日高山脈最高峰 幌尻岳(敗退)

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投稿者
高野 優
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日程
2012年02月02日 (木)~2012年02月05日 (日)
メンバー
高野 ほか1名
天候
コースタイム
2月2日 林道終点(8:30)~カムイ岳北東尾根取り付き(9:00)~1450m付近プラトー(14:00)
2月3日 1450m(8:30)~主稜線(10:30)~カムイ岳~1753mピーク(12:30)~1670mのコル(13:40)
2月4日 1670m(6:30)~引き返す~1670m(7:30)
    1670m(8:30)~1790mピーク(9:30)
2月5日 1790m(10:30)~八ノ沢出合い(14:30)~林道終点(16:00)
コース状況
初めての山域のため例年と比較が出来ませんが、積雪は北アルプス北部など日本海側よりは当然少ないです。
吹き溜まりを除いて腰以上のラッセルは無く、印象として八ヶ岳や南アルプスに近い印象を受けましたが、吹き溜まり部分の積雪量、雪庇の大きさはこちらのほうがかなり大きく感じました。
そのため雪洞は比較的どこでも掘れます。
標高は低いですが、十分気温も低いです。
日高の稜線も北アルプス北部の稜線に引けをとらない寒さです。
高所帽やウールのグローブ、雪が乾燥しているので中綿の入ったミトングローブも活躍するかもしれません。
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感想コメント

北海道は日高山脈の最高峰、幌尻岳を目指しましたが、敗退してまいりました。
本州の山々に比べると、決して標高も高くなく、特別困難な箇所も無い山域ですが、
山の奥深さは随一で、どこまでも連なる純白の山々は穏やかな山容ながら息を呑むほどの美しさがありました。
簡単な記録を載せておきます。

2月2日
工事の為、びれい橋の先のダム(ゲートあり)まで入れてしまう。
約1日の林道歩きが一気に消化され、ラッキーでした。
林道ではスキーを使用する予定でしたが、取り付く尾根が近いので始めからスノーシューを履く。
小一時間でカムイ岳北東尾根取り付きへ。
尾根も特別急な箇所も無く美しい樹林帯をひたすら登り、予定通り1450m付近に幕営。

2月3日
特に困難な箇所も無く稜線に立つ。稜線は南からの風が強く戸蔦別川側に雪庇が発達している。
雪面がクラストしていたため一度アイゼンに履き替えるも、ブレイカブルクラスト、しかもその下がハイ松で全く進まない。すぐさまスノーシューに履き替えた。(以後下山までスノーシュー)
1764mピークの北側の主稜線(カムイ岳側)はやや細いためトップは少し怖い。
先の状況が分からなかったため1764mピーク手前の1670mのコルで雪洞を掘る。
夜は話し合いの結果、翌日ここから幌尻岳へのアタックを試みることにする。

2月4日
朝起きると雪洞の入り口が1mほどの厚みの雪で塞がっていた。
予想に反して風が強く、アタックをあきらめる。
この状況での長時間の稜線歩きは危険なので、エスケープルートとして考えていた八ノ沢出合いから延びる尾根に合流する1790mピーク(やや北東に下った場所)に雪洞を移す。

2月5日
天気図、予報から絶好のアタック日和と意気込むも、風が強く行動不能。
雲は薄く時折青空が望める。
完全装備でスタンバイしたまま、雪洞で待機するも一向に収まらない。
10時にアタックをあきらめる。
明日からまた天候が崩れるとのことでそのまま下山。
下降した尾根は東側に雪庇が発達していて注意が必要なものの特別困難な箇所は無かった。


雪洞は、閉所恐怖症の方にはオススメできませんが、テントよりも暖かく風の影響が少ないので、日高では極めて有効的だと思います。
積極的な利用をオススメします。
稜線は風が吹くと一気に体温を奪われます。
アタック日は5分と稜線には立っていられませんでした。
私の信頼するウールのグローブとオーバーミトンを使用していましたが、みるみる体温が奪われるのを実感しました。
雪が乾燥していますし、困難箇所も無いので中綿の入ったミトングローブや暖かい高所帽なども活躍するかもしれません。
万全な体制で臨んでください。

今回のパートーナーは北海道に住む大学の同期でした。
年を重ねても昔のように変わらない気持ちで共に山に行ける仲間がいるというのはやはり素晴らしいものだなと感じました。

フォトギャラリー

入山日。スノーシューで林道を歩く。

快晴の中、白樺の樹林帯を登る。雪はもちろんパウダー。

1450mの幕営地。

幕営地から正面に札内岳を望む。

2日目、主稜線へ。

立派な1753mのピーク

雪洞にて。快適でした。

雪洞。

3日目、1670mからのやや細い稜線。

4日目、アタック準備万端で風が止むのを待つ。足が寒かった・・・。

主稜線。風は収まらず敗退を決める。

下手に動くと転びます。

お手上げでした。

下山途中、振り返る。斜面では幾つか雪崩の後が見られました。

標高を下げるとやや風は収まりますが、それでも強いです。

雪庇に注意が必要です。

尾根の取り付きにて。写真にはありませんが大きな岩が目印です。

戸蔦別川に降り立つ。

お疲れ様でした。ありがとう。

豚丼。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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