宝剣岳ミックスクライミング 天狗尾根&中央ルンゼ(中央稜敗退)
- 投稿者
-
サイド 真博
名古屋栄店
- 日程
- 2021年03月17日 (水)~2021年03月18日 (木)
- メンバー
- 春日井店 サイド
他1名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- コース状況
- 主稜線は高気圧に覆われた日でも風が強いことが多い。
宝剣岳東面は風下側で雪が吹き溜まりやすく、日射の影響も受けるので雪崩には細心の注意を払いたい。千畳敷カールも同様。
- 難易度
感想コメント
1月に行った第二尾根でのクライミングが楽しかったので、今シーズン2回目の宝剣岳へ行ってきました。
初日は宝剣山頂隣の顕著な岩峰、天狗岩を西面から登る天狗尾根学芸大ルートへ。
宝剣山荘裏からA沢を降り、尾根側面の適当なところから取り付きます。
1P目 リード
尾根側面の岩を超え、雪稜を登る。
2P目 フォロー
天狗岩の基部まで40m
3P目 5.9 リード
本日のハイライト。
凍り付いて威圧感のある、5.9のグレードが付いたワイドクラックを登ります。
節理が多いのでプロテクションは安定して取れました。
中間部のチムニーサイズから狭くなっていくところからが核心。
左壁のベルグラを叩き割りまくってホールドを掘り起し気合一発、クラック内を微妙なフッキングで体を上げ、上部クラックにデッドでジャミングを決めて叫びながら突破しました。
その後も奮闘は続き、登り切ってテラスに立った時の達成感は半端なく、おもわずガッツポーズで「っしゃー!!」と叫んでしまいました
一か所、バランス悪くて思わず残置ハーケンの頭を踏んでしまったので完全なフリーではありませんが、ノーフォールで登り切れた会心のクライミングでした。
カム(0.75)がフォローが登る際にロープで押されてクラックの奥に入って回収不能になってしまったのは残念でしたが...笑
4P目 フォロー
クライムダウンしてから山頂方面へ。
1.5ピッチで主稜線にでて終了。
2日目は中央稜を登ろうという事で宝剣岳東面へ。
朝日を浴びて輝く東面に期待を寄せながらアプローチ。
慎重にトラバースをこなして取り付きへ。
中央稜1P目 5.7 リード
「冬期クライミング」には「安定したプロテクションに守られた5.7程度のテクニカルなクライミングが楽しめる」と書いてあるピッチ。
壁のコンディションはドライですが、見る限りどこを登っても悪そう...
比較的登りやすそうなところを雪面から2、3m登ったところで、アックスが抜けてフォール! 頭を下にして5mほど落ち、スノボの逆エッジみたいな感じで背面から雪面に落ちましたが、なんとか無傷で済みました。 浅いクラックに微妙な感じで決めてたキャメロット4番が効いてくれてよかった...
(次の日、若干首が痛かったです...)
気を取り直して残置スリングのある左側のラインから登りましたが、弱気になっていたのでしょう、恐らく皆がエイドで超える部分がどうしてもフリーで越えられなかったので、パートナーの提案で隣の中央ルンゼに転進しました。
少しクライムダウンして左上、ピナクルを支点にピッチを切り、回収できなかったプロテクションをフォロワーに回収してもらいました。
2P目 フォロー
大洞穴めがけて基部をひたすら左上。40mほど。
3P目 リード
岩・草付き・氷の浅いルンゼを50m。
浮いた氷を叩き落とし、草付きにアックスを決め、ベルグラ(薄い氷)が剥がれない事を祈りながらじわじわ登るジャパニーズアルパインなピッチでした。
念の為1本だけ持ってきた10cmスクリューの他、残置ハーケンや露岩にプロテクションを取りながら稜線直下まで。
技術的な難易度はそこまで高くないのですが、先ほどのフォールですっかり守りモードになってしまったので登るのに時間がかかってしまいました。
4P目 フォロー
山頂へのウイニングロード。
敗退こそしたものの、転進して山頂に立つことが出来て満足でした。
前回同様、頑張れば10時55分のロープウェイに間に合う事がわかり、千畳敷カールを駆け下ったのでした。
中央稜は残念ながら敗退してしまいましたが、折角登るならフリーで登りたいので、もっとミックスやドライのトレーニングを積んでからまたリベンジしたいと思います。
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