2012年1月 北沢峠から栗沢山 (南アルプス早川尾根)

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投稿者
伊藤 岳彦
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日程
2012年01月11日 (水)~2012年01月13日 (金)
メンバー
単独行
天候
快晴
コースタイム
【1日目】 戸台(12:15)-北沢峠(17:45)
【2日目】 北沢峠(9:00)-仙水峠(10:15)-栗沢山(12:00/13:30)-北沢峠(15:00)
【3日目】 北沢峠(8:00)-戸台(12:00)
コース状況
南アルプス北部は雪の少ない状態が続いています。
雪道らしくなるのは八丁坂より上からでした。
栗沢山周辺も深い雪はなく、ワカンも不要でした。
北沢峠周辺の坂道は随所で凍結しています。転倒にご注意下さい。
流水があるのは北沢駒仙小屋前のみでした。
難易度
Google Map

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感想コメント

2012年1月より、藤沢プラザ店から新宿東口店に異動になりました。
湘南の爽やかな海風が恋しいと思ったのも束の間、人間の適応力とは凄いもので、短期間のうちに新宿東口を埋め尽くす巨大な人の群れに、違和感なく自分を埋没させることができるようになりました。
そのような日常も勿論これからの自分の重要な一部ではありますが、厖大な人の流れのなかでふと歩みを止め、遠い空を見上げたとき、冬の大自然に独り自分を埋没させてみたいという欲求が今まで以上に強まってしまったのは何故なのでしょうか?

1月の南アルプス早川尾根栗沢山に登ってきました。
この1カ月を振り返ると、異動に伴う様々なことに忙殺され、何となく自分の感情を消化できていないモヤモヤ感があったので、山でゆっくり自分を見つめ直すつもりでした。
粉雪舞い寂寥感溢れる戸台川の荒野を越え、逆光のなか烈風ふきすさぶ斜面を登り、辿り着いた山頂で何物にも勝る巨大さで立ちはだかる甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、そして北岳。
南アルプスの名だたる峰々と対峙するなかで感じたことは、今まで数え切れないほど幾多の山々に残してきた自分の足跡があるからこそ、現在こうして独りでも大過なく冬の頂に立てるということ。
言い換えれば、過去の自分があるから現在の自分がいるという当たり前の事実でした。
人は時に現状に甘んじ諦めをもってその状況を受け入れてしまうことがありますが、過去から学び現在をよりよい方向へと辛抱強く変えていこうとする意志を持ち続けることがやはり重要だと感じました。
そうした意志を捨て、刹那的に生きてしまうことは、きっと今まで登ってきた山々に対しても、とても失礼なことになってしまうのではないか、そんな気がします。

やっぱり冬の南アルプスはいいですね。
モヤモヤ感が吹き飛び、いい意味で自分の感情を消化できたように思えます。
山はいつだって大事なことを私たちに教えてくれます。

【ルート案内】
栗沢山は、早川尾根西端に位置する標高2,714mの山で、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳といった南アルプス北部の山々を一望することができるロケーション抜群の頂です。
冬期に訪れる者は極めて少なく、とても静かな雪山を堪能できます。
ルートとしては時計回りの周回コースがおすすめです。仙水峠より圧巻の甲斐駒ケ岳を背に登り、山頂で初めて北岳の雄姿を拝み、仙丈ヶ岳を正面に見据えながら陽光豊かな気持ちのよい樹林帯を下ることができます。
時間的に物足りない方はアサヨ峰まで足を伸ばし、北岳をより間近に望むのもよいでしょう。
危険個所もなく、時間的に余裕ももてるので、冬の南アルプス入門コースとしてもっと雪山初心者の方に登られてもよいような気がします。
気分的にガツガツ登るより、山でゆっくり過ごしたいときにはもってこいの山ではないでしょうか?

フォトギャラリー

圧巻の甲斐駒ケ岳

仙水峠を目指します

仙水峠より仙丈ヶ岳

仙水峠より仰ぎ見る甲斐駒ケ岳

雪は膝下くらいまででした

逆光のなか山頂を目指します

登路を振り返る

栗沢山山頂にて

甲斐駒ケ岳アップ

北岳の雄姿

雄大な仙丈ヶ岳

早川尾根の盟主アサヨ峰

遠く槍穂を望む

鋸岳のかなたに後立山連峰

甲府盆地を見下ろす

仙丈ヶ岳を正面に見ながら下山します

陽光射す明るい樹林帯

北沢駒仙小屋に戻ってきました

貴重な流水

帰途戸台川の荒野を振り返る

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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