かおりんと行く秩父札所巡り⑩ 釜ノ沢五峰~岩と落ち葉のパラダイス

このエントリーをはてなブックマークに追加
投稿者
るんちゃん(おとな女子登山部)
浦和パルコ店 店舗詳細をみる
日程
2020年12月22日 (火)~2020年12月22日 (火)
メンバー
おとな女子登山部 吉野香織さん
天候
晴れ
コースタイム
法性寺(10分)龍虎岩(20分)お船観音(10分)奥の院大日如来像(25分)478m三角点(30分)亀ヶ岩展望台(20分)長若山荘(30分)一ノ峰(10分)二ノ峰(10分)三ノ峰(10分)四ノ峰(10分)五ノ峰(10分)中ノ沢ノ頭(30分)文珠峠(10分)中ノ沢ノ頭(10分)二股の鉄塔(10分)兎岩(20分)中ノ沢集落(15分)長若山荘(15分)法性寺
コース状況
・法性寺駐車場は10台ほど。境内の外、道路挟んで向かいにトイレあります。御朱印受付時間は8時~16時まで。(冬時間、正午はお休み)
・巡礼以外の方も整備協力費300円が必要です。
・大日如来像を過ぎて最初の鉄塔の前で分岐が出てきます。右へ行くと柿ノ久保、左へは釜ノ沢となっていますが、昨年の台風の影響でどちらも荒れ気味との情報がありました。今回は鉄塔から延びる尾根を直登し、地形図の登山道に沿って478mの三角点まで登りました。そこからすぐ左手に、2本目の鉄塔に向かって急な尾根が延びているのでそこを下りました。
・2本目の鉄塔を越えたら沢に向かって一旦下り、再び3本目の鉄塔に向かって登り返します。谷に付けられた道は大きく崩壊しているので左手の踏み跡を登ります。
・亀ヶ岩展望台の後は長若山荘のある集落まで下ります。ゆず農家の裏庭に出ました。長若山荘向かいの民家の前に自販機があります。
・長若山荘を西に進むとすぐに釜ノ沢五峰登山口に着きます。標柱のすぐ脇の道を進み、脆い木橋を2本渡って道標通りに進めば迷いやすい箇所はありません。
・二ノ峰(石柱には三ノ峰とありますが恐らく誤り)、三ノ峰の下りは鎖場です。難易度は低めです。
・最高地点の中ノ沢ノ頭から西へ下ると金精神社、文珠峠となります。ペーパー付きの簡易トイレ棟あり。道路挟んで向かいに長若天体観測所があります。
・釜ノ沢五峰の登山道は落ち葉に覆われ不明瞭な上、急登で滑りやすく滑落の危険があります。ストックがあると安心です。
・道迷いが多く発生している山域なので、地形図の携行と現在地確認、事前の情報収集の徹底をおすすめします。
・万が一時間をロスした場合、バスの本数が少ないので注意が必要です。
難易度
Google Map
  • スタートナビ
  • おとな女子登山部

感想コメント

 秩父巡礼の旅も残すところあと2ヶ所。今回は札所一の難関、第三十二番・法性寺へ。難所とされる所以は、奥の院が切れ落ちた岩山の上にあり、足を踏み外したらただでは済まない場所にあるから。見晴らしの良い岩尾根はまるで船のように細長く、舳先に観音様、艫の部分には大日如来様が奉られ、よくもまあこんな場所に建てたものだと感心してしまいます。今回はそんな法性寺と、その先に延びる登山道から釜ノ沢五峰までを周回してきました。
 「札所巡りはなるべく自分たちの足で」がモットーだったので、これまではなるべくバスを使わず歩いてきましたが、今回はアップダウンの多いロングコース、おまけに昨年の台風で道が大きく崩壊しているとのこと。時間が全く読めなかったのでやむを得ず車で向かうことにしました。
 
 まずは第三十二番の法性寺を参拝。般若山の称号通り山門とお堂に般若の面が掲げられています。階段を登って本堂まで上がると脇に遥拝所があり、そこから天空に佇むお船観音様を望めるようになっています。タフォニという蜂の巣のような風化現象が見られる観音堂、神獣が眠っていそうな龍虎岩など、たくさんの見所を巡っていよいよお船岩へ。雑木林の先はいきなり崖で足がすくみそうになりますが、恐る恐る先へ進むと舳先には美しい観音様。先の台風のひどい嵐の中、ここに変わらず立っていたと思うと思わず手を合わせたくなるような神々しさでした。
 次は艫に鎮座する大日如来様。ステップの切られた鎖場を登ると一畳ほどのスペースに御座します。観音様より高い位置にあるので見晴しはさらに良くなり、武甲山はじめ晴れ渡った秩父の丘陵が見渡せました。巡礼エリアはここまで、この先はルーファイしながら慎重に歩みを進める必要があるので、分岐の手前で一先ず休憩することにしました。
 
 最初の鉄塔から左の釜ノ沢へ下る道がメジャーのようですが、登山道の崩壊が著しいようなので私たちはそのまま尾根を直登することにしました。ふくらはぎのつりそうな急傾斜、枝に掴まらないととてもじゃないが登れない、そんな場所をかおりんに歩かせてしまい終始ドキドキでしたが、秘境感がお気に召したようで、ピークに着いた頃は楽しそうに写真を撮りまくっていました。
 息つく暇もなく今度は急降下。枯れ葉に覆われ一見しただけでは道が分かり辛いですが、左側に明らかに尾根が延びていたので落ち葉と共にスライディングしながら下りました。すぐ隣にある2つ目の鉄塔にたどり着くまで大きく迂回した形になりましたが、一番安全な道を通ってきたはずなので自信を持って先へ進みます。
 またしても落ち葉の道を谷底まで下りて次の鉄塔まで登り返し。登りの道は大きく抉られ修復はかなり難しい様子。わずかな踏み跡の付いた左の尾根を手足を使って登るとまた視界が開けました。少し行くと亀が首を伸ばした姿のような亀ヶ岩が見えてきます。ここは遮るものがなく武甲山の好展望地。のんびり休憩したいところですが先を急ぎます。

 一旦集落へ降りたら、釜ノ沢五峰登山口から改めて登ります。釜ノ沢五峰は5つのミニ岩峰が連なり、アスレチック気分を味わえる知る人ぞ知る登山道。麓の長若山荘のご主人の私設で、個人で整備した道だとか。先ほどまでと違い、大変歩きやすい道に少し驚きつつ稜線を目指しました。柴崎さんに感謝です。
 前日が冬至だったので、この日からは西洋占いでいうところの風の時代の幕開け。そんな話をしながら急登を進むと、いつの間にか一ノ峰へ到着。ここまで来てしまえばあとは稜線歩きです。二ノ峰、三ノ峰は特に開けて展望が良く、休憩するにはもってこいの場所ですがさらに先へ。林に覆われた四ノ峰、五ノ峰を過ぎると、今度は両神山や二子山など西側の景色が見えてきます。一度進路を南へ、樹林に覆われた最高点の中の沢ノ頭の分岐を右に進み文殊峠に出ました。ここには天体観測のドームがあり、眺望も抜群、ベンチもあるのでようやく大休止することにしました。
 
 休憩後は登山口へ向けて折り返し、再び落ち葉の滑りやすい道を下っては登り、最後の難所・兎岩へ向かいます。どの辺りが兎かはわかりませんが、可愛いいネーミングとは裏腹に落ちたら一巻の終わりです。とはいっても手すりも付けられ、靴底のグリップもしっかり効くのでなかなか楽しめました。ルート上最も映えスポットなのは間違いありません。ここを過ぎたらゴールまで僅かに下るだけ、とはいってもまた落ち葉地獄。ここぞとばかりに細心の注意を払って、なんとか無事に下まで下りました。

 下山後に通りすがりの地元の方から柚子を頂戴しました。感激しすぎてうっかりしていましたが、あの方が釜ノ沢五峰を整備した柴崎さんだったかもしれません。いろいろお話を聞いてみたかったです。
 柚子の爽やかな香りを嗅いでいると疲れもすっかり癒やされ、いつの間にか駐車場に戻ってきました。時間は既に16時過ぎ、日が陰り山の中にいた時よりも手先が冷たく感じました。今夜は柚子風呂に決定です。

 今回の札所は本来ならもっと早い時期に訪ねるはずでしたが、お天気に恵まれず年末までもつれ込んでしまいました。この日の空は穏やかな陽気でこの上ないハイキング日和、長いこと待った甲斐がありました。難所ながら道迷いもなく無事に下山できて、文字通り山場を越えたという感じです。残すはあと1ヶ所のみ、次回はいよいよ最終回となります。

フォトギャラリー

お船岩の上から。下を覗くと断崖絶壁でガクブル。

般若という集落にあり、正式名を般若山法性寺といいます。

蜂の巣のようなタフォニが見られる観音堂。靴を脱いで上がります。

龍虎岩へは鎖を伝って登ります。

岩の上の大日如来像。狭いので仏様と密着できます。

最初の鉄塔の先の急登。木に掴まりながら必死に上へ。頂上に三角点あり。

今度は急降下。恐怖の落ち葉地獄。滑ると止まりません。

ガメラのような亀ヶ岩。

武甲山がよく見えます。平らな段丘はかつて荒川の河床だったそうです。

下ると荒れ荒れの谷。左手に踏み跡があります。

登るとまた鉄塔。鉄塔がたくさんで読図しやすいです。

一旦下りて再び山の中へ。

二ノ峰は三と書いてあるので手で修正。

三ノ峰も展望が良いです。ここから見た兎岩はえげつない角度。

鎖場をものともしないかおりん。

落ち葉の海がかなり深くてポールダンスみたいになってるかおりん。

天文台の裏には両神山や二子山が見えます。

印象的な鉄塔。ここまで来ればあと少し。

釜ノ沢のハイライト・兎岩。どのへんが兎なの?手すりがあることでより傾斜が伝わります。

帰りに採れたて柚子をいただきました。良いかおりん♪

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

この記事を見た人は次の記事も見ています

アクセスランキング

浦和パルコ店 - 登山レポート

同難易度の登山レポート

  • スタートナビ
  • おとな女子登山部