北アルプス・前穂高岳北尾根~明神岳南西尾根下降
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2014年03月03日 (月)~2014年03月07日 (金)
- メンバー
- 天候
- 3日:晴れ 4日:晴れ 5日:大雪 6日:暴風雪 7日:暴風雪
- コースタイム
- 3月3日
釜トンネル(90)上高地(120)徳沢(300)2140m地点
3月4日
2140m地点(200)北尾根8峰(540)3・4のコル
3月5日
停滞
3月6日
3・4のコル(360)前穂高岳(150)奥明神沢のコル
3月7日
奥明神沢のコル(360)明神岳Ⅴ峰(230)上高地(90)釜トンネル
- コース状況
- 釜トンネル~新村橋までは、歩きやすいトレースあり。
- 難易度
感想コメント
<3月3日 晴れ>
釜トンネルから歩いて上高地入り。徳沢まではトレースがあった。
慶応尾根の傾斜が緩やかな場所でテント泊。
<3月4日 晴れ>
慶応尾根を登って、前穂高岳北尾根の8峰に抜けて、ここからクランポン装着。
天気は快晴。気持ちよく前穂北尾根を登る。
3・4のコルに着いたのは、19時を過ぎていた。
<3月5日 大雪>
夜半から降り始めた雪は、いつしか大雪になっていた。
交代でテントの除雪を行う。
寝て、除雪して、行動食をかじって、また寝る。
こんなサイクルを繰り返しながら、1日を過ごした。
暇つぶしにトランプを持ってくれば良かったと少し後悔・・・
<3月6日 暴風雪一時晴れ>
朝から暴風雪。登攀するには、あまりよろしくない状態だが、登るしかない。
小山田さんが「リードは任せるよ」と言ってくれた。
1ピッチ目はほとんど残置が埋まっていた。
2ピッチ目は、凹角に詰まった雪壁にラインを取る。
最初はクランポンのフロントポイントとアックスの刃が
気持ちよく効く硬い雪質だったが、次第に柔らかい新雪に変わってしまった。
ヤバいと思い、どこかにピトンが打てる場所がないか探すが見つからない。
最後のピトンに支点を取ってから10m程。落ちれば確実に20mは吹っ飛ぶ。
たぶん3峰涸沢側に放り出されてしまうだろう。絶対に落ちられない。
「落ち着け、落ち着け」と呟き、慎重に緩傾斜帯まで登った。
2峰で懸垂下降して、前穂山頂へ。
ここから明神岳へ縦走する。奥明神沢のコルでテントを張った。
低気圧と寒冷前線の影響で、猛烈に風が強く、寒い。
強風でテントのフレームが折れないか心配だった。
<3月7日 暴風雪一時晴れ>
明け方、テントから顔を出してみたが、天気は相変わらず変わらない。
メチャクチャな天気だ。
今日は何としてでも下山しなければならない。
明神岳主峰手前と2峰でロープを出して、13時過ぎには明神岳Ⅴ峰に到着。
明神岳Ⅴ峰からは南西尾根を下降。
岳沢登山口、上高地バスターミナルを過ぎ、釜トンネルの出口に着いたのは19時20分を過ぎていた。
これでもう、食料や燃料、明日の天候のことなど、もう何も心配することはない。
仲間と握手を交わす。最高の山行だった。
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