黒沢山(南アルプス深南部)

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投稿者
藤谷 康輔(浜松メイワン店)
日程
2019年05月23日 (木)~2019年05月24日 (金)
メンバー
友人2名
天候
晴れ
コースタイム
(初日)
奈良代林道ゲート-(55分)-林道終点-(70分)-シャウヅ山山頂

(二日目)
シャウヅ山山頂-(90分)-最低鞍部-(130分)-黒沢山山頂-(100分)-
最低鞍部-(35分)-シャウヅ山山頂-(50分)-林道終点-(30分)-
奈良代林道ゲート
コース状況
シャウヅ山までは、所々踏み跡が薄いものの、テープもあり、ルートはおおよそ明瞭で急登も少なく、比較的歩きやすいと思います。
シャウヅ山から黒沢山にかけては踏み跡は薄く、テープも少なく、特に稜線上は背丈を越えるクマザサが密集していて、猛烈なヤブ漕ぎに難渋します。また、太い倒木がササに隠れてそこここに横たわっており、それらを乗り越えるのも一苦労ですし、足などをぶつけないように注意しましょう。また、トレッキングポールはあった方がいいとは思いますが、ヤブ漕ぎの時はササがポールに絡まり、進みにくいこともあるので、状況に応じてザックにしまった方がいいと思います。それに、ヤブ漕ぎの最中に物を落とすと、落としたことにすぐ気づかない限り、ほぼ回収不可能なので、落としそうなものは全てザックの中に入れてしまうことをオススメします。
最低鞍部付近には、尾根の北側に巻き道があり、これを見つけて利用すれば、稜線上のヤブ漕ぎよりは、時間短縮になります。所々赤テープもあるので、これらの目印をうまく拾いながら進みましょう。
黒沢山へ取り付く急登にも深いササが密集しており、ルートを外しやすいですが、テープを拾いつつも、地図で黒沢山山頂方面を確認しながら歩きます。間違って六呂場山方面への尾根に入らないようにしましょう。
いずれにせよ、地形図と地図読みの技術は必須になります。また、ガスに巻かれると方向を見失いやすいので、GPSもあった方がなお良いでしょう。
もう一つ付け加えると、奈良代林道も途中からゲートまでは未舗装で、かなりの悪路が続くので、車高の高い車で行った方が、車の腹を擦る心配が減らせると思います。
難易度
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

ヤブ山が多いと言われる南アルプス深南部の中でも、特にヤブが深いと言われる黒沢山。何年か前に日帰りで一度来たことがありますが、その時は経験者に連れていってもらったので、ルートファインディングも頼りっぱなしで、道もあまり把握できていませんでした。また、ヤブ漕ぎにかなり苦労したのを覚えています。
その時よりは自分も少々スキルアップしたのかなと思いつつ、今回は人を連れていく立場になったので、一泊二日でじっくりと時間をかけながら、再びこの山に挑戦することに。ただし、深南部エリアは人の手があまり入っておらず、山小屋はもちろん、人工物がほとんどない山が多いので、寝具や食料一式は自分たちで持っていく必要があります。黒沢山も例外に漏れず、泊まりで行くならテントは必携になります。
林道の広場から「栃生山(シャウヅ山)」の看板に導かれ、登山道に入りますが、ここからしばらくの間はモミジやカエデの大群落の中を歩くので、とても気持ちが良く、特に秋に来れば、燃えるような紅葉を楽しめると思います(シャウヅ山までの往復登山だけでも気持ちいいでしょう)。大群落を抜けてからもそれほど急登はなく、所々御嶽山や中央アルプス方面が臨める展望もあります。気持ちの良い笹原を登っていくとシャウヅ山山頂に着き、初日はここで幕営です。3~4張のテントを張ることが可能です。展望がきくのは西や南方面に限られますが、今回は天気に恵まれ、夜も星が綺麗だった上に、なんと浜松市街地方面の夜景を遠望することができました。ここまで深山に来ても、文明の明かりが見えたことに驚きですし、日帰り登山の時には気付けなかった貴重な体験でした。この時期、夜は結構冷えるので、フリースや薄手のダウンジャケットはあった方がいいでしょう。
二日目が本番となります。余分な荷物はテントに置いていき、サブザックで必要最低限のものを持っていくようにしましょう。前述したとおり、シャウヅ山と黒沢山をつなぐ尾根上は、猛烈なササの密集地です。背丈を越える高さのササが行く手を阻み、それらをかき分けながら進むことになります。まさにササの海を泳ぐような状態です。ササで目をやられないように、またササに隠れている倒木に足をぶつけてケガをしないように、注意が必要です。黒沢山本体の登りに取り付いてからもヤブ漕ぎは続き、最後まで体力を消耗させられます。山頂の方向こそおおよそ把握しているものの、途中、テープも踏み跡も見失い、道なき道の深いササの中をガサガサ、ウロウロすることも何度もありました。だからこそ、苦労して山頂に着いた時の嬉しさはひとしおです。登山道がよく整備された山では味わえないような達成感が待っていました。樹木に覆われ、山頂からの展望は決して良くありませんが、少し北側に下った所からは、同じく深南部の重鎮・中ノ尾根山が見え、その奥には聖岳や赤石岳なども見えます。それらの景色は、この山に登った充実感を、更に深めてくれるでしょう。
登山経験がある程度ある方には、ぜひオススメの山です。ただし、ルートファインディングが難しいので、必ず経験者に同行してもらうようにしましょう。日帰りも可能な山ですが、時間もかかる上に、結構ハードなので、できればテントを担ぎ、一泊二日で挑戦してみてほしいです。

フォトギャラリー

奈良代林道ゲートに車を停めて出発です。くねくね曲がる林道を突っ切るショートカットの登山道も所々にあるので、うまく組み合わせれば少し時間短縮になります。

林道を1時間も歩けば、開けた場所に着き、そこが登山口です。あとで判明しますが、これから目指すシャウヅ山を漢字で書くと、「栃生山」となるそうです。

気持ちの良い樹林帯の中を進みます。

モミジやカエデの大群落。秋に来れば、素晴らしい紅葉と出会えるでしょう。所々、踏み跡が薄いですが、シャウヅ山まではおおよそ道は明瞭です。

シャウヅ山への登りで振り返る。針葉樹林とササの群落になり、深南部らしい雰囲気になってきました。気持ちいい!天気にも恵まれました。

シャウヅ山山頂に到着。今夜はここに幕営します。テントも3~4張は張れるでしょう。西や南方面の展望はききます。

翌朝、荷物を軽くして出発。この看板で、「栃生山」が「シャウヅ山」と読むことが判明しました。

一旦下りながら尾根伝いに進むと、黒沢山が見えてきました。この辺りからクマザサが深くなってきます。

この写真はおちゃらけていますが、これ以上の太い倒木がそこら中にあり、乗り越えるのも一苦労です。

黒沢山への登り返し。この辺のササはあまり深くありませんが、急登とササの組み合わせは、足をとられて疲れます。

ホントにササが深い所では、ヤブ漕ぎに必死で、あまり写真を撮れませんでした。少しヤブが和らいだ所でパチリと1枚。それでもこれだけの深さがあります。

尾根が細くなり、ササの深さも和らいでくると、

黒沢山山頂に到着です。やりました!展望はあまりききませんが、北側に少し下ると、同じく深南部の重鎮・中ノ尾根山や、雪を被った聖岳などが見えました。

南方面を臨む。中央やや右の三角形の山が、300名山の黒法師岳。その右が本州最南端の2000m峰・バラ谷ノ頭。左端のピークが不動岳。どれも深南部のスターたちです。

これから戻るシャウヅ山方面。帰りは尾根北側の巻き道も使いつつ、時間短縮をしながら進みます。しかしながら、その巻き道も所々踏み跡がはっきりしません。

振り返って黒沢山。地味な山容ですが、堂々としています。もちろん、貴方もスター!

標高約1800mの最低鞍部。最初、ここに幕営する案もありましたが、実際に来てみると、記憶より平地が狭かったので、結果としてシャウヅ山に幕営して正解でした。

幕営地まで戻ってきました。この看板は「シャウゾ山」になっていますが、ここにあった別の看板や地形図では「シャウヅ山」という表記になっているので、後者が正しいかな?

テントを撤収し、心地よい稜線をのんびり下っていきます。

林の中に入ってくると、足元にはコバイケイソウの大群落もありました。このあと間もなく林道に出て、そこから約30分でゲートに戻れます。皆さん、お疲れ様でした!

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