外岩再開は三ツ峠から 屏風岩・中央カンテ
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2024年06月19日 (水)~2024年06月19日 (水)
- メンバー
- 山の先輩
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 裏登山口(70分)三ツ峠山荘(15分)屏風岩(25分)三ツ峠山荘(60分)登山口
- コース状況
- ・登山口と山荘裏にトイレあり。山荘裏は協力金200円が必要です。
・中央カンテは4ピッチ。ダブルだとスタックしやすいので今回はシングルで。50mロープ1本で懸垂は4回しました。
・3P目のクラックで#3カムを一回使用。ハーケンもいくつか打ってあります。
・4P目は始め左上後、ハンガーに沿って直上するか左に少しトラバースして終了点。直上は高さがあったので左から行きました。
・終了点の右に下降点2つあります。左のものはカラビナが開くので右を使いました。こちらの方がテラスに向かって降りれます。
・食べ物はカラスに狙われるので注意。ジッパーは開けられてしまうので、ザックの雨蓋ではなく奥に入れてバックルもきちんと締めてください。
- 難易度
感想コメント
2年ぶりに三ツ峠の中央カンテを登りました。言わずと知れた初級の人気ルートです。2Pと4Pは前回登ったので、今回は未経験の1Pと3Pを担当。中央カンテの核心といわれる、プチクラックの3P目を登るのは外岩久々なだけにかなり緊張しました。
アクセスは裏登山口から、ジグザグの登山道を歩いて体の緊張をほぐします。三ツ峠山荘前で富士山を拝んだら、対岸の屏風岩へ。前日大雨だったので雨水が染み出している箇所もありました。
中央カンテを通り過ぎたら、岩の感触を掴むためにまずはルートを何本か登って慣らします。いつも登っていた一般ルートですが外岩の感覚はやはりジムとは大違いで、安定したスタンスやガバでも緊張してしまいなかなか先へ進めません。この日も何人ものハイカーが下の登山道を通っていましたが、いつまでも岩の上でフリーズしている私を見て呆れていたことでしょう。
数本登って支点構築や懸垂下降の手順を復習したら、いよいよ中央カンテへ。一般ルートでは後から来た自衛隊の方々が練習し始めたのでちょうど良かったです。彼らはヌンチャクや下降器は至急されてもクライミングシューズは無く、なんとブーツで登っていました。逞し過ぎます。
外岩はおろかマルチは怪我をしてから登っていないので、難しいピッチはお願いするか、オールフォローで尺取虫にしてもらうつもりでしたが、何故か3P目をやることになりました。奇数担当なのでスタートも私。最も簡単なはずの階段状の1P目も、久々の緊張で時間がかかりました。
必要以上に中間を取って2P目の広いバンドへ。頑丈な支点で確保したらフォローを引き上げます。屈曲していないのでセカンドの引き上げも重くないはずなのに、力が入り過ぎて腕がパンプしそうでした。
ビレイで休憩しつつ2P目を見守ります。私より遥かに早いタイミングでコールが届きました。こちらもほぼ階段状、フォローなので安心して登り狭いテラスで一息入れたらいよいよ3P目です。ルートはほぼ直上、迷うことはないですが果たして越えられるか。カム始めアルヌン一式をもらい受け、オブザベしながら息を整えます。私のオブザベは見当違いが多いので、大まかな目処がついたらとりあえず離陸しました。
右のカンテが持ちやすくそのまま右に行きそうになりましたが、忠告通り左に戻りクラックに沿って上がります。中間を2つほど取った後にカムを設置、そのままA0で登りました。できれはA0はしたくなかったですが、もう抜けられれば何でもありです。ジャミングもどきで両手足を駆使して必死に抜けるとゴールが見えました。引き上げながら突破した喜びを静かに噛みしめます。フォローの先輩が上がってきてグータッチ。この喜びを分かち合う瞬間こそクライミングの醍醐味だと思います。
最終4P目は、始め左上するクラックをレイバック気味に登ります。最後はボルト沿いに上がるのだと思いますが、躊躇う高さで先輩も左にトラバースしていました。前回私も通ったルートですが、やはり上ではなく今回も左に抜けました。下は崖ですがすぐ先に安定したスタンスがあります。左に振られないよう慎重に進みました。ここはリードだとかなり緊張します。3P目だけでなく4P目も核心といえるでしょう。
前回はダブルロープで一気に降りた気がしますが、今回はシングル1本なので下降は全部で4回。回数は増えますが、スタックすることなく下まで行けるので安心です。
下に置いていたザックもカラスに狙われず無事でした。前回は無惨に食べ散らかされていただけに、ザックの口はしっかり閉じておきました。
登攀中はガスっていましたが、見上げた先には富士山が顔を出していました。終わってみるととても充実した一日でした。手順のスピードアップ、判断力、そして登攀力。足りないところばかりですが、やっとスタート地点に戻ってきました。焦らず急がず、着実にステップアップしていきたいと思います。
【着用ウエア】
○この時期ブヨが出ると聞いていたので、フォックスファイヤーのスコーロン素材のベースレイヤーを着ました。そのおかげか虫には刺されませんでした。
○インナーにはファイントラックのドライレイヤークールを使用。
○ザック/ミレーのプロライター38+10
○ハーネス/マムートのトリガー2.0 ギアループの絶妙な位置が気に入っています。
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。