忍びの道を歩く 霧山 / 氷上

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投稿者
上田 哲也
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日程
2018年10月02日 (火)~2018年10月02日 (火)
メンバー
グランフロント大阪店:上田
天候
晴れ
コースタイム
バス停・氷上~5分~二宮神社~60分~霧山(371.5m)~50分~大岩~30分~波多野神社~15分~バス停・氷上
コース状況
霧山への登山道は踏み跡が消えつつあり、非常に分かりにくいです。
霧山から天王坂方面へは激しい急斜面の下り道があり、足元に注意が必要です。

水場:なし
WC:なし
難易度
Google Map
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感想コメント

兵庫県丹波市氷上町にある霧山に行ってみました。

戦国時代、霧山には西波多野大将軍家と呼ばれた丹波国の武将・波多野宗長の居城であった氷上城(霧山城)が築かれていたと言われています。しかし「丹波誌」に「東西三十間(54メートル)、南北十間(18メートル)」と記されたような城郭遺構がほとんど見つかっていない為、「幻の氷上城」と呼ばれています。

波多野家の旧臣の子孫が書き残したという「籾井家日記」では、織田信長の命令による明智光秀の「丹波攻め」の際、戦の始まる前から忍びを信長の居城があった安土に潜入させたり、諸国の武将らと反信長同盟を築いたりした智将として波多野宗長を記していますが、宗長に関する資料は少なく菩提寺も見つかっていない為、謎の多い人物となっています。

「籾井家日記」には波多野家の軍法として「忍ビノ巧者ヲ入レテ敵方ノ腹ノ内ヲ分明ニサグリ知ツテ、武畧ヲ當ラルヽヲ肝要ト申候…」(忍術が巧みな者を入れ敵の内情を探り知り、計略を行う事が最も重要である…)とあり、宗長が各地に忍者を送り込んでいた様子が記されています。丹波には村雲流という忍びの流派があったとされ、戦国期に波多野家に仕えた村雲流の忍者は波多野流と呼ばれるようになったそうです。

天正七年(1579)五月、丹波攻めにより各地の城が落ちる中、宗長の人柄を惜しんだ織田勢は使者を送り投降を呼びかけさえしたそうですが、5ヶ月に及ぶ籠城戦の末に食料が尽きた氷上城は内側から火を放たれ、城主の宗長は自害。翌月には同族である波多野秀治の居城であった篠山の八上城も落城して波多野家は滅亡。その後、波多野家に仕えていた丹波忍者らの中には豊臣秀吉や大阪の納屋衆、切支丹に仕えた者もいたと言われています…。

バス停・氷上を出発して、まずは二宮神社へ参拝。神社の裏にある獣避けの柵を越え、左手方向に進んで行くと登山道の痕跡を発見。近年はあまり人が入っていないのか踏み跡が薄くなっており、結構歩きにくい。しばらく進んで行くと大きな岩のある所に到着。ここは樹木に妨げられて視界が悪いので、岩の下側から回り込んでもう少し先まで行くと、明治山と弘浪山を見渡せる絶景ポイントに出ます。

岩場を越すと傾斜が緩くなり、氷上城の西出郭らしき所へ到着。自然の岩など地形を利用したと思われますが、人工的な石積みや堀切なども見当たらず。そのまま尾根道を進んで行くと足場の悪い急斜面になり、霧山の山頂に到着。三角点あり、展望は南方面に少しだけあり。気温22度。この辺りが主郭であったと言われており、輪郭を人工的に削った感じがありますが、他に城跡の痕跡は発見できず…。

山頂を後にして稜線に向けて進んで行くと天王坂への分岐に到着。ここから先の急斜面の下りは結構ヒザに堪えました。少し登り返して2級基準点のあるピークに到着すると、少し手前から西尾根を下って大岩の方向へ。この辺りも結構急な下り斜面あり。大岩からは甲賀山や弘浪山が望めます。そのまま下って、波多野氏が居住したといわれる氷上館跡へ。

氷上館は平常時には城主が寝起きした場所とされ、軍事や政治などの事案は城に登って協議したと言われています。館跡に建てられた波多野神社には、石の鳥居や宗長の父・波多野宗高の追慕碑、宗高首塚、贈従三位波多野宗高碑など後世に建てられた史跡があります。周辺には武者屋敷など城にちなんだ地名が幾つか残っていたといい、やはり氷上城は霧山にあったのかもしれません…。

フォトギャラリー

明治山と弘浪山

早朝の霧山

二宮神社

経塚

霧山登山口

踏み跡が薄い…

岩場

ここは視界が狭い!

こっちは展望最高!

自然地形を生かした氷上城

西出郭の辺り

自然地形を生かした氷上城

霧山の山頂からの眺め

霧山の山頂

主郭の辺り

大岩

甲賀山と弘浪山

山道

贈従三位波多野宗高碑

波多野神社

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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