青森ダブル百名山☆NO.1 八甲田山☆
- 投稿者
- 好日山荘スタッフ
- 日程
- 2013年09月19日 (木)~2013年09月19日 (木)
- メンバー
- 天候
- ☀
- コースタイム
- 薬師神社(100分)→仙人岱避難小屋(50分)→大岳(20分)→大岳避難小屋(40分)→毛無岱(120分)→酸ヶ湯温泉(5分)→薬師神社
- コース状況
- 薬師神社から仙人岱避難小屋までは沢沿いの樹林帯を歩きますが、粘土質のぬかるみが多い為、ゲイターの着用をおすすめします。また、毛無岱へと降りる木の階段は急勾配で滑りやすいので要注意して下さい。
- 難易度
感想コメント
「上野発の夜行列車降りた時から~♪」
はい、やって来ました
本州最北端の県、青森に!
正しくは上野ではなく、宇都宮インター発なんですが
深夜の高速を相棒(車)と共に走る事およそ8時間
嗚呼、東北ラブの私とはいえ、片道600キロはさすがに遠かった…
酸ヶ湯温泉の側にある駐車場に着いたのは早朝5時前
朝焼けでピンク色に染まる八甲田山を望みながら、仮眠を取る間も無くモソモソと準備を始める
この日の気温、まだ9月だと言うのに7度!
さすがは青森、ある程度寒いだろうとは予測していたがここまでとは…(--;)
そしてこの時、私は大きな失敗をおかしていた
高速を降りてから現地で朝食を調達するつもりだったが、酸ヶ湯に到着するまでの間、コンビニが一軒もなかったのだ!
インターから30キロもあればどこかしらあるだろうと思っていたのが間違いだった…
仕方なく、簡単な行動食やスープで胃を温める
しかしこれが、この後の悲劇の序章に過ぎないとは、この時は知る余地もなかった…
6時
少し日が昇って来た所で登山スタート
薬師神社でお参りを済ませ、展望の無い樹林帯をひたすら黙々と登って行く
沢の水がチョロチョロと流れ出す登山道は、グチャグチャの粘土質でぬかるみが酷い
しまったな~、先にゲイターをつけておくべきだったなぁー
そうは思っても、このぬかるみの中今更ザックを下してつける気にはなれない
転ばない様に気を付けよう
そう思いながらゆっくりゆっくりと歩みを進めて行く
しかし、先程から気になる事が
誰もいないはずの森の中
それなのに、【誰か】の気配がするのだ
人がお喋りしてる…?何度となく足を止める
けれど、足を止めた途端にその気配はなくなる
まさか…八甲田山と言えば、あの『雪中行軍遭難事件』があった場所
その場所から離れてるとはいえ、もしかして…!?
そう思いブルっと身震いをした瞬間
カチャン!!
背中のザックで何かが動いた
ひえ~!で、出たぁ~!!∑(○□○;)
…と、思ったら、自分でカラビナに外付けしたマグカップであった(爆)
ぅおおお~い!と、思わず一人でノリ突っ込み(`Д´;)/ピシッ!!
それからも何者かの影に怯えながらも気にしないフリをしてヒッソリと登って行く(-人-)ニンニン
ある程度登った所でようやく暗い樹林帯を抜け、展望が開けるとテンションも上がって来た
行先にはなかなかの斜度のガレ場が見える
よぉーし!やったるで~(`▽´)/ニンニン!
そう意気込んで大きな岩岩をクライミングちっくに登って行く
こいつぁ~なかなかな登りだじぇい!(`▽´;)/ニ、ニンニン!
そうしてある程度登った所で、ふとおかしな事に気づいた
あ、あれ?こっちじゃない?
徐々に足場らしい所はなくなり、代わりに右側に沢筋の様な道らしい所がある
しまった~!隣だったかぁ~!
私の技術では降りられなさそうな高さまで来てしまった為、元来た道をおっかなびっくり引き返す
気持ちを改めて再スタート!
チョロチョロと水が流れる石灰で出来た様な岩肌は手や足をかけるとズリっと滑りそうになり、一段一段の幅も大きい
こ、これは一般の登山者にはなかなかハードな道なんじゃ…(-O-;)ハァハァ
そう思いながらもなんとかヒィコラ登って行く
だがしかし!ある程度登った所で、再び登山道らしきものを見失ってしまった
ん、んん!?
ここは何処…?そして私は誰…?(TT;)がぁ~ん
途方に暮れ、その場に立ち尽くす私。【道迷い】そして【遭難】の言葉が頭の中をグルグルと駆け巡る
落ち着け、落ち着くんだ自分!他に分岐ポイントはなかったのか!?
少し高い所まで登ってみると「あっ!」
沢を挟んで反対側に正規ルートを発見!!
て事は、そもそも登り返した所も間違えてたんだ(--;)ちーん
登りが大変だっただけに、下りはもっと大変
とにかく、滑りやすい上に崩れやすい足元を踏ん張るのに精いっぱい
両手を壁につっぱりながら、お尻をズリズリ引きづりながら、情けない恰好で、どうか誰にも見られません様にと願いながら下りる
下り終わった後、元来た道を戻るとあっさりと分岐点を発見
上ばかり見ていて看板の矢印を完全に見落としていた
気持ちばかり先走って周りを見なかったり注意を怠ってしまうとこういう事になるのですね
仕事や人生に置いても同じだなぁー(--)シュン↓
正規ルートに戻った所で、ようやく緊張感から解放された
真っ白になってしまったお尻の汚れを払い、ドロドロになってしまった登山靴をションボリしながら沢の水で洗い流していると
後から年配の男性の登山者が上がって来た
この日初めて会う本物の人、思わず胸をほっと撫で下ろす
男性に先に道を譲り、その人とつかず離れずのペースで歩いた
すると今度は木道が現れ、その先に大きな山が現れた
「おおお~!あれに登るのかぁ~!!(◎O◎)」
足を止め写真を撮っていると、その男性も足を止め腰に手を当て山を煽っていた
目があったのでお互いに挨拶を交わしたのと、先ほどの道迷いから人恋しくなっていた私は満面の笑みで男性に話しかけた
「あれが大岳ですね!?」
「違うよ、大岳はあっちだよ」
と、間髪入れずに男性は全く別方向を指差すと、その先にはデカデカともっと大きな山が
ガァ~ン…(ーOー;)自信満々に言ってしまっただけにかなり恥ずかしい(汗)
それからその男性と少しお話しながら歩いた
その方は地元の方でこの日の前日も登りに来ていたそう
「ここから大岳までまだ結構ありそうですね」
「そんな事ないよ、あと30分位でさくっと行けちゃうよ!大岳を経て井戸岳や赤倉岳を廻るのもいいよ、是非行ってみなさい♪私は今日はこれから高田大岳へ行って来るから」
そっかー、おじさん別の山に行っちゃうのかー(´・ω・`)シュン
なんとなく寂しい気持ちになりつつも、アドバイスをくれた男性にお礼を言って別れを告げ、大岳山頂へと向かった
大岳への登りは強い風が吹き抜けていた
帽子が飛ばされそうになるのを手で押さえながら、ナナカマドの赤い実が揺れる斜面を一歩一歩登って行く
見えた、あそこが山頂だ!!
ラストスパート、気が付いたら走り出していた
八甲田山、大岳登頂!!!!
平らで広い頂上からは、360度ぐるりと見渡せる大展望!
少々ガスが広がり始めていたが、それでも文句なしの青空、そして今まで見た事のない景色が広がっていた
あ、あれは!?
街並みの向こうに広がっていたのは日本海に太平洋…下北半島にその先は…
方位盤で確認してみた
間違いない!北海道だ!
初めて見る北海道…その景色に、感無量。
あまりにも近くに見える為「このまま飛んで行けるんじゃないかな?」と思う程
そして、ここに来たら一度はやってみたいと思っていた事があった
私は、周りに人がいないのを確認して、小さく深呼吸した
「北海道は、でっかいど~~~!!!」
笑。て、ここは青森なんですけどね!?
頂上の景色を十分に満喫し、避難小屋の方へと歩き始めた
…と、ここで違和感が
左膝の…裏側の筋が痛い(´Д`;)
始めは、気にする程度のものではないだろうと思った
けれど、下れば下る程、その痛みは増して行く
避難小屋に到着した時点で、左足はだいぶ疲労していた
これではアドバイスを貰った山の方までは歩いて行けそうにもない(;;)
残念だけれど、このまま酸ヶ湯まで下りよう
避難小屋から毛無岱への道は、それはそれはもう、本当に素晴らしかった
上毛無岱から下毛無岱への木の階段は、思わずちびってしまいそうな程の急勾配!絶対に登りには使いたくない程の傾斜だ
けれど、その眼下に広がる湿原の美しさと言ったら…溜め息が出る
天空から降り立つ鷹やトンビが見る景色とはこんな感じなのかな
しかし相変わらずの足の痛み
階段を降り切る頃には、すっかり疲労困ぱいといった状態
池塘の広がる湿原に木で出来たベンチを見つけた私は、ザックを投げ出し、そこに寝転んだ
青空の真下
サワサワとそよぐ黄金に光る湿原の植物達の囁きが心地良い
頭上を流れる雲を眺めていた
この年になって、普段の日常でこんなに雲を眺める事があっただろうか?
その形は、出逢う度に様々な形に変化して行く
ハートになってみたり、四葉のクローバーになってみたり…人の出逢いと一緒かな
あ!あれはアジのひらきかな?うーん、ビールが飲みたいな(笑)
そんな事を考えているうちに、いつしか転寝をしてしまった私
ふと、遠くからラジオの音が聴こえてきて目を覚ますと
「あれ!赤倉岳は行って来たかい?」
なんと、さっきの男性が!思わぬ所での再会となりました(^皿^)☆
たっぷりと休憩を取った所で、最後の下り
相変わらず足は痛いけど、遠くに見える日本海と次の日登る予定の岩木山が
「頑張れよ、早くこっちにおいでよ」
と呼んでくれている気がする(イタい子ではありません)
ストックでかばいながらなんとか下山!
睡眠不足だったり、きちんと食事を取らなかったり、分岐を確認し忘れたり…
事前の準備や注意を怠ったが為に、八甲田山からお仕置きを受けてしまった様な気がします(><)
だけど、本当に素晴らしいお山だった☆★
下山後は酸ヶ湯のアツアツのお風呂で疲れを癒し、その日の夜は仲秋の名月に酔いしれる間もなく夢の世界に入って行くのでした~(--)zzz
フォトギャラリー
・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。