厳冬の南八ヶ岳 (敗退記)
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2012年01月26日 (木)~2012年01月27日 (金)
- メンバー
- 天候
- 晴れ時々曇・時々吹雪
- コースタイム
- 一日目
11:30 バス停スタート
12:30 美濃戸山荘(北沢・南沢分岐)
14:50 赤岳鉱泉
二日目
6:50 テント発
8:10 赤岩の頭
9:00 硫黄岳山頂
10:30 赤岳鉱泉帰還
11:50 赤岳鉱泉発
13:00 美濃戸山荘
14:00 バス停着
- コース状況
- 赤岳鉱泉までは急な登りも無く、緩やかな雪道。
雪は降ったばかりのためか、トレースの上にうっすらと粉雪が積もっている状態。
赤岳鉱泉からの登りは、急な登りも出てくるため、アイゼン、ピッケル共に必須です。
最近の天候の不調からか、入山者も少なく、硫黄岳山頂直下の稜線にトレースはありませんでした。
また、トレースをつけても風、雪ともにやや強く、すぐに消えてしまっていました。
- 難易度
-
感想コメント
先日の雪山研修で遠くから眺めた赤岳のあまりの迫力に圧倒され、硫黄岳からの縦走を計画しました。
初めての単独での冬山、しかもテント泊とあって、準備からドキドキでした。
一日目(美濃戸口~赤岳鉱泉)
特に危険な箇所はありませんが、久しぶりの70リットルのザックがこたえました…
少しでも疲労をやわらげようと、ダブルストックをフル活用しました。
二日目(赤岳鉱泉~硫黄岳~下山)
初めての冬山での単独テント泊、寒さに凍えながら朝を向かえました。
テントの外をのぞいてみるとどんよりとした曇り空。
「いけるところまで行ってみよう。」と思い、アタックザックに荷物を詰め、ヘッドライトを灯しいざ出発。
まだ日も昇りきらない冬の山はとても静かで、入山者も少なく、ふみ後も不明瞭。
どことなく不安で寂しい雰囲気の中、一人もくもくと歩きます。
それにしても寒い。風こそ無いが、あたりは猛烈に寒かったのを覚えています。
どれだけ登って息を切らしても、全く体が暖まってきません。
下山後聞いた話では、僕がテント泊していた日の夜の最低気温は-20度まで下がっていたようです…
赤岩の頭まであと50mくらいというところから、全くトレースがなくなり、膝までのラッセルになりました。
この辺りまで来ると風も吹いてきて、更に体感温度としては下がります。
手足が凍えて痛んでくるのを感じました…
ようやく赤岩の頭の道標にたどり着いた頃には、あたりはすっかり風と雪の吹きすさぶ「ホワイトアウト状態」!
目指す硫黄岳の山頂はすぐそこに見えているはずなのに、まったくその方向すらわからない状態でした。
視界不良の中、おそるおそる先々週歩いた道を思い出しながら山頂ににじり寄っていきました。
体は吹雪によって猛烈に冷え、体力を奪っていきます。
「寒い…」
気が付くとあのケルンが目の前に見え、ほっと一安心。
そのままロボット計測小屋の脇ですわり、更に一安心。
けれど、「寒い…寒すぎる…」
予定ではここ硫黄岳から縦走が始まるはずでしたが、この視界不良のため、このまま下山することにしました。
樹林帯まで下ると風も弱まり、気分もようやく落ち着いてきます…
凍える寒さの中テントを撤収し、暖かい「街」に向けて出発します。
さようなら。赤岳。また来ます…
テント泊ということもあり、終止寒かったです。
けれど、都会では決して味わうことのできない激烈な寒さ、そしてあの景色はいい思い出です。
挑戦される方は、防寒対策を万全にして行ってくださいね。
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・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。