【北アルプス縦走】折立~黒部五郎岳~新穂高温泉

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投稿者
渋民 萌奈
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日程
2024年09月30日 (月)~2024年10月02日 (水)
メンバー
他1名
天候
1日目 曇り/無風 2日目 晴れ/無風 3日目 晴れ/強風
コースタイム
■1日目
9:42 折立 → 13:04 五光岩ベンチ → 13:59 太郎平小屋

■2日目
3:59 太郎平小屋 → 5:42 北ノ俣岳 → 9:15 黒部五郎岳 → 11:18 黒部五郎小舎 → 13:48 三俣山荘 → 15:15 鷲羽岳 → 16:32 三俣山荘

■3日目
3:55 三俣山荘 → 4:58 三俣蓮華岳 → 6:34 双六岳 → 7:38 双六小屋 → 9:25 弓折乗越 → 9:58 鏡平山荘 → 13:32 わさび平小屋 → 15:10 新穂高温泉
コース状況
全体的に道は明瞭で、がれ場には印もしっかりついていたので見落とさなければ道迷いの心配も少ないと思います。
途中、何ヶ所かある木道は濡れると滑りやすくなるので注意です。がれ場やざれ場も多く、特に下りは滑りやすいので足の置き場に気をつけながら慎重に歩く必要があります。


登山口について

■折立
折立までは有料の有峰林道を通ります。
利用時間は6:00~20:00、乗用車は往復¥2000で現金のみ、雨量が多いときは通行止めになる場合があるので公式サイト(ありみネット)を要チェックです。

無料駐車場、無料トイレ、自販機あり。

付近ではクマの目撃情報が多発しており、ザックを奪われる事件も起きているそうです。
道中遭遇はしませんでしたが、ガサガサという物音と獣臭がしたのでおそらくクマがいたのではないかと……緊張が走りました。
クマ鈴やヘルメットを装備しておくと安心です。

水場はあったのですが、生水のため飲料不可という張り紙がありました。
煮沸をすれば飲めるかな?と思いプラティパスのソフトボトルに汲んでいきましたが、心配な方は控えたほうがいいかもしれません。


■新穂高温泉
新穂高温泉はビジターセンターに無料トイレがあり、手洗い場の水は飲用可でした。自動販売機もあるので一服もできます。

今回、下山後の温泉は「中崎温泉」に立ち寄りました。
ビジターセンターから歩いてすぐのところにあり便利です。源泉掛け流しでとても気持ちのよいお湯でした!
露天には竹の小枝を利用した衝立があり、そこをお湯が滴っていました。源泉を加水することなく冷ますための仕組みだそうですが、見た目も美しく、水滴の落ちる音や様子が綺麗でとても癒されます。

今回は立ち寄らなかったですが「ひがくの湯」もおすすめです。夜ごはんも食べられるので、下山してすぐにがっつりご飯が食べたい!というときにとても便利です。
かわいい柴犬もいます。

・中崎温泉
 日帰り入浴 9:00〜18:00 / ¥900
 ※受付は17:00まで

・ひがくの湯
 日帰り入浴 9:00〜20:00 / ¥900
 食堂 11:00〜20:00 (LO 19:00)



天気・気温

1日目は雲の多い空でしたが、2日目は好転し快晴無風の快適な山行となりました。
3日目は天気はよかったのですが風が強く、双六岳付近ではおそらく風速10メートルくらいあったと思います。

連日、日中は15℃〜25℃で、日向と日陰で体感温度がかなり変わります。半袖で歩いてる方も多くいました。
日の出前の4:00頃は5℃前後、寝起きで体温が上がっておらず、長袖のベースレイヤーに薄手のミッドレイヤーとダウンジャケットを重ね着して行動を開始しました。
難易度
Google Map GPSファイル
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

暑すぎる名古屋から涼を求めて北アルプスへ。
折立から入り、黒部五郎岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳を歩き新穂高温泉へ、2泊3日の山小屋泊で縦走をしました。

しかし、涼しいかと思いきやかなりの暑さ……!
紅葉ははじまっていましたが、ナナカマドの葉は紅葉する前に暑さで枯れてしまったようで、残念ながら山肌にきれいな赤色はほとんど見られませんでした。
チングルマは赤く紅葉しているかと思いきや、花を咲かせているものもあったり、暑さは植物にかなり影響を与えていると実感しました。

天気はとてもよく、3日間とも最高の景色に囲まれながら歩くことができました。
特に三俣蓮華岳から双六岳に向かう途中の稜線で見た朝焼けがすばらしく、朝日に赤く染る空や山肌につい何度も足が止まってしまい、なかなか前に進むことができませんでした。
あまりによい景色を見ると、もしかして今が人生のピークでこの先こんなによいことなんてもうないんじゃないかと不安な気持ちになりますね。

他にも、大きな流れ星が流れていく瞬間を見たり、ハイマツから3羽のライチョウが元気よく鳴きながら飛び出してきたり……ライチョウが飛べるということを知ってはいたのですが、実際に飛んでいるところをはじめて見たので、本当だったんだ!と感動しました。

いろいろなことに恵まれ、思い出に残る楽しい山歩きとなりました。

山小屋について

今回は太郎平小屋と三俣山荘に、どちらも二食付き(早出のため朝食はお弁当に変更)で宿泊しました。

■太郎平小屋
水について
小屋内には水道があり飲用OKでした。
小屋外にも募金箱の置かれた水場があり、ここでも水の補給ができます。

充電について
発電機の動いている間のみ、¥200で受付に本体と充電器を預けると充電してもらえます。

ご飯について
11:00〜14:00はランチメニューが注文できます。
名物の太郎ラーメンは行者ニンニク入りでとても美味しいです!

今年の7月に薬師岳へ登ったときにも太郎ラーメンを注文したのですが、そのときスタッフの方から行者ニンニクを採集するのがとても大変で……というお話をうかがいました。
苦労して作られた太郎ラーメン……より味わわなければと、今回もじっくり噛み締めながら頂きました。

■三俣山荘
水について
雪解け水が少ない影響で小屋は水が不足している状況でしたが、テント場には水場があります。テント場は山荘のすぐ近くなので気軽に汲みに行くことができます。

充電について
受付横に電源タップが設置されており、発電機の動いている間のみ、2時間¥100で充電ができます。
用意された名札に名前と終了時刻を記入し、本体に貼っておくシステムでした。

ご飯について
夕食のメニューはジビエシチューで、柔らかく煮込まれた鹿肉がごろっと入っており食べ応えがありました。
食堂は二階にあり、窓からは槍ヶ岳や北鎌尾根の素晴らしい稜線を望むことができます。夕焼けに染まる山並みを感じながらの食事ができる展望食堂……とても贅沢な時間でした。

夕食の片付けが終わると、食堂で夜カフェがオープンします!
壁に映し出されたスライドショーを眺めながら、お手製のチャイやサイフォンコーヒー、ケーキやお酒を楽しむことができます。
この日は再び開通された伊藤新道についてのスライドショーが流れており、いつか歩いてみたいなあという気持ちが膨らみました。

朝食のメニューもジビエを使った料理だったのですが、今回はお弁当に変更したため残念ながら食べられず……もし次回があればそのときはぜひ朝食ジビエも味わいたいです。


服装・装備

・レインウェア………ノースフェイス/クライムライトジャケット、パンツ
・パンツ………………ノースフェイス/アルパインライトパンツ
・ドライレイヤー……ファイントラック/ドライレイヤーベーシック
・ベースレイヤー……ノースフェイス/ロングスリーブ フラッシュドライ3Dクルー
・ミドルレイヤー……マムート/ソフトシェル、薄手のフリース
・ダウンジャケット…マムート
・靴……………………スポルティバ/トランゴトレックマイクロEVO GTX (販売終了)
・インソール…………スーパーフィート/ブルー
・ザック………………ミレー/サースフェー30+5
・クマ鈴………………森の鈴 カバー付き
・水筒…………………プラティパス/ソフトボトル1l、山専ボトル500ml
・バーナー……………プリムス/P-153


▲▲▲追記▲▲▲

双六岳で大きな風船のようなものを一生懸命膨らませている方がいました。
なにをしているのか尋ねてみると、サイコロを膨らませているんですとのこと。よく見るとそれは大きなサイコロ柄の風船でした。なるほど!
先を急いでいたので残念ながら完成まで見届けることはできませんでしたが……。

山での楽しみは人それぞれで、自分とは違った角度から山を楽しんでいる人と出会うと元気がもらえます。
しばらく先へ進んだあと、ふと後ろを振り返ると双六岳の山頂に大きなサイコロを掲げる人が小さく見えました。

私も私らしく、楽しく元気に歩こう。


※書かれている内容は2024/10/2時点のものです。

フォトギャラリー

三俣蓮華岳から双六岳へ向かう途中、朝焼けがとてもきれいでした。

折立にはクマ注意の看板がありました。

太郎平小屋へ続く木道の途中、チングルマが咲いていました。

名物の太郎ラーメン。

太郎平小屋の夕食(左上)と朝食(右上)。翌日の日の出、放射状の光がきれいでした(下)。

黒部五郎岳登頂!そして今回の服装です。三日間とも日中は薄手のベースレイヤーのみで十分な暑さでした。

黒部五郎カールと紅葉したチングルマ。

黒部五郎小舎で休憩。ナナカマドの葉はほとんど落ちていました。

鷲羽岳と三俣山荘。途中、伊藤新道への分岐点(右下)がありました。いつか行ってみたいです。

鷲羽岳登頂!

三俣山荘の展望食堂にて夕食のジビエシチュー。景色もご飯も最高でした。

夜カフェ。お手製のチャイやサイフォンコーヒー、ケーキを頂きました♪

翌日の日の出(上)と朝食(左下)。そして三俣蓮華岳、登頂!(右下)

双六岳登頂!

槍ヶ岳へと伸びる天空の滑走路。広大でした。

ライチョウがここで砂浴びをしていた気配を感じます。

鏡平山荘で休憩。快晴の青空に合わせてかき氷はブルーハワイにしました♪

鏡池。レンズ雲と槍ヶ岳がきれいに映っていました。

わさび平小屋で休憩。そうめん食べ納めです。

下山後は中崎温泉へ。とてもいいお湯でした。

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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