多摩川源流の旅 水干沢から笠取山
- 投稿者
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るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店
- 日程
- 2023年05月09日 (火)~2023年05月10日 (水)
- メンバー
- 友人一名
- 天候
- 晴れ
- コースタイム
- 【1日目】作場平(180分)二俣
【2日目】二俣(60分)水干(60分)笠取山(30分)笠取小屋(60分)作場平
- コース状況
- ・作場平駐車場は10台ほど。駐車場と笠取小屋に公衆トイレあり。
・滝の登攀はなく沢歩きが続きます。
・ビバーク地は水干沢と分かれる顕著な二俣部にて。広く平らです。朝晩は風が冷たく気温が下がるので、3シーズンのダウンの寝袋にシュラフカバーをかけました。インナーはメリノウールの上下、ダウンジャケットやダウンパンツもあると安心です。
・水干から笠取山へは南斜面から登りました。急な上、笹で滑るのでバイルを使用。立ち木と岩で支点取れます。
- 難易度
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感想コメント
山に抱かれながら山旅をどっぷり満喫したい。そんな希望を叶えるべく、今年最初の沢泊に行ってきました。まだ沢登りは危なっかしいので、歩きが主の水干沢へ。ここは奥多摩の最深部、多摩川の源流があり、にゅっとした特徴のある形の笠取山が聳えています。稜線は多摩川と埼玉の荒川、山梨の富士川の分水嶺を成しており、まさに水にまつわる山域です。
数年前の早春に訪ねた時は、山から染み出した水で道路が凍結、駐車場へ向かうのも困難を極めました。そんな水の山へ、沢から登ってみようとのお誘いが。これはもう行かないわけにはいきません。沢泊まりの慣らしも兼ねて、久しぶりに山泊の準備を進めました。まだ朝晩は冷え込むので防寒着は多めに装備。安全を考慮して沢バイル、トレッキングポール、滑り止めのチェーンスパイクなどギアも豊富に。ロープやタープ、鍋類は持ってもらいましたそれでも14kg超え。なだらかなコースではありましたが、重さで体が振られる場面もありました。
作場平には平日にも拘わらず車がたくさん。笠取山の人気が伺えます。始めのうちは登山道を歩きながら竿を出してみたり。残念ながら晩のおかずは釣れませんでした。
毎年暑くなってから沢に入っていたので、5月に入るのは初めて。水はまだ冷たくトイレが近くなりましたが、新緑が素晴らしく、ニリンソウやスミレなど春の花に出会えるのも魅力でした。
のんびり歩いて昼過ぎにはビバーク予定の二俣に到着。まだ時間が早くのんびりしたい気持ちでしたが、薪集めに、寝床作り、着替えなどをしていたらあっという間に夕方に。いつの間にか冷たい風が吹き下ろしてきたので、早速焚き火に取りかかりました。火種を燃やし、小枝から順にくべて。手順通りにやってみたらいとも簡単に火が着きました。今までで最速です。乾いているって素晴らしい!
火が弱まると寒さが身に染みました。その度に薪を追加し火を絶やさないように。ザックもお気に入りのミレーのティフォンジャケットも、おかげですっかり焚き火臭くなりました。沢の雨具は新調したものでなく使い古しがおすすめです。今回インナーには、メリノウールと相性の良いミレーのドライナミックメッシュシリーズを着用。ウールが出番のときはこちらのインナーに限ります。思っていたより寒い夜でしたが、万全の防寒対策のおかげでぐっすり眠れました。
翌日は水干沢を詰めて笠取山へ。笠取山の山頂部はジェットコースターのような急坂なので、登山道ではない場所から上がれば急斜面に決まっています。しかも笹で覆われ、立っているだけでも滑って危険。安全を考慮してロープを出しました。水干まで来たら、回り込んで登山道から登るのもありです。
バイルで支えていたので落ちる恐怖はありませんでしたが、笠取山にわざわざ南面から息を切らして登ることになろうとは。初めて登った時には考えもしなかったチャレンジでした。
山頂に着いたら重いザックは放り投げて、西の本峰へ。戻って休憩し、分水嶺を見学して登山道を下ります。重さのせいか、鈍った体力のせいか、何度かずっこけました。相方に迷惑かけながら何とか下山。楽しかった反面、体力不足や判断の遅さに悔しさが残りました。
沢登りも良いけど、慣れないうちは沢を歩くウォーターウォーキングでも十分楽しめます。沢を始めたての方にもおすすめです。沢歩きをとことん楽しんだら、そのうち登攀要素のある沢にもチャレンジしたいです。
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・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。