忍びの道を歩く 養老山(多芸山)/ 養老

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投稿者
上田 哲也
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日程
2018年11月30日 (金)~2018年11月30日 (金)
メンバー
グランフロント大阪店:上田
天候
小雨/曇り/晴れ/曇り/小雨/晴れ
コースタイム
近鉄・養老駅~60分~養老の滝~75分~三方山(730m)~15分~小倉山(841m)~15分~養老山(859.3m)~50分~避難小屋~25分~川原越~80分~近鉄・美濃津屋駅
コース状況
三方山、小倉山、養老山への登山道は整備されており歩きやすいです。
養老山から川原越への登山道は整備されており歩きやすいです。
川原越から美濃津屋駅への道は東海自然歩道ですが、非常に段差のある階段とガレ場が続き歩きにくいです。(熊、マムシ、ヤマヒルに注意の看板あり)

水場:養老神社にあり
WC:養老の滝手前にあり
難易度
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感想コメント

岐阜県養老町にある養老山に行ってみました。

養老山は「多芸山」とも呼ばれており、「孝子伝説」で知られる「養老の滝」がある事で古くから知られています。孝行息子が老いた父のために汲んだ水が酒に変わったという養老の滝ですが、麓にある養老神社では名水百選に選ばれている菊水泉の水を汲む事が出来ます。また養老山は歴史上では長島一向一揆の舞台にもなっています。

元亀元年(1570)織田信長は顕如上人に対し石山本願寺の明け渡しを求めますが、顕如上人は要求を拒否して信長と戦うよう決起を呼びかけ、全国で門徒が一斉に蜂起し始めます。伊勢長島では願証寺を拠点とした一向一揆勢が尾張の小木江城を攻撃し、守備していた織田信興が自害。これに対して弔い合戦と称した信長が長島に侵攻して、一向一揆勢と大規模な戦いに発展します。

「第一次長島侵攻」では敵を単なる門徒の一揆勢と考えていた織田軍が、火縄銃を装備した雑賀衆の銃撃に晒されたり、養老山地に潜んだ伏兵によるゲリラ攻撃に遭い、大垣城主の氏家ト全を失うなどして敗走しています。また天正元年(1573)の「第二次長島侵攻」の際には、北勢制圧後に撤収中の信長を多芸山(養老山)にて伊賀・甲賀の忍者を含む一揆勢が待ち伏せして襲撃。

「弓鉄砲にて山々先々へ移まハり道の節所を支へ、伊賀甲賀のよき射手の者共馳来て、さしつめ引つめ散々に討たをす事無際限」と「信長公記」に記されており、山を駆け巡って道の要所に先回りした伊賀・甲賀の忍者らが、弓や鉄砲で組織的な待ち伏せ攻撃を行っていた様子が分かります。織田軍は一揆勢の追撃に消耗を続け、信長が大柿(大垣)城に着く頃には夜も更けていたといいます…。

近鉄・養老駅から出発。歩き始めてすぐに小雨が降り出したものの、養老公園にある紅葉の発色がより冴えて綺麗に見えました。養老神社で水を汲み、駅から約1時間で「養老の滝」に到着。この辺りの谷は丁度紅葉が見頃を迎えていました。滝駐車場の横にある登山口から入山し、三方山に登りはじめる。

九十九折れの坂道を越すと、山上の紅葉は大半が枯れていました。1時間ちょっとで三方山の山頂に到着。三角点なし、展望あり。気温8度。次は尾根伝いに歩いて小倉山へ。晴れていると展望が開けているそうですが、ガスって視界不良。さらに15分ほど進んで養老山へ。三角点あり、展望無し。気温7度で、暑すぎず寒すぎず。養老山からは尾根伝いに南下を開始。

非常によく整備された山道で、トレイルランをする方も多いようです。適度な登り下りを繰り返し進んで行くと避難小屋があり、少し先で東海自然歩道との分岐である「川原越」に到着。道は難所続きで段差が膝頭ぐらいの高さの階段や、ガレていたり崩れていたり「熊、マムシ、ヤマヒルに注意」の看板も有りましたので、いろいろと注意が必要です。帰路は美濃津屋駅に下りました。

「信長公記」には「左ハ多芸山、茂りたる高山也。右手者入川、足入多有て茂りたる事、大方成不。山下に道一筋めくりまハつて節所也」(左に樹木の茂った養老山、右には葦が多く茂った川があり、山裾に蛇行した一筋の道があった)とあり、一揆勢は地元の「多芸十日講」が中心だったとも言われる事から、信長襲撃は川原越から多芸橋の間ぐらいでの出来事だったのではないかと思われます…。

フォトギャラリー

紅葉の「養老の滝」

養老公園の紅葉

養老公園の紅葉

養老神社の菊水泉

養老公園の紅葉

紅葉の「養老の滝」

紅葉の「養老の滝」

巨石堰堤

養老山の紅葉

養老山の紅葉

三方山からの眺め

小倉山の山頂

山路

養老山の山頂

平野の展望

川原越の紅葉

川原越の紅葉

川原越の紅葉

養老山(多芸山)

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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