笊ヶ岳初冬(2,629m) ~南アルプス南部の大展望台へ~

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投稿者
伊藤 岳彦
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日程
2012年12月04日 (火)~2012年12月06日 (木)
メンバー
単独行
天候
晴/曇/雪のち晴
コースタイム
12/4 老平 (90分) 広河原 (240分) 桧横手山
12/5 桧横手山 (180分) 布引山 (120分) 笊ヶ岳 (240分) 桧横手山
12/6 桧横手山 (210分) 老平
コース状況
・6日現在、積雪は「山の神」より上部でした
・尾根を忠実に辿るコースで、随所に赤布がありました
・稜線の積雪は膝下くらいでした(ところにより股下まで)
・尾根上樹林帯での幕営が基本となるので、水を作るときに濾す必要があります
・老平の無料駐車場(ゲート手前)は5~6台のスペースがあります
・広河原までのアプローチでは<厳冬期のみ>危険な箇所が1つあります。廃屋から20分程進んだ雨滝状の断崖絶壁トラバースに氷柱ができてしまうと通行不可能となります。その場合は作業道を探して一旦沢へ降りて登り返す大変なアルバイトになるそうです。地元の方に教えて頂きました。
難易度
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感想コメント

北アルプスで展望の山と言えば蝶常念があまりにも有名ですが、南アルプスではと言えば笊ヶ岳(ざるがたけ)が筆頭に挙げられるのではないでしょうか?
笊ヶ岳は、間ノ岳から派生する大井川の東の稜線、いわゆる白峰南嶺(しらねなんれい)上に位置する美しい双耳峰で、展望の素晴らしさでは群を抜くことで知られます。
360°の大展望が広がるのは、唯一森林限界を超える山頂部のみとなるので、最後の最後、限りなくドMな長い急登とラッセルの果てに疲労困憊で辿りついたその瞬間に、まなかいに飛び込んできた光景は余りにも感動的なものでした。
聖・赤石・悪沢・塩見といった錚々たる3,000mの白き高峰を屏風の如く一眸の下に集めることができるだけでなく、小笊の向こうに秀麗な富士を望むアングルは聞きしに勝るものでした。
南の大無間山から遥か北の鳳凰三山まで一つのラインとして捉えることができるのも、おそらく笊ヶ岳の山頂だけでしょう。
これだけ展望に恵まれているにも関わらず、訪れる人が極めて少ない不遇な山ですが、体力が必要な山とはいえ危険な箇所はほとんどないので、もっと広く知られてもいいような気がします。
冬の南アルプスとしては入門の次のステップアップに適しているのではないでしょうか。

フォトギャラリー

笊ヶ岳は360°の大展望台

秋色濃く残るアプローチ

広河原の渡渉点 時期的に水量が少ないので渡渉は容易です

初日はひたすら急登

桧横手山にて二晩幕営

翌日もひたすら急登

稜線直下はガレ場

布引山は静かな頂き

稜線の積雪は膝下くらい

鞍部より大笊と小笊

山頂部のみ森林限界を越えます

上河内岳

聖岳 手前が東尾根

赤石岳

荒川三山

塩見岳

白峰三山 北部を望む

富士山と小笊

富士山アップ

稜線を振り返る

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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