徳ちゃんに会ってきました♪初冬の甲武信ヶ岳
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2018年11月19日 (月)~2018年11月20日 (火)
- メンバー
- 単独
- 天候
- 1日目 曇/ 2日目 晴
- コースタイム
- 【1日目】西沢渓谷駐車場(20分)近丸新道登山口(40分)渡渉点(75分)新道分岐(110分)木賊山(10分)甲武信小屋(20分)甲武信ヶ岳(20分)千曲川水源(30分)甲武信ヶ岳(10分)甲武信小屋
【2日目】甲武信小屋(40分)三宝山(30分)甲武信小屋(20分)巻道分岐(65分)新道分岐(60分)徳ちゃん新道登山口(60分)七ツ釜五段の滝(40分)大展望台(60分)西沢渓谷駐車場
- コース状況
- ・駐車場からトイレまで約20分歩くので、手前の道の駅みとみを利用すると良いです。無料駐車場は30台ほど停められます。
・近丸新道は渡渉、崖、不明瞭な箇所あり、安全に行くなら徳ちゃん新道がおすすめです。序盤の細いへつり道は落ち葉で覆われ滑落の危険があります。
・甲武信小屋は11月末まで営業。幕営料1000円、水は1L50円で玄関横にあります。
・雪が降ったので地面が凍り、ペグを引き抜くのに苦労しました。引っ張りやすいフック部の深いタイプや穴が空いているタイプのペグを持参してください。ハイドレーション、水筒も凍結しました。
・西沢渓谷は滑り易くアップダウンも多いので、軽装で入山すると非常に危険です。スニーカー厳禁、冷えるので防寒対策もしっかりと。
- 難易度
感想コメント
小屋の営業終了前にずっと行きたかった甲武信ヶ岳へ登ってきました。一番のお目当ては信濃川(千曲川)の水源、故郷の大河の始まりを見ること。北側の毛木平から入る選択肢もありますが、西沢渓谷にも寄りたかったので南側から入山、近丸から登って徳ちゃんから降りる欲張りコースにしました。
今回天気は大きく崩れなかったので問題ありませんでしたが、近丸新道はなかなかくせ者で下手すると滑落しそうな場所がたくさん。渡渉ポイントも良い足場が見つからず、ストックなければドボン必至、この時期濡れたら厄介なので緊張しながら通過しました。その後はうんざりするくらいの急登、展望はなかなか開けないし、荷物は重いしもう飽きたーとぼやいているところへシャクナゲの応酬。初夏には華やかなピンクのシャクナゲも、背丈をゆうに越え空を覆うので鬱蒼として暗く、丈夫でしっかりした枝にうっかりぶつかると跳ね返され危うく転倒の危機。やがて辺りはシラビソの森へ。標高が高くなったのは分かってもガスがかかって不気味な雰囲気で、気分が上がらないまま縦走路へ合流しました。木賊山を通過して大きな下りに入ったところでようやく甲武信ヶ岳とご対面。場所によって様々な形に見えるようですが、ここから見る甲武信はピラミダルで印象的でした。
甲武信小屋に着いたのは昼過ぎ。静まりかえった小屋の玄関をがらがらと開けると『受付は14時から』との書置きが。そういえばHPにも書いてあった・・・。受付できないのでテントを立てるのは後にして、テラスに荷物を置いて頂上へアタック。岩稜の山頂はやはりガスガスでしたが、水源は展望は関係ないので時間もあるし足を延ばしてみました。下ること約20分、水源の碑の横に小さな流れを発見、水がチョロチョロしてるだけのなんてことない水溜まりでしたが、これがあの大河の源、ここから始まっているんだと考えたら感動が沸き起こってきました。
小屋に戻ると徳ちゃんこと山中さんが忙しそうに出たり入ったり。受付をお願いしたところ、ちょっとぶっきらぼうな対応にどぎまぎしながら指定された場所にテントを張りました。水をもらいに再び小屋の玄関を開けると、「お姉ちゃん、お茶飲みな!」と招き入れてくれて、徳ちゃんを囲んで座っていた泊まり客の方々と共に温かいお茶とカステラをご馳走になりました。聞けば徳ちゃんは御歳69歳、小さなお誕生会を開いていたようです。テントはこの日私だけ、皆さん寒くないか心配してくれましたが、「今日は暖かいから大丈夫だよ、死にゃしないよ!」との心強いお言葉、徳ちゃんがそう言うなら安心して眠れそうです。
この日の装備は3シーズンシュラフにゴアのシュラフカバー、マットはサーマレストのクローズドセルタイプ、その下には薄いアルミ蒸着シート。上下ダウンを着込んで、ホッカイロを足元やお腹にペタペタ。しっかりご飯を食べて体温をできるだけ維持、夜半には雪が降り零度を下回りましたが、無事に朝を迎えられました。しかしこの装備もそろそろ限界、来月にはシュラフは冬季用、テントシューズやエアマットも必要になりそうです。
翌朝凍てついたフライを開け顔を出すと空には満点の星、御来光も期待できそうなので軽く腹ごしらえをして、薄暗い中三宝山へ向けて歩き出しました。三宝山山頂は展望が効かないので少し戻って三宝岩へ。するとベストタイミングで雲海の中から金色の朝日が顔を出しました。ふと見渡すと甲武信の遠くに富士山、西側はさらにすごいことに。昨日見えなかった金峰山の向こうに南アルプス、御嶽と中央アルプス、そして真っ白な北アルプス。八ヶ岳はピンク色に染まってました。こんな絶景を独り占めできるなんてなんて贅沢!るんるん気分で小屋に戻ると「おぅ!まだ寝てたかと思ったよ」と徳ちゃんと朝のご挨拶。「きれいだったろう?」ええ、ええ、それはそれは。
小屋に泊まった方は出発してましたが、時間はあるし余韻に浸りながら片付けよう。余裕こいて撤収してたら、体がみるみるうちに冷えて歩き出した頃には手足がカチコチに。失敗した・・・。ペグもなかなか抜けず時間がかかってしまったので今後は抜きやすいものを選ばねば。季節はもう冬、撤収は迅速に。また一つ学びました。
強張った顔で徳ちゃんに別れを告げ歩き出しました。下山は徳ちゃん新道。こちらも急ですが近丸よりも遥かに安全です。そういえば徳ちゃんも「近丸は危ないからね。小屋に予約入れる人には徳ちゃんで来るように言ってるんだよ」と仰ってました。
明るいカラマツ林を歩いてもう一つのお目当て、西沢渓谷入り口にたどり着きました。荷物を下ろして休憩していると老若男女、様々な人々が入っていきます。私も軽いハイキング気分・・・で行ったらとんでもない!滑るし狭いし登りばっかり。しっかり汗をかきました。
渓谷の流れは青く、例えて言うならブルーハワイというかドメストを薄めたというか。とにかくどうしてこんな色になるのか驚きで、これはぜひ沢登りで入ってみたいと思いました。
一周して昨日歩いた舗装道まで戻った頃には足の裏がさすがに疲れてました。冷えたし早く暖まりたかったので、近くの日帰り温泉・花かげの湯でまったり。温泉が染みる季節になってきたなあと感じました。
今回歩いた奥秩父はほんの一部だけ。雲取からの縦走や金峰まで足を延ばしてみたり、鶏冠山や乾徳山などの難所越えなど、楽しそうなルートがたくさん。派手さはないものの素朴で奥深いところに魅力を感じました。ぜひまた訪ねてみたいです。
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