東海　花の山（69）　日本三百名山・人形山～ツバメオモト

人形山（にんぎょうざん・1726ｍ）は岐阜・富山県境の山で日本三百名山の一つ。世界遺産の五箇山からアプローチして中根平から登るのが一般的ですが、五箇山にはこの山にまつわる悲しい伝説があり「まんが日本昔ばなし」でも制作・放映された。実際に山腹には2人の幼子が手をつないで踊っているかのような、残雪による人形の形をした雪形が現れ、古くからの呼び名「ひとがたやま」の山名の由来となっている。
毎年6月第一日曜日（今年は6月6日）に山開きが行われ、今年は特に登山客があふれていたとのことですが、今日はその後の平日で結局4組程度で、下山にかかる頃に登山客とすれ違うくらいでした。車で800ｍの中根平まで入れますが、まだ900ｍ近く標高を上げなくてはなりません。しかしながら最初の第一休憩所までは傾斜のゆるい快適な登山道なのでウォーミングアップ。この先はブナ林が増え、徐々に傾斜が増していきますが、宮屋敷跡でぱっと展望が開け、少しだけ残雪が残る山肌と新緑が青々して晴々です。右に人形山、左に三ヶ辻山が見えますが、形は三ヶ辻山の方が三角錐に見え、こっちの方が人形山かと思わせます。続いて、両山の分岐まで来ましたが、今度は白山連峰が正面にしっかり見え、スケールの違いがわかります。長そうな三ヶ辻山を先に済ませることにしますが、
前半は倒木が多いものの、ありがたいことに草刈が行われるので歩きやすくなっていました。三ヶ辻方面はコブシが多く、空に向かって伸びる白い花と青空がマッチしており、稜線から少し外れるのでなかなかいい写真が撮れません。暑いのでもうそろそろ枯れてきていましたがまだ見頃の花もありました。まだ残雪が残る稜線の足元にはカタクリが群生していて、数年前の姥ヶ岳に似た様子です。
分岐から人形山へはやや道がよく、こちらは白山を見ながらの草原のような稜線歩きで、三ヶ辻山より歩きやすく足早に進めます。山頂と近くの草原のような草地からは360度のパノラマでまだ雪が残る白山連峰がしっかり見渡せます。この景色を見るとやはりこちらが三百名山なのだなと思います。もう6月ですが、花も咲いているのでハエが多く、稜線では直射日光で暑い日でした。ニュースで白川郷は今年一番の暑さで30度越えでしたので、どうりで暑かったこと。登山口の水場の水が冷たくで気持ちよかったのが印象に残ります。なかなかいい山でしかも季節もよかったと思います。