海自然歩道を柳生方面に進み、途中の分岐からゴルフ場横の変化に乏しい道を歩いて、ほとんど人の行かない笠置山の三角点へ。展望なし。気温27度で風がなく暑い。

帰路は三角点から飛鳥路を目指してさらに北上。人がほとんど入っていないのか、大量の蜘蛛の巣が待ち構えていました…。これに耐え忍ぶことが出来れば不動心を養えるかもしれません。ある意味「忍びの道」。木津川に出た所で西に転進すると、笠置ボルダー(外岩でボルダリングできる所)を経由して駅に戻りました。

フォトギャラリー

「笠置寺修行場めぐり」

笠置山・登山口

古道の雰囲気のある道

笠置寺

笠置山寺全景

「笠置岩」と「十三重石塔」

「本尊弥勒磨崖仏」

大きいっ!!!

「虚空蔵磨崖仏」

「胎内くぐり」

「太鼓岩」

「ゆるぎ石」

「平等岩」

「平等岩」からの眺め

「貝吹岩」

「後醍醐天皇行在所」

彼岸花

笠置山の三角点を目指す

笠置山の三角点

笠置ボルダー

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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