鈴鹿の秀渓 蛇谷遡行 ~ 紅葉の連瀑に魅せられる爽快な渓へ (竜ヶ岳東南面 宇賀渓支流)

このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2014年10月28日 (火)~
メンバー
春日井店      森藤 将樹 (モデル!?)
浜松メイワン店  伊藤 岳彦 (文・写真)
天候
コースタイム
宇賀渓駐車場(30分)五階滝下入渓点(120分)二俣(60分)竜ヶ岳(150分)   宇賀渓駐車場
コース状況
■ 入山料 … ¥200 登山計画書の記入が必要です。
■ 水温はかなり低いです。
■ 上流部の紅葉は見頃。下流部はこれからでしょう。
■ この日は稜線の風が強く、寒さが身に堪えました。
■ 防寒・防風対策は万全にお願いします。
難易度
Google Map

より大きな地図で 蛇谷 を表示
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

鈴鹿山脈の中心、名峰「竜ヶ岳」の東南面に位置する「宇賀渓」。
鈴鹿随一の景観と称えられる渓谷で、花崗岩質の谷のなかに、無数の瀑布と深淵があることで知られます。
夏の鈴鹿沢登りの人気スポットである神崎川(石槫トンネルを挟んだ滋賀県側)とは趣を異にしますが、表丹沢を彷彿とさせる親しみやすい雰囲気のなかに多くの美瀑が点在し、沢登りでなくとも滝を巡るハイキングを楽しむことができそうです。
この宇賀渓で、沢登りに適した主な沢は、百名谷にも選定されている「ホタガ谷」と、数多の滝場が迎えてくれる秀渓「蛇谷」の2つ。
今回は、後者の「蛇谷」で紅葉と清流を愛でながら、水温は低いものの気分爽快な沢登りを楽しんできました。
ただ低水温対策はもちろんのこと、稜線の風がとても強く冷たいこともあるので、遡行終了後のレイヤリングにも気を配りたいところです。

「蛇谷」は前半部に美しい廊下をもち、その中に10m規模の滝が息つく間もなく連続。
後半部も直登可能な5mクラスの滝が続き、流麗な水の流れに魅せられてしまいます。
全域に渡って、滝や廊下、ゴルジュが目白押しなので飽きることがなく、笹原のツメも爽快、竜ヶ岳の大展望を楽しんだ後、きちんとした登山道で下山もできるので大変スッキリした遡行を満喫することができます。
ハイキングに適した山域でありながら、これだけ内容の濃い遡行が比較的手軽に楽しめるルートはそうあるものではないかもしれません。
極めて沢登りとして完成度が高いルートといっても過言ではないでしょう。
なお完全遡行するならば、白滝吊橋から入渓し宇賀渓の核心部を堪能するべきですが、ショートカットとして長尾滝道を辿り、五階滝より入渓することもできます。
パーティーの技量やモチベーションに合わせてルートを選択すればよいでしょう。

さすがに10月末の水温の低い沢を辿ると、汗ばむ夏の陽射しと蝉の鳴き声が懐かしくなりますが、この蛇谷は廊下帯があるとはいえ大変な泳ぎやへつりがあるわけではないので、紅葉の時期の遡行にも適しています。
色取り取りの落ち葉を踏みしめながら、光と影が交錯する美しい連瀑を越えていくのはこの時期ならではのこと。
紅葉と清流の饗宴は遡る者の心を穏やかにし、美しい色の残像を脳裏に深く焼き付け、遡行や登山そのものをいつもよりも趣深い鮮烈なものにしてくれるような気がします。
新緑5月以来2度目の遡行でしたが、全く印象の異なる新鮮な感覚があり、季節を変えて山を訪れることの素晴らしさを再認識できたように思えます。
平日の遅い入渓であったとはいえ、遡行時はおろか、山頂や下山時にも誰にも会うことがなく、とても静かな竜ヶ岳を満喫することができました。
相変わらず鹿が多く、沢に響き渡る啼き声のハーモニーに迎えられ、広大な笹原を縦横無尽に横切る鹿の群れに出会うことができ、少し幻想的な気分も味わえました。
身近な山ながら、色々なルートだけでなく、様々な表情をもつ竜ヶ岳はやはり鈴鹿の名峰と呼ぶに相応しい素晴らしい山だと思います。

フォトギャラリー

蛇谷は多くの滝場が続く明るい渓です

入渓していきなり釜に浸かってもらいます 全身が痺れるほど冷たい!

五階滝はよいウォーミングアップになります

序盤は美しい滝が続きます

CS2条5m滝は右から取り付きます

空はよく晴れ、気持ちの良い遡行となりました

核心部となる四連の滝 さすがにこの時期のシャワーはつらいので巻きました

明るい廊下帯を順調に越えていきます

小滝が沢山あり飽きることがありません

明るい渓相に自然と笑顔がこぼれます

思い思いに滝を越えていきます

明るい陽射しが差し込む穏やかな渓相を辿ります

後半も登れる小滝が続きます

光の陰影が際立ちます

落ち葉を踏みしめながら、さらに上流へ

上流部の連瀑を軽快に越えていきます

落ち葉が遡行に彩りを与えてくれるのはこの時期ならではのことです

段々と勾配がきつくなっていきます

奥ノ二俣 この辺りの紅葉が一番きれいでした

最後は爽快な笹藪を越えて稜線へ 寒風吹き荒ぶ山頂までもう少しです

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

この記事を見た人は次の記事も見ています

アクセスランキング

横浜西口店 - 登山レポート

同難易度の登山レポート

  • スタートナビ
  • おとな女子登山部